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GPS(衛星測位) じーぴーえす

二陸特 三陸特

高度約 20,000〔km〕を回る約 30 機の測位衛星が送る時刻と軌道の情報を受信し、電波の到達時間から各衛星までの距離を求めて受信機の位置を知るシステム。4 機以上の衛星が必要で、民生用は 1,575.42〔MHz〕(L1 帯)を使う。

試験ではここ

2陸特・3陸特の過去問での出題例は少ないが、衛星測位の原理(到達時間差から距離、4 機以上で位置と時刻誤差を解く)、周波数 1,575.42〔MHz〕、静止衛星ではなく約 12 時間周期の周回衛星であること、受信専用で送信しないことを押さえる。静止衛星通信の肢との混同に注意。

GPS の衛星は「今の時刻は何時何分何秒、私はここにいる」という放送を流し続けています。受信機はその電波が届くまでにかかった時間から衛星までの距離を計算します。衛星 1 機なら「その距離の球面のどこか」、3 機なら球面の交点で位置が決まり、受信機の時計のずれを補正するためにもう 1 機、合わせて 4 機以上を使います。受信機は電波を受けるだけで、自分からは何も送りません。

4 機の GPS 衛星から受信機に電波が届く図。各衛星からの距離を半径とする球面の交点が受信機の位置になり、4 機目で時計の誤差を補正する
3 機で位置、4 機目で受信機の時計誤差を解く。だから 4 機以上

GPS の基本データ

  • 軌道 高度約 20,000〔km〕の円軌道を約 12 時間で 1 周する周回衛星。6 つの軌道面に約 30 機。静止衛星ではない
  • 周波数 民生用の L1 帯は 1,575.42〔MHz〕。測量用などに L2 帯 1,227.60〔MHz〕、L5 帯 1,176.45〔MHz〕
  • 信号 スペクトル拡散(CDMA)で全衛星が同じ周波数を共用し、衛星ごとに異なる拡散符号で区別する
  • 衛星の時計 原子時計を搭載。地上の受信機は安価な時計でよく、4 機目の衛星で時刻誤差を消す
  • 日本の補完 準天頂衛星「みちびき」が日本の真上付近を通り、ビルの谷間でも測位しやすくする
衛星までの距離(擬似距離)
r = c\,(t_r - t_s)

t_s は衛星が電波を出した時刻、t_r は受信機が受けた時刻、c は光速。受信機の時計がずれていると r もずれるので「擬似」距離と呼び、4 機目で補正する

時計の誤差が距離に与える影響
\Delta r = c\,\Delta t

1〔µs〕の時刻誤差で 300〔m〕の距離誤差。GPS が衛星に原子時計を積み、受信機の時計誤差を 4 機目で解く理由

地球の周りを 6 つの軌道面で約 30 機の GPS 衛星が回る様子と、地上から常に 4 機以上見える範囲
高度約 20,000〔km〕、周期約 12 時間。どこでもいつでも 4 機以上が見えるよう配置する

典型問題の解き方(電波の到達時間から距離を出す)

衛星の電波が受信機に届くまで 70〔ms〕かかった。衛星までの距離はいくらか

  1. 式を立てる r = c × t。レーダーと違って片道なので 2 で割らない
  2. 代入する r = 3×10^8 × 70×10^-3 = 2.1×10^7〔m〕
  3. 単位を直す 2.1×10^7〔m〕 = 21,000〔km〕。高度 20,000〔km〕より少し遠いので、斜め上の衛星だと分かる
  4. 確かめる 時刻が 1〔µs〕ずれると 300〔m〕違う。だから衛星側に原子時計が要る
ひっかけ

GPS 衛星は高度約 20,000〔km〕の周回衛星で、約 36,000〔km〕の静止衛星ではありません。地上の受信機は受信専用で、衛星へ電波を送って距離を測るレーダーとも違います。距離の式はレーダーが往復で c t/2、GPS は片道で c t です。周波数 1,575.42〔MHz〕は UHF 帯(300〔MHz〕〜3〔GHz〕)で、マイクロ波の SHF ではありません。

先生が車載 GPS 受信機の横で 4 機の衛星が必要な理由を説明する挿絵
受けるだけ。4 機で位置と時計のずれを解く。1,575.42〔MHz〕
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