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同軸線路の特性インピーダンス(寸法と誘電率) どうじくせんろ

三陸特 一陸技

内部導体の外径 d、外部導体の内径 D、絶縁体の比誘電率 εr で決まる同軸線路のインピーダンス。Z0=(138/√εr)·log10(D/d)〔Ω〕で、D/d の対数に比例し √εr に反比例する。単位長の L と C から Z0=√(L/C) とも書ける。

試験ではここ

「d=2〔mm〕、D=16〔mm〕で 75〔Ω〕の同軸線路の内部導体を 2 倍にしたときの Z0」が令和8年7月期 工学B 問6。D/d が 8→4、log 8:log 4=3:2 なので 75×2/3=50〔Ω〕。「半分の 37〔Ω〕」「変わらず 75〔Ω〕」が罠。平行二線は Z0=276·log10(2D/d)。

同軸線路は、芯線(内部導体)と、それを包む筒(外部導体)の間に絶縁体を詰めた給電線です。芯線と筒の間にはコンデンサのように静電容量 C があり、芯線にはコイルのようにインダクタンス L があります。単位長さあたりの L と C の比 √(L/C) が特性インピーダンスです。筒が芯線に対して大きいほど C が小さく L が大きいので Z0 は高く、絶縁体の誘電率が高いほど C が増えて Z0 は低くなります。

同軸線路の断面と特性インピーダンス
同軸線路の断面。内部導体の外径 d、外部導体の内径 D、間の絶縁体の比誘電率 εr
同軸線路の特性インピーダンス
Z_0 = \dfrac{138}{\sqrt{\varepsilon_r}}\log_{10}\dfrac{D}{d}\ [\Omega]

D は外部導体の内径、d は内部導体の外径(単位は同じなら何でもよい)。138 は 60·ln10 から来る値で、自然対数なら Z0=(60/√εr)·ln(D/d)。空気(εr=1)で D/d=2.3 なら約 50〔Ω〕、ポリエチレン(εr≒2.3)なら D/d≒3.5 で 50〔Ω〕

L・C による表現と伝搬速度
Z_0 = \sqrt{\dfrac{L}{C}},\qquad v = \dfrac{1}{\sqrt{LC}} = \dfrac{c}{\sqrt{\varepsilon_r}}

L・C は単位長さあたりのインダクタンス〔H/m〕と静電容量〔F/m〕。無損失線路では Z0 は純抵抗で周波数によらない。εr=2.3 なら速度は約 0.66c(波長短縮率 0.66)で、線路上の λ/4 は自由空間より短くなる

Z0 と D/d の関係(εr = 1)
Z0 と D/d の関係(εr=1)。横軸は対数目盛で直線になる。D/d が 2 倍で Z0 は 41.5〔Ω〕増える

寸法や材料を変えるとどうなるか

  • 内部導体を太く(d 大) D/d が小さくなり Z0 は下がる。C が増え L が減る
  • 外部導体を大きく(D 大) D/d が大きくなり Z0 は上がる
  • D と d を同じ比率で変える D/d が同じなので Z0 は変わらない
  • 絶縁体の εr を大きく Z0 は 1/√εr に下がり、伝搬速度も 1/√εr に落ちる
  • 周波数を変える 無損失なら Z0 は変わらない。高くなると表皮効果で損失が増える
平行二線式給電線(比較用)
Z_0 = 276\log_{10}\dfrac{2D}{d}\ [\Omega]

D は線の中心間隔、d は線の直径(空気中)。係数が同軸の 2 倍。200〜600〔Ω〕と高く、平衡形。同軸は不平衡形で外部導体が接地されるので、半波長ダイポールのような平衡アンテナにはバランを介す

典型問題の解き方(内部導体を 2 倍にしたとき、令和8年7月期 問6)

手順(d=2〔mm〕、D=16〔mm〕、Z0=75〔Ω〕、同じ誘電体)

  1. 変更前の比 D/d=16/2=8。Z0=(138/√εr)·log10 8=75〔Ω〕
  2. 変更後の比 d=4〔mm〕なので D/d=16/4=4
  3. 対数の比をとる log10 8=3·log10 2、log10 4=2·log10 2。εr は同じなので Z0'/Z0=2/3
  4. 答え Z0'=75×2/3=50〔Ω〕(肢 3)
  5. 確認 εr を求める必要はない。138/√εr は共通の係数として消える。「比が半分だから 37〔Ω〕」は対数を無視した誤り
内部導体を 2 倍にすると
D/d=8 の線路と D/d=4 の線路。log 8:log 4=3:2 なので 75〔Ω〕→50〔Ω〕
ひっかけ

Z0 は D/d に比例するのではなく、log(D/d) に比例します。比を半分にしても Z0 は半分になりません。内部導体を太くすると Z0 は必ず下がり、上がる肢(95〔Ω〕)は論外です。D と d のどちらが「外径」「内径」かも読み違えやすく、D は外部導体の内径、d は内部導体の外径です。

ポイント

log10 2=0.3 を覚えておくと、D/d が 2・4・8・16 の問題は 0.3・0.6・0.9・1.2 ですぐ比が出ます。138×0.3≒41.5〔Ω〕が「D/d が 2 倍になるごとの増分(εr=1)」です。

上部の看板「Z0 は log(D/d) に比例、√εr に反比例
Z0 は log(D/d) に比例、√εr に反比例。内部導体を太くすると下がる

この用語を押さえる問題

一陸技 ・ 日本無線協会 令和8年7月期 無線工学B 問6

内部導体の外径が 2〔mm〕、外部導体の内径が 16〔mm〕の同軸線路の特性インピーダンスが 75〔Ω〕であった。この同軸線路の内部導体の外径を 2 倍にしたときの特性インピーダンスの値として、最も近いものを下の番号から選べ。ただし、内部導体と外部導体の間には、同一の誘電体...

正答: 50〔Ω〕

正しい値です。同軸線路の特性インピーダンスは Z₀ = (138/√εr)·log₁₀(D/d)〔Ω〕で、D/d の対数に比例します。もとは D/d = 16/2 = 8、内部導体を 2 倍にすると D/d = 16/4 = 4 です。log₁₀8 = 3log₁₀2、log₁₀4 = 2log₁₀2 なので、Z₀' = 75×(2log₁₀2)/(3log₁₀2) = 75×2/3 = 50〔Ω〕となります。

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一陸技 ・ 日本無線協会 令和8年7月期 無線工学B 問20

次の記述は、平衡給電のアンテナの入力インピーダンス測定法について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。 (1) 一般にネットワークアナライザは不平衡系であり、ネットワークアナライザで[A]アンテナのような平衡給電のアンテナのインピーダン...

正答: A=半波長ダイポール B=イメージ(影像) C=1/2

正しい組合せです。半波長ダイポールは平衡給電のアンテナの代表例で、不平衡の同軸ケーブルを直接つなぐと外導体に漏洩電流が流れます。給電点で対称なアンテナの半分を十分大きな地板上に置くと、地板のイメージ(影像)効果によって残り半分が鏡像として補われ、自由空間のアンテナと同じ電流分布になります。このとき給電点の電圧が半分になるので、測定インピーダンスは自由空間での値の 1/2 倍です。これは垂直接地アンテナの放射抵抗(約 36 Ω)が半波長ダイポール(約 73 Ω)の半分になるのと同じ理由です。

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問われた問題 4

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