電界・電位・電位差(点電荷・平行平板) でんかいとでんい
電界 E は単位電荷が受ける力〔V/m〕、電位差 V は電界に逆らって単位電荷を運ぶ仕事〔V〕。一様な電界では V = Ed、電子は F = eE の力で加速度 eE/m の等加速度運動をする。
令和8年は2期とも問1〜2で出た。(1) 電界の分布グラフから各点の電位差を求める穴埋め(E = −40〔V/m〕が 0.1〔m〕続けば 4〔V〕)、(2) 一様電界に斜めに打ち出した電子の運動(加速度 eE/m、最高点 ym)、(3) 平行平板空気コンデンサに誘電体を入れたときの破壊電圧(300〔V〕→ 180〔V〕)。
電界は「そこに 1〔C〕を置いたら何〔N〕で押されるか」、電位は「そこまで 1〔C〕を運ぶのに何〔J〕かかるか」です。電界が一定なら、電位差は電界の強さに距離を掛けただけです。電界の向きに進むと電位は下がり、逆らって進むと上がります。

d は電界の向きに測った距離〔m〕。電界が場所で変わるときは V = −∫E dx(E のグラフの面積に符号を付けたもの)
ε0 = 8.85×10⁻¹²〔F/m〕。距離の 2 乗に反比例。点電荷の電位は V = Q/(4πε0 r) で距離に反比例(2 乗ではない)
e = 1.6×10⁻¹⁹〔C〕、m = 9.1×10⁻³¹〔kg〕。電子は電界と逆向きに力を受ける。電位差 V で加速された電子の運動エネルギーは eV

典型問題の解き方(電界の分布から電位差を求める・令和8年7月期 問1)
手順
- 区間ごとに E × 距離 a→b(0〜0.1〔m〕)は E = −40〔V/m〕。電位差は −E×Δx = −(−40)×0.1 = +4〔V〕
- E = 0 の区間 b→c(0.1〜0.2〔m〕)は E = 0 なので電位差 0〔V〕
- 正の区間 c→d(0.2〜0.4〔m〕)は E = +20〔V/m〕。−20×0.2 = −4〔V〕
- 足し合わせる a→d は 4 + 0 − 4 = 0〔V〕。答えは A=4、B=0、C=0
典型問題の解き方(誘電体を挟んだ平行平板の破壊電圧・令和8年7月期 問2)

手順
電子の加速度は eE/m です。meE は次元が合いません(力÷質量)。電位差は「E の大きさ × 区間の長さ」で、問1 では距離を 0.2〔m〕と取り違えた 8〔V〕が誤答肢に並びます。平行平板に誘電体を入れると電界は誘電体の中で 1/εr に 小さく なり、空気層に集中します。
電位差はグラフの「面積」です。E が負の区間では電位が上がり、正の区間では下がるので、同じ面積なら往復して 0〔V〕に戻ります。

この用語を押さえる問題
次の記述は、図に示すように x 軸に沿って x 方向に電界 E〔V/m〕が分布しているとき、x 軸に沿った各点の電位差について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、点 a の電位を 0〔V〕とする。 (1) 点 a と点 b の...
正答: A=4 B=0 C=0
正しい。電位差は V = −∫E dx で求める。a→b は E = −40〔V/m〕が 0.1〔m〕続くので −(−40)×0.1 = 4〔V〕(A)。b→c は E = 0 なので 0〔V〕(B)。c→d は E = +20〔V/m〕が 0.2〔m〕なので −20×0.2 = −4〔V〕となり、a→d の合計は 4 + 0 − 4 = 0〔V〕(C)。
この問題を解く図 1 に示す厚さ 2d〔m〕の平行平板空気コンデンサの空気層が、電圧 V を昇圧中に 300〔V〕で破壊された。次に、図 2 に示すように、同じコンデンサの極板の間に厚さが d〔m〕で面積が平行平板の面積に等しく比誘電率 εr の値が 5 の誘電体を挿入し、V を昇圧中に...
正答: 180〔V〕
正しい。図1で空気の破壊電界は Eb = 300/(2d) = 150/d〔V/m〕。図2では電束密度が連続なので誘電体中の電界は空気層の 1/εr = 1/5 になる。空気層の電界が Eb に達したときの全電圧は V = Eb·d + (Eb/5)·d = Eb·d×(1 + 1/5) = 150×1.2 = 180〔V〕。
この問題を解く次の記述は、電界の強さが E〔V/m〕の均一な電界中の電子 D の運動について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、図に示すように D は、電界の方向との角度 θ が π/6〔rad〕、初速度が V₀〔m/s〕で原点 O から電...
正答: A=eE/m B=3mV₀²/(8eE) C=√3 mV₀²/(4eE)
正しい。電子は電界から大きさ eE の力を y の負方向に受けるので、加速度は eE/m(A)。θ = π/6 なので初速度の y 成分は V₀cos(π/6) = √3V₀/2、x 成分は V₀sin(π/6) = V₀/2。Vy = 0 になる時刻は t₁ = (√3V₀/2)/(eE/m) = √3mV₀/(2eE)。このとき ym = (√3V₀/2)t₁ − (eE/2m)t₁² = 3mV₀²/(4eE) − 3mV₀²/(8eE) = 3mV₀²/(8eE)(B)。xm = (V₀/2)t₁ = √3 mV₀²/(4eE)(C)。
この問題を解く問われた問題 5
- 一陸技 令和8年7月期 問2 図 1 に示す厚さ 2d〔m〕の平行平板空気コンデンサの空気層が、電圧 V を昇圧中に 300〔V〕で破壊...
- 一陸技 令和8年7月期 問1 次の記述は、図に示すように x 軸に沿って x 方向に電界 E〔V/m〕が分布しているとき、x 軸に沿った...
- 一陸技 令和8年1月期 問1 次の記述は、電界の強さが E〔V/m〕の均一な電界中の電子 D の運動について述べたものである。[ ]内に...
- 3アマ オリジナルNo.3 問17 平行平板コンデンサの静電容量を大きくする方法として、誤っているのは次のうちどれか。
- 3アマ オリジナルNo.1 問17 真空中に置かれた二つの点電荷の間に働く静電力(クーロン力)についての記述で、正しいのは次のうちどれか。