抵抗減衰器(T 形・π 形)の設計 げんすいき
抵抗だけで組み、両端を特性インピーダンス Z0 に整合させたまま決まった減衰量〔dB〕を与える回路。直列 1 本と並列 2 本の π 形、直列 2 本と並列 1 本の T 形があり、電圧比 K=10^(A/20) から各抵抗を Z0 の倍数で決める。
令和8年1月期 工学A 問18。π 形で 14〔dB〕→ K=5、並列抵抗 R2=Z0(K+1)/(K−1)=3Z0/2(直列 R1=Z0(K²−1)/(2K)=12Z0/5)。T 形の値(2Z0/3、5Z0/12)が誤答肢に混ざる。log10 2=0.3 から 10^0.7=5 を出す計算が鍵。
測定器や送信機の出力を決まった比率で小さくしたいとき、抵抗だけで組んだ減衰器を入れます。大事なのは、入れても両側から見たインピーダンスが Z0 のまま であることです。そうすれば反射が起きず、何段つないでも dB が足し算になります。この条件から、抵抗値は減衰量と Z0 だけで決まります。

K は入力電圧 ÷ 出力電圧(両端が同じ Z0 なので電力比は K²、10log K² = 20log K)。6 dB で K=2、14 dB で K=5、20 dB で K=10
並列抵抗は必ず Z0 より大きく、K が大きい(減衰が大きい)ほど Z0 に近づく。直列抵抗は K とともに大きくなる
π 形と分子分母がひっくり返った形。直列抵抗は必ず Z0 より小さい。K=5 なら直列 2Z0/3、並列 5Z0/12

典型問題の解き方(π 形で 14〔dB〕にする R2)
手順
- dB を電圧比に直す 20 log10 K=14 → log10 K=0.7=1−0.3=log10(10/2) → K=5
- 図が π 形か T 形か見る 並列抵抗が 2 本(R2、R2)で直列が 1 本(R1)なら π 形
- π 形の並列抵抗の式に入れる R2=Z0(K+1)/(K−1)=Z0×6/4=3Z0/2
- 直列も出しておく R1=Z0(K²−1)/(2K)=Z0×24/10=12Z0/5
- 検算(整合と減衰) 出力側:R2=1.5Z0 と負荷 Z0 の並列=0.6Z0。R1=2.4Z0 を足して 3Z0。入力側の R2=1.5Z0 と並列で Z0 になり整合。出力電圧は 0.6Z0/3Z0=1/5 で 14 dB
dB は 電圧比なら 20 log です。14 dB を 10 log で解くと K≒25 になり合いません。π 形の並列抵抗は Z0 より大きい(3Z0/2)、T 形の直列抵抗は Z0 より小さい(2Z0/3)と覚えておくと、Z0 より小さい肢(8Z0/15、5Z0/12、2Z0/3)を π 形の並列抵抗として選ぶ誤りを防げます。

この用語を押さえる問題
図の回路に示す抵抗素子 R1〔Ω〕及び R2〔Ω〕で構成される抵抗減衰器において、減衰量を 14〔dB〕にするための抵抗素子 R2 の値を表す式として、正しいものを下の番号から選べ。ただし、抵抗減衰器の入力端には出力インピーダンスが Z0〔Ω〕の信号源、出力端には Z0〔Ω...
正答: 3Z0/2〔Ω〕
正答。減衰量 14 dB の電圧比 K は 20 log10 K=14 より log10 K=0.7=1−0.3=log10(10/2)、K=5。π形減衰器が両端 Z0 で整合する条件から並列抵抗は R2=Z0(K+1)/(K−1)=Z0×6/4=3Z0/2(このとき直列抵抗は R1=Z0(K²−1)/(2K)=12Z0/5)。検算:R2=1.5Z0 と負荷 Z0 の並列は 0.6Z0、これに R1=2.4Z0 を足すと 3Z0、さらに入力側の R2=1.5Z0 と並列で Z0 となり整合し、出力電圧は入力の (0.6/3)=1/5 で 14 dB の減衰になる。
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