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受信機の感度・相互変調特性の測定(SG・dBm) じゅしんきのそくてい

3アマ 一陸技

標準信号発生器(SG)を受信機の入力端につなぎ、所要の復調出力や雑音抑圧が得られる入力レベルを測る試験。法令等の「受信機入力電圧」は信号源の開放電圧で、SG の dBm 表示を 50〔Ω〕整合の終端電圧に直し、その 2 倍にする。

試験ではここ

令和8年1月期 工学A 問16で −107〔dBm〕→ 2〔µV〕(終端 1 µV の 2 倍)。令和8年7月期 問20で FM 受信機の相互変調特性の測定:SG1 を f0+Δf、SG2 を f0+2Δf に「無変調」で置き、雑音抑圧 20 dB となる入力電圧が 1.78 mV「以上」、入力電圧は「開放」電圧。

受信機の性能は、決まった条件の信号を標準信号発生器(SG)から入れて、出力で測ります。感度なら「規定の出力を得るのに要る最小の入力」、相互変調特性なら「2 波の妨害波を入れて雑音が規定だけ抑圧される入力」です。どちらも答えは「受信機入力電圧」で、法令等では 信号源の開放電圧 と決まっています。SG の表示は電力〔dBm〕や終端電圧〔dBµV〕のことが多いので、換算が要ります。

受信機の感度測定と開放電圧・終端電圧
感度測定の構成と等価回路。SG の内部抵抗 50〔Ω〕と受信機の入力 50〔Ω〕が整合しているとき、入力端の電圧(終端電圧)は開放電圧の 1/2
dBm から電力、電力から終端電圧
P = 10^{\frac{L_{\mathrm{dBm}}}{10}}\ \mathrm{[mW]},\qquad V_{t} = \sqrt{P\,R}

L は SG の表示〔dBm〕、R は整合した受信機の入力インピーダンス(50〔Ω〕)。Vt は入力端に実際にかかる終端電圧。log10 2=0.3 を使うと 10^(0.3)=2 が計算の鍵

開放電圧(受信機入力電圧)
V_{\mathrm{open}} = 2\,V_{t} \quad (R_s = R_{in}\ \text{整合時})

信号源の起電力。内部抵抗と入力抵抗で 2 分されるので終端電圧の 2 倍(+6 dB)。50〔Ω〕系では 0〔dBm〕=107〔dBµV〕(終端)=113〔dBµV〕(開放)

典型問題の解き方(−107〔dBm〕のときの受信機入力電圧)

手順

  1. dBm を mW に直す −107 dBm=10^(−10.7) mW=10^(−11)×10^(0.3) mW=2×10⁻¹¹ mW=2×10⁻¹⁴ W
  2. 終端電圧を出す Vt=√(PR)=√(2×10⁻¹⁴×50)=√(10⁻¹²)=1 µV
  3. 開放電圧に直す 整合しているので Vopen=2×1=2 µV。これが「受信機入力電圧」
  4. 検算 0 dBm が終端 107 dBµV なので −107 dBm は 0 dBµV=1 µV(終端)。開放は+6 dB で 2 µV
FM 受信機の相互変調特性の測定
相互変調特性の測定構成。SG1 を f0+Δf、SG2 を f0+2Δf に置くと 3 次積 2f1−f2 が試験周波数 f0 に落ちる

FM 受信機の相互変調特性の測定手順(令和8年7月期 問20)

  1. 基準の雑音を測る SG1 だけを試験周波数 f0 に規定の変調で置き、20 dBµV 以上を入れて規定の復調出力に合わせる。次に SG1 を切り、そのときの復調出力(雑音)を測る
  2. 2 波を妨害波として置く SG1 を f0+Δf、SG2 を f0+2Δf に設定(Δf は周波数割当間隔)。どちらも無変調
  3. 等しく上げていく 両 SG の出力電圧を等しく保ちながら上げ、復調出力の雑音が基準より 20 dB 低くなる(雑音抑圧 20 dB)ときの入力電圧を読む
  4. 下側も同じ SG1 を f0−Δf、SG2 を f0−2Δf にして繰り返す。上下それぞれの値〔mV〕が 1.78 mV(65 dBµV)以上なら合格
  5. 注意 SG 同士の結合で SG の内部に相互変調が起きないよう結合器(アイソレーション)を使う。入力電圧は開放電圧
3 次相互変調積が f0 に落ちる条件
2f_1 - f_2 = 2(f_0+\Delta f) - (f_0+2\Delta f) = f_0

f1=f0+Δf、f2=f0+2Δf。SG2 を 3Δf にすると 2f1−f2=f0−Δf となり試験周波数から外れる

ひっかけ

「受信機入力電圧」は 開放電圧 で、終端電圧ではありません。整合時の終端電圧は開放電圧の半分なので、1 µV(終端)と 2 µV(開放)の肢が必ず並びます。相互変調の妨害波は「無変調」で、SG2 は「2Δf」、判定は 1.78 mV「以上」です。dBm の計算で 2×10⁻¹⁴ W を 2×10⁻¹³ W と桁を誤ると 6 µV になります。

上部の看板「受信機入力電圧=信号源の開放電圧
SG の dBm → 終端電圧 → ×2 で開放電圧。相互変調は Δf と 2Δf の 2 波、無変調、1.78 mV 以上

この用語を押さえる問題

一陸技 ・ 日本無線協会 令和8年1月期 無線工学A 問16

図に示す構成による受信機の感度測定において、信号源として出力が電力表示(単位:〔dBm〕)の標準信号発生器(SG)を用いて測定した結果、SG の出力が −107〔dBm〕であった。このときの「受信機入力電圧」の値として、正しいものを下の番号から選べ。ただし、このときの「受信...

正答: 2〔µV〕

正答。−107 dBm は 10^(−10.7) mW=10^(−11)×10^(0.3) mW=2×10⁻¹¹ mW=2×10⁻¹⁴ W。SG と受信機は 50 Ω で整合しているので、この電力が受信機入力端に供給され、端子電圧は V=√(PR)=√(2×10⁻¹⁴×50)=√(10⁻¹²)=1 µV。整合時の端子電圧は開放電圧の 1/2 なので、開放電圧は 2 µV。

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一陸技 ・ 日本無線協会 令和8年7月期 無線工学A 問20

次の記述は、FM(F3E)受信機の相互変調特性の測定法について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、法令等で、希望波信号のない状態で相互変調を生じる関係にある各妨害波を受信機入力電圧 1.78〔mV〕で加えた場合において、雑音抑...

正答: A=2Δf B=無変調 C=以上 D=開放

正答。SG1 を f0+Δf、SG2 を f0+2Δf に置くと、3 次相互変調積 2(f0+Δf)−(f0+2Δf)=f0 が試験周波数に一致し、相互変調特性を評価できる。妨害波は無変調とし、両 SG を等しい電圧で上げていき、復調出力の雑音が基準より 20 dB 抑圧されるときの入力電圧を求める。この電圧が規定の 1.78 mV 以上であれば合格である。受信機入力電圧は法令等で信号源の開放電圧と定義されている。

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一陸技 ・ 日本無線協会 令和8年1月期 無線工学A 問8

次の記述は、AM(A3E)スーパヘテロダイン受信機において生じることのある、相互変調及び混変調について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。 (1) 受信機に周波数が f1〔Hz〕及び f2〔Hz〕の通過帯域外にある強力な妨害波が混入し...

正答: A=3次 B=変調 C=fd±fm

正答。2f1−f2、2f2−f1 は係数の和が 3 の 3 次相互変調積で、通過帯域の近くに落ちるため問題になる。混変調は非直線性により妨害波の変調信号 fm で希望波の搬送波 fd が変調を受ける現象で、fd、fu、fu+fm の 3 波の 3 次積 fd+(fu+fm)−fu=fd+fm、fd−(fu+fm)+fu=fd−fm、すなわち fd±fm の成分が生じる。

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問われた問題 10

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