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静電容量の合成と電圧分担 せいでんようりょうのごうせい

三陸特 二陸特 一陸技

コンデンサは並列なら容量を足し、直列なら逆数を足す。直列では各コンデンサの電荷 Q が共通で、電圧は容量に反比例して分かれる。接続点に電源がつながっていなければ、そこにある電荷の和は 0 のまま(電荷保存)。

試験ではここ

令和8年は 1月期 問3 で「C1・C2・C3 の電圧が等しくなる条件」(C1 + 3C0 = C2 + 2C0 = C3)が出た。接続点ごとの電荷保存で解く。単純な直列・並列の合成や分担電圧の計算は令和8年の 2 期には出ていないが、過去の一陸技では定番。7月期 問2 の平行平板(誘電体の挿入)も同じ発想。

コンデンサは電荷をためる器で、容量 C が大きいほど同じ電圧で多くの電荷 Q = CV をためます。並列は器を横に並べるので容量が増え、直列は器を縦に重ねるので全体の容量は小さくなります。直列では「流れた電荷はどの器でも同じ」が出発点です。

電荷と電圧
Q = CV \qquad W = \dfrac{1}{2}CV^2 = \dfrac{Q^2}{2C}

Q は電荷〔C〕、W は蓄えられるエネルギー〔J〕

並列と直列の合成
C_p = C_1 + C_2 \qquad \dfrac{1}{C_s} = \dfrac{1}{C_1} + \dfrac{1}{C_2} \;\Rightarrow\; C_s = \dfrac{C_1 C_2}{C_1 + C_2}

抵抗と逆。並列が和、直列が逆数の和(2 個なら積÷和)

直列接続の分担電圧
V_1 = \dfrac{C_2}{C_1 + C_2}\,V \qquad V_2 = \dfrac{C_1}{C_1 + C_2}\,V

電荷 Q が共通なので V1 : V2 = 1/C1 : 1/C2。容量の小さい方に大きな電圧がかかる

コンデンサの並列と直列
並列は容量の和、直列は電荷が共通で電圧は容量に反比例。小さい C ほど大きな電圧を分担する
平行平板コンデンサ
C = \dfrac{\varepsilon_0 \varepsilon_r S}{d}

S は極板面積〔m²〕、d は間隔〔m〕。誘電体を入れると εr 倍。厚さ方向に空気と誘電体が並ぶときは、それぞれを直列のコンデンサとみなす

典型問題の解き方(電圧が等しくなる条件・令和8年1月期 問3)

接続点の電荷保存で解く(令和8年1月期 問3)
C1・C2・C3 の直列に、C1 と並列の C0 と、電源の正側から C2・C3 の接続点へもう一つの C0。接続点 n1・n2 の電荷の和は 0

手順

  1. 各電圧を V とおく C1・C2・C3 の電圧がすべて V。C1 と並列の C0 も V、正側から n2 につながる C0 には C1 と C2 の分の 2V がかかる
  2. 接続点 n1(C1 と C2 の間)の電荷保存 n1 につながる極板の電荷は −C1V、−C0V、+C2V。和が 0 なので C2 = C1 + C0
  3. 接続点 n2(C2 と C3 の間)の電荷保存 −C2V、−C0·2V、+C3V の和が 0 なので C3 = C2 + 2C0
  4. つなげる C3 = C2 + 2C0 = (C1 + C0) + 2C0 = C1 + 3C0。答えは C1 + 3C0 = C2 + 2C0 = C3

典型問題の解き方(直列の分担電圧・標準形)

手順(C1 = 2〔μF〕、C2 = 4〔μF〕の直列に 120〔V〕)

  1. 合成容量 Cs = 2×4/(2 + 4) = 8/6 ≒ 1.33〔μF〕
  2. 共通の電荷 Q = Cs V = 1.33×10⁻⁶ × 120 = 160×10⁻⁶〔C〕
  3. 各電圧 V1 = Q/C1 = 160/2 = 80〔V〕、V2 = Q/C2 = 160/4 = 40〔V〕。合計 120〔V〕
  4. 確認 容量比 2 : 4 の逆の 2 : 1 に分かれる。小さい C1 に大きい電圧
ひっかけ

直列の電圧は容量に 反比例 します。「大きい容量に大きい電圧」は逆です。接続点の電荷保存で「C1 と並列の C0 は 1 個分」「2 段またぐ C0 には 2V」を落とすと 3C1 + 3C0 のような誤答肢に乗ります。合成の式は抵抗と逆で、直列が逆数の和です。

ポイント

電源につながっていない接続点は、最初に電荷がなければずっと合計 0 です。「電圧が等しい」「電荷が等しい」の条件はこの節点の式から出します。

上部の看板「直列は電荷が共通
直列は電荷が共通、電圧は 1/C の比。接続点の電荷の和は 0

この用語を押さえる問題

一陸技 ・ 日本無線協会 令和8年1月期 無線工学の基礎 問3

図に示すような、静電容量 C1、C2、C3 及び C0〔F〕の回路において、C1、C2 及び C3 に加わる電圧が定常状態で等しくなるときの条件式として、正しいものを下の番号から選べ。

正答: C1+3C0=C2+2C0=C3

正しい。C1、C2、C3 の電圧をすべて V とする。C1 と並列の C0 にも V、電源正側から C2・C3 の接続点につながる C0 には C1 と C2 の分 2V が加わる。C1 と C2 の接続点では −C1V − C0V + C2V = 0 より C2 = C1 + C0。C2 と C3 の接続点では −C2V − C0·2V + C3V = 0 より C3 = C2 + 2C0。したがって C3 = C2 + 2C0 = C1 + 3C0 となる。

この問題を解く
一陸技 ・ 日本無線協会 令和8年7月期 無線工学の基礎 問2

図 1 に示す厚さ 2d〔m〕の平行平板空気コンデンサの空気層が、電圧 V を昇圧中に 300〔V〕で破壊された。次に、図 2 に示すように、同じコンデンサの極板の間に厚さが d〔m〕で面積が平行平板の面積に等しく比誘電率 εr の値が 5 の誘電体を挿入し、V を昇圧中に...

正答: 180〔V〕

正しい。図1で空気の破壊電界は Eb = 300/(2d) = 150/d〔V/m〕。図2では電束密度が連続なので誘電体中の電界は空気層の 1/εr = 1/5 になる。空気層の電界が Eb に達したときの全電圧は V = Eb·d + (Eb/5)·d = Eb·d×(1 + 1/5) = 150×1.2 = 180〔V〕。

この問題を解く

問われた問題 8

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