インピーダンスと整合 いんぴーだんす
交流に対する流れにくさを抵抗 R とリアクタンス X を合わせて表した量 Z〔Ω〕。送信機・給電線・アンテナのインピーダンスをそろえることを整合といい、そろっていないと反射が起きて電力が無駄になる。
4アマで「半波長ダイポールの給電点インピーダンスはほぼ幾ら」(75〔Ω〕)。3アマで「整合がとれていないと起こる現象」(反射波・定在波で損失増)、「整合がとれているときの SWR」(1)、「ダイポールと同軸の整合器」(バラン)。同軸の特性インピーダンスは 50〔Ω〕か 75〔Ω〕で、長さには関係しない。
直流では流れにくさは抵抗だけですが、交流ではコイルやコンデンサのリアクタンスも電流を妨げます。両方を合わせた「交流に対する抵抗」がインピーダンスで、単位は同じ〔Ω〕です。抵抗とリアクタンスは位相が 90 度ずれているので、単純に足さず直角三角形の斜辺として合成します。

たとえば R=30〔Ω〕、X=40〔Ω〕なら Z=√(30²+40²)=√2500=50〔Ω〕です。R=30 と X=40 を足して 70 にはなりません。共振して X が 0 になれば Z は R だけになり、これが共振回路で「直列共振は Z 最小」と言っていることの中身です。
整合=インピーダンスをそろえて電力を無駄なく渡す

送信機の出力インピーダンス、給電線の特性インピーダンス、アンテナの給電点インピーダンスが等しいとき、電力は反射せずに全部アンテナへ渡ります。これが整合で、最大電力が伝わる条件です。どこかで値が食い違うと、その境目で電力の一部が跳ね返り(反射波)、進行波と重なって給電線上に定在波が立ちます。
覚えておく代表的な値
- 同軸ケーブルの特性インピーダンス 50〔Ω〕(無線機用)または 75〔Ω〕(テレビ用)。導体の寸法比と絶縁物で決まり、長さには関係しない
- 半波長ダイポールの給電点 理論値約 73〔Ω〕、実用上ほぼ 75〔Ω〕。75〔Ω〕の同軸で整合がよい
- 1/4 波長垂直接地アンテナ(ホイップ・ブラウン) 約 36〔Ω〕。ダイポールの半分
- 折返し半波長ダイポール 約 300〔Ω〕。普通のダイポールの約 4 倍
- 擬似負荷(ダミーロード) アンテナと同じ 50〔Ω〕の無誘導抵抗。電波を出さずに送信機を調整する

典型問題の解き方(整合がとれていないときに起こる現象)
3アマ オリジナル No.3 問28。アンテナと給電線の整合がとれていないと
整合がとれているかは SWR メータで確かめます。整合が完全なら反射波がなく SWR=1、不整合が大きいほど 1 から離れます。反射係数との関係や測り方は定在波比(SWR)で扱います。
平衡と不平衡の整合はバラン
半波長ダイポールは左右対称の平衡形アンテナ、同軸ケーブルは外部導体を接地する不平衡形の給電線です。直結すると同軸の外皮に電流が流れて指向性が乱れるので、間にバラン(平衡・不平衡変換器)を入れます。3アマ CBT例題 No.3 問27 の「ダイポールと同軸の整合器」の正答がバランです。分配器や SWR メータは整合をとる器具ではありません。

「同軸ケーブルの特性インピーダンスは長さに比例して大きくなる」は誤りです。長さで増えるのは損失(減衰量)で、特性インピーダンスは太さの比と絶縁物で決まります。ダイポールの給電点を 50〔Ω〕とする肢も誤りで、約 73〔Ω〕(ほぼ 75〔Ω〕)です。

この用語を押さえる問題
図に示す半波長ダイポールアンテナの給電点インピーダンスは、ほぼ幾らか。
正答: 75〔Ω〕
半波長ダイポールアンテナは中央で給電すると電流が最大となり、給電点インピーダンスは理論上約 73〔Ω〕、実用上ほぼ 75〔Ω〕の純抵抗になる。そのため 75〔Ω〕の同軸ケーブルで整合よく給電できる。
この問題を解くアンテナと給電線の整合がとれていないときに起こる現象として、正しいのは次のうちどれか。
正答: 給電線上に反射波が生じて定在波が立ち、給電線の損失が増える。
正しい。アンテナの給電点インピーダンスと給電線の特性インピーダンスが異なると、電力の一部がアンテナで反射して送信機側へ戻る。進行波と反射波が重なって定在波が生じ、SWR が大きくなって給電線の損失が増え、送信機の終段にも負担がかかる。
この問題を解く半波長ダイポールアンテナと同軸給電線を接続するときの整合器として、一般に用いられるものは次のどれか。
正答: バラン
半波長ダイポールは平衡形アンテナ、同軸ケーブルは不平衡形給電線なので、平衡・不平衡を変換するバランを介して接続する。直結すると同軸外皮に電流が流れて指向性が乱れる。
この問題を解く同軸ケーブル(同軸給電線)についての記述で、誤っているのは次のうちどれか。
正答: 特性インピーダンスは、ケーブルの長さに比例して大きくなる。
誤った記述。特性インピーダンスは内部導体と外部導体の寸法比や絶縁物の誘電率で決まり、ケーブルの長さには関係しない。長さに比例して増えるのは損失(減衰量)である。
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