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雑音指数の縦続接続と等価雑音温度(フリスの式) ざつおんしすうのじゅうぞくせつぞく

一陸技

増幅器を何段もつないだときの全体の雑音指数は F = F1 + (F2 − 1)/G1 + … で、初段の雑音指数と利得でほぼ決まる。雑音を温度で表した等価雑音温度 Te = (F − 1)T0(T0 = 290〔K〕)も同じ形で縦続できる。

試験ではここ

令和8年7月期 工学A 問3 は FA = 2〔dB〕、GA = 10〔dB〕の増幅器 A を FB = 7〔dB〕の B の前に入れたとき、S/N を等しくする入力レベル差 S2 − S1 = 4〔dB〕を求める計算。1月期 問6 は雑音指数 4〔dB〕を雑音電力に足す回線設計。

雑音指数 F は、増幅器を通ると S/N が何倍悪くなるかを表します。何段もつなぐと、後ろの段の雑音は前の段の利得で割り引かれます。だから受信機では、初段に雑音指数が小さく利得の大きい増幅器(低雑音増幅器)を置きます。

雑音指数
F = \dfrac{S_i/N_i}{S_o/N_o} \qquad NF = 10\log_{10}F\ \text{〔dB〕}

Ni は入力の熱雑音 kT0B(T0 = 290〔K〕)。F = 1(0〔dB〕)なら雑音を加えない理想の増幅器

縦続接続(フリスの式)
F = F_1 + \dfrac{F_2 - 1}{G_1} + \dfrac{F_3 - 1}{G_1 G_2} + \cdots

F と G は真数で計算する。dB のまま足してはいけない。G1 が大きいほど 2 段目以降の影響は小さい

3段の増幅器と、フリスの式 F=F1+(F2−1)/G1+(F3−1)/(G1G2)+…
全体の雑音指数は初段でほぼ決まる
等価雑音温度
T_e = (F - 1)\,T_0 \qquad T_e = T_1 + \dfrac{T_2}{G_1} + \cdots

T0 = 290〔K〕。F = 2(3〔dB〕)なら Te = 290〔K〕、NF = 4〔dB〕(F ≒ 2.51)なら Te ≒ 438〔K〕

典型問題の解き方(令和8年7月期 問3)

手順

  1. 真数に直す FA = 10^0.2 ≒ 1.58、FB = 10^0.7 ≒ 5.0、GA = 10
  2. 回路 (a) の雑音指数 F = 1.58 + (5.0 − 1)/10 = 1.98 ≒ 2 → 3〔dB〕
  3. 回路 (b) の雑音指数 増幅器 B だけなので 7〔dB〕
  4. S/N を等しく 出力 S/N〔dB〕= 入力レベル − 入力雑音 − NF。帯域が同じなので S1 − 3 = S2 − 7
  5. 答え S2 − S1 = 7 − 3 = 4〔dB〕。低雑音の A を前に置くと 4〔dB〕弱い信号まで受かる
低雑音増幅器Aを前に入れた回路(a)の雑音指数3dBと、B単体の(b)の7dB、その差4dB
低雑音増幅器を前に入れると 4 dB 弱い信号まで受かる

雑音電力の dB 計算(令和8年1月期 問6)

  1. 式 N = kTBF。dB で足し算にする
  2. 代入 −228.6〔dBW/Hz/K〕+ 24.6〔dBK〕+ 70〔dBHz〕(10〔MHz〕)+ 4〔dB〕= −130〔dBW〕= −100〔dBm〕
  3. 使い方 C/N = 65〔dB〕なら必要な受信電力は −35〔dBm〕。雑音指数を足し忘れると 4〔dB〕小さく出る
ひっかけ

回路 (a) の雑音指数 3〔dB〕そのものや、増幅器 A 単体の 2〔dB〕、B 単体の 7〔dB〕が誤答肢に並びます。聞かれているのは 差 の 4〔dB〕です。また (FB − 1)/GA を忘れて FA = 2〔dB〕とすると 5〔dB〕になります。

先生の挿絵。回路(a)の雑音指数3dBを答えにしかける受験生
聞かれているのは差の 4 dB
ポイント

損失 L(真数)の給電線や減衰器を常温で受信機の前に入れると、その部分の雑音指数は L に等しくなります。アンテナ直下に低雑音増幅器を置く理由はここにあります。

この用語を押さえる問題

一陸技 ・ 日本無線協会 令和8年7月期 無線工学A 問3

図(a)及び(b)に示す二つの回路の出力の信号対雑音比(S/N)が等しいとき、それぞれの入力信号レベルを S1〔dB〕及び S2〔dB〕とすれば、S2-S1 の値として、最も近いものを下の番号から選べ。ただし、各増幅器の入出力端は整合しており、両回路の入力雑音は、熱雑音のみ...

正答: 4〔dB〕

正答。縦続接続の雑音指数は F=FA+(FB−1)/GA。真数で FA=10^0.2≒1.58、FB=10^0.7≒5.0、GA=10 なので F=1.58+(5.0−1)/10=1.98≒2 → 10 log10 2=3 dB。出力 S/N は入力信号レベル−雑音指数(dB)に比例するので、S/N が等しいためには S1−3=S2−7、よって S2−S1=7−3=4 dB。

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一陸技 ・ 日本無線協会 令和8年1月期 無線工学A 問6

図に示す通信回線において、受信機の入力に換算した C/N が 65〔dB〕のときの送信機の送信電力 P〔dBm〕の値として、最も近いものを下の番号から選べ。ただし、送信及び受信アンテナの絶対利得を共に 40〔dBi〕、送信及び受信給電線の損失を共に 4〔dB〕、両アンテナ間...

正答: 33〔dBm〕

正答。受信機入力換算の雑音電力 N=kTB×F は dB で −228.6+24.6+10 log10(10⁷)+4=−228.6+24.6+70+4=−130 dBW=−100 dBm。C/N=65 dB なので必要な受信電力 C=−100+65=−35 dBm。回線は P−4+40−140+40−4=P−68 なので、P−68=−35 より P=33 dBm。

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問われた問題 2

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