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雑音(内部雑音・外部雑音・S/N) ざつおん

4アマ 3アマ 三陸特 二陸特 一陸技

目的の信号以外の不要な電気的ゆらぎ。受信機の中で生じる内部雑音(熱雑音・散弾雑音)と、外から入ってくる外部雑音(空電・宇宙雑音・人工雑音)に分かれる。信号の強さと雑音の強さの比が信号対雑音比(S/N)で、大きいほど良い。

試験ではここ

陸特は「雑音の原因にならないもの」=電源用電池の容量低下(ブラシの火花・高周波加熱装置・コネクタのゆるみは原因になる)、「レーダー受信機で最も影響の大きい雑音」=受信機の内部雑音。3アマは「空電を最も受けやすい周波数帯」=短波(HF)帯以下。4アマは高周波増幅部で信号対雑音比が改善。

雑音には「受信機の中で生まれるもの」と「外から入ってくるもの」があります。中で生まれる代表が熱雑音です。抵抗の中の電子が温度で勝手に動くせいで、どんな受信機にも必ずあります。外からのものは、雷の放電(空電)、宇宙からの電波、そしてモータの火花や高周波加熱装置などの人工雑音です。どちらにしても「信号がどれだけ雑音より大きいか」で聞こえ方が決まります。それが S/N です。

雑音の分類
雑音の分類。内部雑音は受信機の中、外部雑音は自然のものと人工のもの
熱雑音の電力
P_n = k\,T\,B

k はボルツマン定数(1.38×10⁻²³〔J/K〕)、T は絶対温度〔K〕、B は帯域幅〔Hz〕。温度が高いほど、帯域が広いほど雑音は増える。だから帯域は必要なだけ狭くする

信号対雑音比と雑音指数
\frac{S}{N}\,[\text{dB}] = 10\log_{10}\frac{P_s}{P_n} \qquad F = \frac{(S/N)_{\text{in}}}{(S/N)_{\text{out}}}

Ps は信号電力、Pn は雑音電力。雑音指数 F は増幅器を通ったとき S/N がどれだけ悪くなるかで、1(0 dB)に近いほど良い増幅器

周波数帯と雑音の強さ
周波数と雑音の強さ。空電・人工雑音は低い周波数で強く、マイクロ波では内部雑音が支配的

典型問題の解き方(2陸特 令和元年6月期 問24)

「受信に障害を与える雑音の原因にならないもの」は? 肢:電池の容量低下/高周波加熱装置/発電機のブラシの火花/コネクタのゆるみによる接触不良

  1. 「火花・放電・強い高周波・接触の断続」があるか見る ブラシの火花は火花放電、高周波加熱装置は強い高周波の漏れ、コネクタのゆるみは接触の断続。どれも雑音電波を出す
  2. 残った肢 電池の容量低下は電圧が下がって受信機が動かなくなる原因にはなるが、雑音は出さない
  3. 答え 電源用電池の容量低下

周波数帯によって効く雑音が違う

どの帯でどの雑音が主役か

  • 短波(HF)帯以下 空電(雷放電)の雑音が最も強い。電離層反射で遠くの雷も届く
  • VHF・UHF 帯 空電はほとんど効かない。人工雑音と受信機の内部雑音
  • マイクロ波(SHF)帯 外来雑音は小さく、受信機の内部雑音(熱雑音・散弾雑音)が感度を決める。レーダー受信機で最も影響が大きいのはこれ
高周波増幅部で S/N が良くなる理由
S/N を良くする一番の手は、雑音の多い混合器の前で信号を増幅しておくこと

S/N を良くする方法

  • 高周波増幅部を設ける 周波数変換部(混合器)は雑音が多い。その前で信号を増幅しておけば変換部の雑音の影響が相対的に小さくなる(4アマ)
  • 帯域を必要なだけ狭くする 熱雑音は帯域幅 B に比例。中間周波のフィルタで絞る
  • FM なら振幅制限器 振幅に乗った雑音を切りそろえて、復調後の S/N を改善する。FM が振幅性の雑音に強い理由
  • 雑音源を断つ コネクタを締める、接地とシールド、雑音源(モータ・高周波機器)から離す
  • アンテナを工夫 指向性アンテナで雑音の方向を避け、利得で信号を上げる
ひっかけ

「低周波増幅部を設けると S/N が改善」は誤り。検波後の段では変換部で生じた雑音も一緒に増幅されるだけです。「FM は振幅性の雑音に強い」は正しく、「占有周波数帯幅が狭い」が FM の誤った特徴として毎回並びます。空電が効くのは HF 以下で、SHF を使うマイクロ波回線やレーダーで「空電の妨害が少ない」は正しい記述です。

上部の看板「雑音=内部雑音と外部雑音、聞こえ方は S/N
雑音は中と外から。聞こえ方を決めるのは信号と雑音の比

この用語を押さえる問題

二陸特 ・ 日本無線協会 令和元年6月期 無線工学 問24

無線受信機において、通常、受信に障害を与える雑音の原因にならないのは、次のうちどれか。

正答: 電源用電池の容量低下

電池の容量が低下すると電圧が下がって受信機が動作しなくなることはありますが、電池は火花や放電を伴わないので、受信に障害を与える雑音の発生源にはなりません。

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二陸特 ・ 日本無線協会 平成31年2月期 無線工学 問21

レーダー受信機において、最も影響の大きい雑音は次のうちどれか。

正答: 受信機の内部雑音

正答です。レーダーはマイクロ波帯を使うため外来雑音は小さく、微弱な反射波を扱う受信機では、初段の増幅器や周波数変換器などで発生する内部雑音(熱雑音やショット雑音)が感度を決める最大の要因になります。

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3アマ ・ 日本無線協会 CBT例題 無線工学 No.2 問28

空電による雑音妨害を、最も受けやすい周波数帯は、次のうちどれか。

正答: 短波(HF)帯以下

雷放電などによる空電雑音は低い周波数ほど強く、電離層反射で遠方からも届くため、短波帯以下で最も妨害を受けやすい。VHF 以上では空電の影響は小さい。

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4アマ ・ 日本無線協会 CBT例題 無線工学 No.2 問17

次の記述の[ ]内に入れるべき字句の組合せで、正しいのはどれか。 シングルスーパヘテロダイン受信機において、[A]を設けると、周波数変換部で発生する雑音の影響が少なくなるため、[B]が改善される。

正答: A:高周波増幅部 B:信号対雑音比

周波数変換部(混合器)は雑音が多く発生する段である。その前に高周波増幅部を設けて受信信号をあらかじめ増幅しておけば、変換部の雑音に対して信号が相対的に大きくなり、信号対雑音比(S/N)が改善される。

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問われた問題 21

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