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フェージング ふぇーじんぐ

4アマ 3アマ 三陸特 二陸特 一陸技

受信点の電界強度が時間とともに強くなったり弱くなったりする現象。複数の経路を通った電波の干渉や、電離層の状態の変化、偏波の回転などで起きる。短波で特に顕著。対策は AGC・ダイバーシティ受信、FM では振幅制限器。

試験ではここ

「電離層反射波どうし、または電離層反射波と地表波が干渉して電界強度が時間変動する現象」はフェージング(デリンジャー現象・スキップ・ドップラー効果が誤りの肢)。FM 受信機で「雑音・フェージングによる振幅変動を除去し S/N を改善する回路」は振幅制限器。「受信強度の変動を防ぐ」のは AGC で、クラリファイヤではない。Q 符号では QSB。

短波のラジオを聞いていると、音が波のように大きくなったり小さくなったりします。これがフェージングです。電波が何本もの道を通って届くと、道の長さの差で山と山が重なれば強め合い、山と谷が重なれば打ち消します。道の長さは電離層の状態で刻々と変わるので、受信の強さが揺れ続けます。

フェージングの仕組み(干渉)
電離層で 1 回反射した波と 2 回反射した波、地表波が受信点で重なる。位相が合えば強く、逆なら弱い。右に時間と電界強度のうねりのグラフ

フェージングの種類(短波)

  1. 干渉性フェージング 経路の違う電離層反射波どうし、または電離層反射波と地表波が干渉する。最も基本
  2. 偏波性フェージング 電離層を通る間に偏波面が回転し、受信アンテナの向きと合わなくなって弱まる
  3. 吸収性フェージング 電離層(主に D 層)の吸収の量が時間で変わる。ゆっくりした変動
  4. 跳躍性フェージング 日の出・日没で電離層の電子密度が変わり、跳躍距離の端にいる受信点で届いたり届かなかったりする
短波のフェージング 4 種類
干渉性・偏波性・吸収性・跳躍性の 4 種類
移動通信のマルチパスフェージング
VHF の移動通信のフェージング。建物で反射した波が重なるマルチパス。車が動くと受信強度が速く揺れる

VHF・UHF の移動通信でも、建物や山で反射した波が重なるマルチパスフェージングが起きます。車が動けば重なり方が変わるので、速い揺れになります。

対策

受信側の対策

  1. AGC(自動利得制御) 入力が強いときは利得を下げ、弱いときは上げて出力を一定に保つ。「受信強度の変動を防止する」回路
  2. ダイバーシティ受信 場所・周波数・偏波の違う 2 系統以上で受信し、よい方を選ぶか合成する。同時に弱くなる確率が低い
  3. 振幅制限器(FM) FM は情報が周波数にあるので、振幅の変動を切りそろえても信号は失われない。フェージングや雑音による振幅変動を除き復調後の S/N を改善する
ダイバーシティ受信
ダイバーシティ受信。離れた 2 本のアンテナと 2 台の受信機、出力を選択・合成して平らにする
ひっかけ

「電界強度が時間とともに強弱する」はフェージング。「短波が数十分間途絶する」はデリンジャー現象、「届かない地帯」はスキップ(不感地帯)、「周波数がずれる」はドップラー効果です。受信機の問題では、強度の変動を抑えるのは AGC で、クラリファイヤ(RIT)は SSB の明りょう度を良くする周波数の微調整です。FM で振幅変動を取るのは振幅制限器で、周波数弁別器やスケルチではありません。

上部の看板「フェージング=いろいろな道を通った電波が重なって強弱が揺れる
いろいろな道を通った電波が重なって強弱が揺れる。AGC とダイバーシティで平らにする

この用語を押さえる問題

3アマ ・ ブートラボ オリジナル問題 無線工学 No.3 問29

電離層反射波どうし、又は電離層反射波と地表波などが干渉し合うことなどにより、受信点の電界強度が時間とともに強くなったり弱くなったりする現象を何というか。

正答: フェージング

正しい。フェージングは複数の経路を通ってきた電波の位相や電離層の状態が時間的に変化することで受信強度が変動する現象で、短波帯の通信で特に顕著である。対策として AGC 回路やダイバーシティ受信が用いられる。

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二陸特 ・ 日本無線協会 令和3年6月期 無線工学 問24

次の記述は、FM(F3E)受信機を構成しているある回路のうち何について述べたものか。 FM 波は、伝搬途中で雑音、フェージング、妨害波などの影響を受け振幅が変動するため、この回路で振幅変動成分を除去し、復調時の信号対雑音比を改善する。

正答: 振幅制限器

正しい記述です。FM では情報が周波数の変化に乗っているので、振幅の変動は雑音にしかなりません。振幅制限器(リミタ)は周波数弁別器の前で振幅を一定に切りそろえ、雑音やフェージングによる振幅変動を除去して復調後の信号対雑音比を改善します。

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4アマ ・ 日本無線協会 CBT例題 無線工学 No.3 問17

SSB(J3E)受信機において、クラリファイヤ(または RIT)を設ける目的は、次のうちどれか。

正答: 受信信号の明りょう度を良くする。

SSB は搬送波が抑圧されているため、受信側で復調用の搬送波周波数が少しでもずれると音声の音程が変わり聞き取りにくくなる。クラリファイヤ(RIT)は受信周波数だけを微調整して、音声が自然に聞こえるよう明りょう度を良くするためのものである。

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3アマ ・ ブートラボ オリジナル問題 無線工学 No.3 問24

FM(F3E)受信機の振幅制限器(リミタ)の働きについて述べているのは、次のうちどれか。

正答: 受信電波の振幅を一定にして、雑音などによる振幅の変動を取り除く。

正しい。FM 波の情報は周波数の変化にあり振幅には無いので、振幅制限器で振幅を一定に切りそろえても信号は失われない。これによって雑音やフェージングによる振幅変動が除かれ、弁別器の出力がきれいになる。

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問われた問題 10

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