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VHF・UHF の伝搬(見通し距離・回折・ダクト) ぶいえいちえふのでんぱん

4アマ 3アマ 三陸特 二陸特 一陸技

VHF・UHF の電波は光に似て直進し、電離層を突き抜け、地表波も減衰が大きいので、直接波と大地反射波による見通し距離内の通信が基本。到達距離はアンテナの高さで決まる。見通し外には山岳回折・ラジオダクト・対流圏散乱で届くことがある。

試験ではここ

「短波と比べた VHF の伝わり方」で正しいのは「電離層を突き抜ける」「アンテナの高さが通達距離に大きく影響する」、誤りは「地形や建物の影響を受けない」「昼夜で異なる」「見通し外に適する」。「アンテナを高くすると到達距離が延びる理由」は見通し距離が延びるから。「山頂が双方から見通せると安定して通信できる」のは回折。通信距離を延ばす方法で「放射角を高角度にする」は誤り。

VHF(30〜300〔MHz〕)や UHF(300〜3,000〔MHz〕)は波長が 10〔cm〕〜10〔m〕と短く、光に似た性質で直進します。電離層は突き抜け、地面に沿う地表波はすぐ減衰するので、送信アンテナから受信アンテナへまっすぐ届く直接波と、地面で 1 回はねた大地反射波で通信します。つまり「見える範囲」が通信できる範囲で、山や建物の陰は弱くなります。

VHF の伝搬と見通し距離
直接波 A と大地反射波 B。地球の丸みで見通し距離が決まり、アンテナが高いほど遠くまで見える
電波の見通し距離
d \approx 4.12\left(\sqrt{h_1} + \sqrt{h_2}\right)\ [\mathrm{km}]

h1・h2 は送受信アンテナの高さ〔m〕。大気の屈折で電波は少し下に曲がるので、光の見通し(3.57)より 15〔%〕ほど遠くまで届く。高さを 4 倍にすると距離は 2 倍

典型問題の解き方(高さ 100〔m〕と 25〔m〕のアンテナ間の見通し距離)

手順

  1. 平方根を出す √100 = 10、√25 = 5
  2. 足して 4.12 倍 d ≒ 4.12 × (10 + 5) = 4.12 × 15 ≒ 61.8〔km〕
  3. 答え 約 62〔km〕。受信側を 100〔m〕にすれば 4.12 × 20 ≒ 82〔km〕に延びる

通信距離を延ばす方法

  1. アンテナを高くする 見通し距離が延びる。VHF で最も効く
  2. 利得の高いアンテナ・鋭い指向性 相手方向に電力を集める
  3. 放射角を低くする 水平方向に飛ばす。「高角度にする」は上空に抜けるだけで誤り
VHF の通信距離を延ばす方法
高く・高利得・低い放射角。高角度に打っても電離層を抜けるだけ

見通し外に届く 3 つの仕組み

見通し外に届く 3 つの仕組み
山岳回折、ラジオダクト、対流圏散乱の 3 つの見通し外伝搬の絵

見通し外伝搬

  1. 山岳回折 伝搬路上の山頂が送受信点の双方から見通せると、山頂の稜線で電波が回り込み(回折)、見通し外でも比較的安定して通信できる。屈折・干渉・直進は誤りの肢
  2. ラジオダクト 気温の逆転層などで大気の屈折率が高さで急に変わると、電波が層に閉じ込められて導波管のように遠方へ届く。気象次第で現れたり消えたりする
  3. 対流圏散乱 対流圏の屈折率のゆらぎで電波が散乱し、ごく弱く見通し外へ届く。アンテナを高くする理由にはならない
短波(HF)と超短波(VHF)の伝わり方の対比
HF と VHF の伝わり方の対比。電離層反射/突き抜け、昼夜差あり/なし、遠距離/見通し内
ひっかけ

「短波と比べた VHF の伝わり方」の正解は「通常、電離層を突き抜ける」「アンテナの高さが通達距離に大きく影響する」です。「伝搬途中の地形や建物の影響を受けない」は誤りで、むしろ強く受けます。「雨滴による減衰を受けやすい」は VHF ではなく 10〔GHz〕以上のマイクロ波の話です。「見通し距離が延びる理由」を地表波・対流圏散乱・Es 層で説明する肢は全部誤りです。

上部の看板「VHF は見える範囲
VHF は見える範囲。高く上げれば遠くまで。山の向こうは回折で届くことがある

この用語を押さえる問題

三陸特 ・ 日本無線協会 平成31年2月期 無線工学 問16

短波(HF)の伝わり方と比べたときの超短波(VHF)の伝わり方の記述で、最も適切なものはどれか。

正答: 通常、電離層を突き抜けてしまう。

正しい。VHF 帯(30〜300MHz)の電波は周波数が高いため電離層で反射されずに突き抜けてしまいます。そのため直接波や大地反射波による見通し距離内の通信が中心になります。

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三陸特 ・ 日本無線協会 令和3年10月期 無線工学 問16

超短波(VHF)帯では、一般にアンテナの高さを高くした方が電波の到達距離が延びるのはなぜか。

正答: 見通し距離が延びるから。

VHF 帯の電波は電離層で反射されず、主に直接波で伝わるため、到達距離は送受信アンテナ間の見通し距離でほぼ決まる。アンテナを高くすると地球の丸みによる見通し距離(約 4.12(√h₁+√h₂) km)が延びるので、この肢が正しい。

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二陸特 ・ 日本無線協会 令和3年10月期 無線工学 問16

超短波(VHF)帯を使った見通し外の遠距離の通信において、伝搬路上に山岳が有り、送受信点のそれぞれからその山頂が見通せるとき、比較的安定した通信ができることがあるのは、一般にどの現象によるものか。

正答: 電波が回折する。

山頂のような鋭い稜線に電波が当たると、その先の陰の部分にも電波が回り込みます。これを回折といい、送受信点の双方から山頂が見通せれば、山岳回折によって見通し外でも比較的安定した通信ができます。

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二陸特 ・ 日本無線協会 令和4年2月期 無線工学 問16

次の記述は、超短波(VHF)帯の電波の伝わり方について述べたものである。誤っているのはどれか。

正答: 伝搬途中の地形や建物の影響を受けない。

誤った記述です。VHF 帯は波長が 1〜10m 程度と短く光に似た性質を持つため、山や建物に遮られたり反射や回折を受けたりして、地形や建物の影響を強く受けます。

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問われた問題 35

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