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空中線の基本(放射・利得・指向性・放射抵抗) くうちゅうせんのきほん

4アマ 3アマ 三陸特 二陸特 一陸技

空中線(アンテナ)は送信機の高周波電流を電波にして空間に放射し、受信では電波を高周波電流に戻す導体。性能は利得・指向性・放射抵抗・偏波で表す。

試験ではここ

水平面内の指向性の図選びが頻出。ブラウンは点 P を中心とする円(無指向性)、水平ダイポールは 8 字形、八木は一方向の単一指向性。「VHF で水平面内が無指向性でないのは八木」。半波長ダイポールの放射抵抗は約 73〔Ω〕で「50〔Ω〕」は誤り。VHF の通信距離を延ばすには高さ・利得・鋭い指向性で、放射角を高角度にするのは誤り。

アンテナは「電流と電波を変換する部品」です。送信機から来た高周波電流を電波にして空間に放り出し、受信ではその逆をします。どの方向に強く出るか(指向性)、基準のアンテナより何倍強いか(利得)、放射に使われる分を抵抗に見立てた値(放射抵抗)、電界の向き(偏波)で性能を表します。

電流が電波になるまで
送信機から給電線を通ってアンテナへ、そして電波として放射されるまで

指向性:どの方向に強く出るか

アンテナを上から見て、各方向への放射の強さを線で結んだ図が水平面内の指向性パターンです。試験では4つの図から選ばせます。円なら無指向性(全方向性)、8 の字なら水平ダイポール、一方向に伸びていれば単一指向性の八木です。

水平面内の指向性パターン
水平面内の指向性パターン3種。無指向性(円)、8字形、単一指向性

代表的なアンテナと水平面内の指向性

  1. ブラウン・ホイップ・スリーブ・垂直ダイポール 垂直に立てるので水平面内は全方向性(無指向性)。円のパターン
  2. 水平半波長ダイポール 素子と直角の方向に最大、素子の軸方向には出ない。8 字形
  3. 八木・宇田アンテナ 導波器の方向にだけ強い単一指向性。VHF で無指向性でないアンテナはこれ
  4. パラボラアンテナ 鋭い単一指向性。マイクロ波

利得:基準より何倍強いか

利得は、ある基準のアンテナと比べて目的方向にどれだけ強く放射できるかを dB で表した値です。基準を全方向に均一に放射する仮想の等方性アンテナにとると絶対利得(dBi)、半波長ダイポールにとると相対利得(dBd)です。利得が高いアンテナほどビーム幅は狭くなります。

絶対利得と相対利得の関係
G_{\mathrm{dBi}} = G_{\mathrm{dBd}} + 2.15

半波長ダイポール自体が等方性アンテナに対して 2.15〔dB〕の利得をもつため。同じアンテナでも dBi で書くと数字が大きく見える

利得が上がるとビームは鋭くなる
利得が上がるとビームは鋭くなる。同じ電力でも一方向に集中する

放射抵抗:放射に使われる電力を抵抗に見立てる

アンテナ電流 I が流れたとき、電波として出て行く電力を I²R の形で表したときの R が放射抵抗です。半波長ダイポールでは約 73〔Ω〕で、給電点インピーダンスはほぼ 75〔Ω〕です。導体の抵抗分(損失)は放射抵抗に含めません。

放射抵抗の考え方
アンテナの等価回路。放射抵抗 Rr に消費される分が電波になる
放射電力
P = I^2 R_r

I はアンテナ電流〔A〕、Rr は放射抵抗〔Ω〕。半波長ダイポールは Rr≒73〔Ω〕

典型問題の解き方

半波長ダイポールの放射電力を 12〔W〕にするアンテナ電流は

  1. 式を書く P=I²Rr を I について解き、I=√(P/Rr)
  2. 代入する I=√(12/73)=√0.164
  3. 答え I≒0.41〔A〕。選択肢では 0.4〔A〕が最も近い
ひっかけ

VHF の通信距離を延ばす方法で「放射角を高角度にする」は誤りです。VHF は電離層に反射せず直進するので、放射角は低くして見通し方向へ飛ばします。正しい方法はアンテナを高くする、利得の高いアンテナ、鋭い指向性のアンテナです。もう一つ、半波長ダイポールの放射抵抗を 50〔Ω〕とした肢は誤りで、約 73〔Ω〕です。

看板「指向性は形で見分ける:円=無指向性、8字=水平ダイポール、一方向=八木
先生の一言。円・8字・一方向、形で見分ける

この用語を押さえる問題

二陸特 ・ 日本無線協会 令和2年2月期 無線工学 問15

図は、各種のアンテナの水平面内の指向性を示したものである。一般的なブラウンアンテナの特性は、次のうちどれか。なお点 P はアンテナの位置を示す。

正答: 図2(点 P を中心とする円の無指向性)

正しい。ブラウンアンテナは垂直の 1/4 波長放射素子と水平の地線で構成される垂直偏波のアンテナで、水平面内では全方向に等しく放射する無指向性です。指向性図は P を中心とする円になります。

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3アマ ・ 日本無線協会 CBT例題 無線工学 No.1 問26

半波長ダイポールアンテナの特性で、誤っているのは次のうちどれか。

正答: 放射抵抗は 50〔Ω〕である。

半波長ダイポールの放射抵抗は約 73 Ω(給電点インピーダンス約 75 Ω)であり、50 Ω ではない。電圧分布は両端で最大・中央で最小、垂直設置で水平面無指向性、水平設置で8字形指向性はいずれも正しい。

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二陸特 ・ 日本無線協会 平成31年2月期 無線工学 問15

超短波(VHF)帯に用いられるアンテナで、通常、水平面内の指向性が全方向性(無指向性)でないアンテナはどれか。

正答: 八木・宇田アンテナ(八木アンテナ)

正答です。八木・宇田アンテナは放射器の前後に導波器と反射器を並べ、導波器の方向に強く電波を放射する指向性アンテナです。水平面内でも一方向に鋭い指向性をもつため、全方向性ではありません。

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3アマ ・ 日本無線協会 CBT例題 無線工学 No.3 問28

超短波(VHF)帯の電波を使用する通信において、一般に、通信可能な距離を延ばすための方法として、誤っているのは次のうちどれか。

正答: アンテナの放射角を高角度にする。

VHF は電離層で反射されずに見通し距離で伝搬するので、放射角を高くしても電波は上空に抜けるだけで遠くには届かない。遠距離化には低い放射角、高いアンテナ、高利得・鋭い指向性のアンテナが有効である。

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問われた問題 40

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