半導体素子の雑音(熱・散弾・フリッカ・分配) はんどうたいそしのざつおん
ダイオードやトランジスタの内部で生じる雑音。抵抗分の熱雑音と、キャリアの数のゆらぎによる散弾雑音は周波数によらず平坦(白色雑音)。低域では 1/f に比例するフリッカ雑音、高域ではエミッタ電流の分配比のゆらぎによる分配雑音が増える。
令和8年1月期 問9 で穴埋め(高域=分配雑音、中域=散弾雑音、低域で 1/f=フリッカ雑音)。熱雑音電力 kTB や雑音指数 F = (S/N)in/(S/N)out、縦続接続の F = F1 + (F2 − 1)/G1 は令和8年の 2 期の基礎には出ていないが、工学A の受信機の問題と合わせて定番。
雑音は電子が「粒」であることと「熱で揺れている」ことから生まれます。抵抗の中の電子が熱で揺れるのが熱雑音、PN 接合を越える電子の数が毎瞬ばらつくのが散弾雑音です。どちらも周波数に関係なく一様に出るので、まとめて白色雑音と呼びます。これに低い周波数で増えるフリッカ雑音と、高い周波数で増える分配雑音が加わります。

4 つの雑音の発生源と周波数の領域

k = 1.38×10⁻²³〔J/K〕、T は絶対温度〔K〕、B は帯域幅〔Hz〕、R は抵抗〔Ω〕。Pn は整合負荷に取り出せる最大雑音電力
F は真数(dB では NF = 10 log F)。初段の利得 G1 が大きいほど後段の雑音は効かない。等価雑音温度 Te = (F − 1)T0、T0 = 290〔K〕
典型問題の解き方(熱雑音電力と雑音指数・標準形)
手順(T = 290〔K〕、B = 1〔MHz〕の熱雑音電力)
手順(縦続接続の雑音指数:初段 NF 3〔dB〕・利得 10〔dB〕、2 段目 NF 10〔dB〕)

「高域」と「低域」の取り違えが誤答肢の作り方です。低域が 1/f のフリッカ、高域が分配、その間の平坦な部分が散弾(と熱)です。熱雑音は温度と帯域幅に比例しますが、電流には関係しません。電流に比例するのは散弾雑音です。雑音指数の縦続接続の式で F2 をそのまま足す(F1 + F2)のは誤りで、(F2 − 1)/G1 です。

この用語を押さえる問題
次の記述は、ダイオード又はトランジスタから発生する雑音について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。 (1) 周波数特性の高域で観測され、エミッタ電流がベース電流とコレクタ電流に分配される比率のゆらぎによって生じる雑音は、[A]である。...
正答: A=分配雑音 B=散弾雑音 C=フリッカ雑音
正しい。分配雑音はエミッタ電流がベースとコレクタへ分かれる比率のゆらぎで生じ、高域で目立つ。散弾雑音(ショット雑音)はキャリアが離散的に流れることによる電流のゆらぎで、中域にわたって平坦に現れる。フリッカ雑音は表面準位などに起因し電力スペクトルが 1/f に比例するので低域で支配的となり、1/f 雑音とも呼ばれる。
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