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C/N・受信電力・回線設計(dBm の計算) しーえぬとかいせんせっけい

一陸技

送信電力に利得を足し損失を引いて受信電力 C を出し、受信機の雑音電力 N=kTBF と比べる計算。C/N〔dB〕が所要値を超えるように送信電力やアンテナ利得を決める。すべて dB で足し引きするのがこつ。

試験ではここ

令和8年1月期の工学A 問6 は C/N 65〔dB〕にする送信電力で、N=k+T+B+NF=−228.6+24.6+70+4=−130〔dBW〕=−100〔dBm〕、C=−35〔dBm〕、正味損失 68〔dB〕を足して 33〔dBm〕。7月期の工学B 問13 は真数で Pt=2〔W〕・Gt=50〔dB〕・Ae=4〔m²〕・50〔km〕 → 2.5×10⁻⁵〔W〕。

回線設計は足し算と引き算の帳簿です。送信機の出力から出発し、給電線で減り、アンテナで増え、空間で大きく減り、受信アンテナで増え、受信給電線で減って受信機の入力に届きます。これが C です。受信機は自分で雑音 N を作るので、C が N よりどれだけ大きいか(C/N)が品質を決めます。

回線のレベルダイアグラム
レベルダイアグラム。33 dBm から出て 68 dB の正味損失で −35 dBm、雑音 −100 dBm との差が C/N 65 dB
受信電力(dB の帳簿)
C = P_t - L_{ft} + G_t - L_p + G_r - L_{fr}

Pt 送信電力〔dBm〕、Lft・Lfr 送信・受信の給電線損失、Gt・Gr アンテナの絶対利得〔dBi〕、Lp 伝搬路の損失〔dB〕。真数なら掛け算・割り算

受信機の雑音電力
N = kTBF \;\Rightarrow\; N_{\mathrm{dBW}} = -228.6 + 10\log_{10}T + 10\log_{10}B + NF

k はボルツマン定数(−228.6〔dBW/Hz/K〕)、T は温度〔K〕(290〔K〕=24.6〔dBK〕)、B は等価雑音帯域幅〔Hz〕、NF は雑音指数〔dB〕。kT=−204〔dBW/Hz〕=−174〔dBm/Hz〕を覚えておくと速い

雑音電力 N=kTBF を dB で積む
雑音電力は k+T+B+NF の積み上げ。10 MHz・NF 4 dB で −130 dBW=−100 dBm

典型問題の解き方(令和8年1月期 工学A 問6:C/N 65〔dB〕にする送信電力)

手順

  1. 雑音電力 N=−228.6+24.6+10 log10(10⁷)+4=−228.6+24.6+70+4=−130〔dBW〕
  2. dBm に直す −130+30=−100〔dBm〕
  3. 必要な受信電力 C=N+C/N=−100+65=−35〔dBm〕
  4. 回線の正味損失 4+140+4−40−40=68〔dB〕(C=P−68)
  5. 送信電力 P=−35+68=33〔dBm〕(≒2〔W〕)。NF を落とすと 29、片側の利得を落とすと 43 になる
dBm と dBW
P_{\mathrm{dBm}} = 10\log_{10}\dfrac{P}{1\,\mathrm{mW}} = P_{\mathrm{dBW}} + 30

0〔dBm〕=1〔mW〕、30〔dBm〕=1〔W〕、−100〔dBm〕=10⁻¹³〔W〕。真数の 2 倍は +3〔dB〕、10 倍は +10〔dB〕

dBm・dBW・W の換算
dBm・dBW・W の換算。dBm=dBW+30、kT=−174 dBm/Hz

典型問題の解き方(令和8年7月期 工学B 問13:真数で受信電力)

手順

  1. 利得を真数に 50〔dB〕=10⁵、距離 d=5×10⁴〔m〕
  2. 受信点の電力束密度 p=PtGt/(4πd²)=2×10⁵/(4π×2.5×10⁹)≒6.4×10⁻⁶〔W/m²〕
  3. 実効面積を掛ける Pr=p×Ae=6.4×10⁻⁶×4≒2.5×10⁻⁵〔W〕
  4. 確認 受信アンテナが利得で与えられたら Ae=Gλ²/(4π) に直してから掛ける

所要 C/N の考え方

ひっかけ

dBW と dBm の 30〔dB〕の取り違えが最大の落とし穴です。k の −228.6 は dBW 基準なので、答を dBm にするなら +30。雑音指数は雑音電力に「足す」もので、C から引くと符号を間違えやすい。アンテナ利得は送受の両方、給電線損失も両方を数えます。真数の問題では 50〔dB〕を 50 倍にしてはいけません(10⁵ 倍)。

看板「dBm=dBW+30
dBm=dBW+30。雑音指数は N に足し、利得も損失も両側ぶん数える

この用語を押さえる問題

一陸技 ・ 日本無線協会 令和8年1月期 無線工学A 問6

図に示す通信回線において、受信機の入力に換算した C/N が 65〔dB〕のときの送信機の送信電力 P〔dBm〕の値として、最も近いものを下の番号から選べ。ただし、送信及び受信アンテナの絶対利得を共に 40〔dBi〕、送信及び受信給電線の損失を共に 4〔dB〕、両アンテナ間...

正答: 33〔dBm〕

正答。受信機入力換算の雑音電力 N=kTB×F は dB で −228.6+24.6+10 log10(10⁷)+4=−228.6+24.6+70+4=−130 dBW=−100 dBm。C/N=65 dB なので必要な受信電力 C=−100+65=−35 dBm。回線は P−4+40−140+40−4=P−68 なので、P−68=−35 より P=33 dBm。

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一陸技 ・ 日本無線協会 令和8年7月期 無線工学B 問13

送信アンテナから距離 50〔km〕の地点に設置した受信アンテナによって取り出すことのできる最大電力の値として、最も近いものを下の番号から選べ。ただし、送信電力を 2〔W〕、送信アンテナの絶対利得を 50〔dB〕、受信アンテナの実効面積を 4〔m²〕とする。また、送受信アンテ...

正答: 2.5 × 10⁻⁵〔W〕

正しい値です。送信アンテナの利得 50〔dB〕は真数で 10⁵、距離は d = 5×10⁴〔m〕です。受信点の電力束密度は p = Pt·Gt/(4πd²) = 2×10⁵/(4π×2.5×10⁹) = 2×10⁵/(3.14×10¹⁰) ≒ 6.37×10⁻⁶〔W/m²〕となり、受信アンテナの実効面積 4〔m²〕を掛けると Pr = 6.37×10⁻⁶×4 ≒ 2.5×10⁻⁵〔W〕が得られます。

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一陸技 ・ 日本無線協会 令和8年1月期 無線工学A 問16

図に示す構成による受信機の感度測定において、信号源として出力が電力表示(単位:〔dBm〕)の標準信号発生器(SG)を用いて測定した結果、SG の出力が −107〔dBm〕であった。このときの「受信機入力電圧」の値として、正しいものを下の番号から選べ。ただし、このときの「受信...

正答: 2〔µV〕

正答。−107 dBm は 10^(−10.7) mW=10^(−11)×10^(0.3) mW=2×10⁻¹¹ mW=2×10⁻¹⁴ W。SG と受信機は 50 Ω で整合しているので、この電力が受信機入力端に供給され、端子電圧は V=√(PR)=√(2×10⁻¹⁴×50)=√(10⁻¹²)=1 µV。整合時の端子電圧は開放電圧の 1/2 なので、開放電圧は 2 µV。

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問われた問題 7

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