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デジタル変調の信号点配置(BPSK・QPSK・16QAM・64QAM) でじたるへんちょうのしんごうてん

一陸技

搬送波の同相成分 I と直交成分 Q を軸にして、1 シンボルで送る信号の振幅と位相を点で表した図。点の数 M が多いほど 1 シンボルで log₂M ビット送れるが、同じ電力では点の間隔が縮んで誤りやすくなる。

試験ではここ

令和8年7月期の工学A 問2 は BPSK と 64QAM の信号点間距離を等しくする 64QAM の平均電力で 42P。1月期 問4 は 16QAM と BPSK のピーク電力比 18 倍≒13〔dB〕。7月期 問16 は SER→BER の換算(グレイ符号で BER≒SER/4、CNR=4Eb/N0)、問14 はロールオフ率 0.2・6〔MHz〕・64QAM で 30〔Mbps〕。

デジタル変調は、搬送波を「どの振幅・どの位相で 1 シンボルの間出すか」で情報を送ります。BPSK は 2 点、QPSK は 4 点、16QAM は 4×4 の 16 点、64QAM は 8×8 の 64 点です。点が多いほど 1 シンボルに詰め込めるビットが増えますが、隣の点までの距離 d が雑音に対する余裕なので、点を増やすほど同じ余裕を保つのに電力が要ります。

信号点配置(I-Q 平面)
I-Q 平面の信号点配置。BPSK 2 点(1 bit)、QPSK 4 点(2 bit)、16QAM 16 点(4 bit)、64QAM 64 点(6 bit)
1 シンボルのビット数
n = \log_2 M

M は信号点の数。BPSK 1、QPSK 2、16QAM 4、64QAM 6〔bit〕。シンボルレートはビットレートの 1/n

信号点間距離 d を同じにしたときの平均電力
P_{\mathrm{av}} = \dfrac{2(M-1)}{3}\left(\dfrac{d}{2}\right)^{2}

正方 QAM で全点を等確率に使ったときの平均電力。BPSK は 1、QPSK は 2、16QAM は 10、64QAM は 42 倍の (d/2)²

典型問題の解き方(令和8年7月期 工学A 問2:64QAM の平均電力)

手順

  1. BPSK の電力 信号点は ±d/2 にあるので P=(d/2)²
  2. 64QAM の 1 軸のレベル ±1、±3、±5、±7(×d'/2)の 8 値
  3. 1 軸の平均 (1²+3²+5²+7²)/4=84/4=21(×(d'/2)²)
  4. I・Q の両軸で 21×2=42(×(d'/2)²)
  5. d'=d とおく 42(d/2)²=42P〔W〕。7 や 49 は最外点だけの数、64 は点の数で平均電力ではない
同じ d で必要な平均電力
64QAM の 1 軸は ±1・±3・±5・±7。2 乗の平均 21 を I・Q で足して 42

典型問題の解き方(令和8年1月期 工学A 問4:ピーク電力の比)

手順

  1. BPSK のピーク 振幅 a/2、負荷 1〔Ω〕で搬送波帯の電力は振幅² の 1/2 なので (a/2)²/2=a²/8
  2. 16QAM のピーク 最外点は (3b/2, 3b/2)、振幅²=9b²/2、電力はその 1/2 で 9b²/4
  3. 比 b=a のとき (9a²/4)/(a²/8)=18
  4. dB 10 log10 18=10(log10 2+2 log10 3)=10(0.3+1.0)=13〔dB〕
SER と BER、Es と Eb
\dfrac{E_s}{N_0} = n\,\dfrac{E_b}{N_0},\qquad \mathrm{BER} \fallingdotseq \dfrac{\mathrm{SER}}{n}

1 シンボルは n ビット分のエネルギーを持つ。グレイ符号では隣の点に間違えても 1 ビットしか誤らないので BER はシンボル誤り率の 1/n。16QAM で SER=(3/2)erfc√(CNR/10) なら BER≒(3/8)erfc√(2Eb/(5N0))

16QAM 変調器の構成
16QAM 変調器。4 bit を I・Q 2 bit ずつに分け、4 値の D-A → ロールオフフィルタ → π/2 ずれた搬送波で直交変調して合成
帯域幅とビットレート
B = f_s(1+\alpha),\qquad R_b = n f_s

fs はシンボルレート、α はロールオフ率。6〔MHz〕・α=0.2 なら fs=5〔MBaud〕、64QAM で 30〔Mbps〕

多値化の損得

  • 利点 同じ帯域で n 倍のビットレート(周波数利用効率が高い)
  • 代償 信号点が密になり、同じ誤り率に必要な C/N が大きい。QPSK → 16QAM で約 7〔dB〕、→ 64QAM で約 13〔dB〕増える
  • 使い分け 回線品質のよい固定マイクロ・放送は 64QAM 以上、移動体や衛星は QPSK など低い多値数。適応変調で回線状態に応じて切り替える
多値数と所要 C/N
同じビット誤り率に必要な C/N は多値数が増えるほど大きい
ひっかけ

「平均電力」は全信号点の等確率平均(64QAM で 42)、「ピーク電力」は最外点(64QAM で 1 軸 49、両軸 98)です。問われている方を確かめること。搬送波帯の電力は振幅の 2 乗の 1/2 で、負荷 1〔Ω〕でも 1/2 を忘れると a²/4 の誤答になります。SER を BER に直すときは信号点数 16 ではなくビット数 4 で割ります。I と Q の搬送波の位相差は π/2 であって π/4 ではありません。

看板「平均電力は全点の平均、ピーク電力は最外点
平均電力は全点の平均、ピーク電力は最外点。64QAM は BPSK の 42 倍

この用語を押さえる問題

一陸技 ・ 日本無線協会 令和8年7月期 無線工学A 問2

図に示す一般的な信号点配置の BPSK 信号及び 64QAM 信号を、それぞれ同一の伝送路を通して受信したとき、それぞれの信号点間距離 d と d' を等しくするために必要な 64QAM 信号の送信電力(平均電力)の値として、正しいものを下の番号から選べ。ただし、BPSK ...

正答: 42 P〔W〕

正答。BPSK は信号点が ±d/2 にあるので平均電力 P=(d/2)²。64QAM は I、Q 各軸で ±1、±3、±5、±7 (×d'/2) の 8 レベルをとり、1 軸あたりの平均電力は (1²+3²+5²+7²)/4=84/4=21 (×(d'/2)²)。I、Q 両軸の和で 42(d'/2)² となる。d'=d とすると 42(d/2)²=42P である。

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一陸技 ・ 日本無線協会 令和8年1月期 無線工学A 問4

次の記述は、図に示す BPSK 信号及び 16QAM 信号の信号点間距離等について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、ピーク電力とは搬送波周波数帯における変調信号のピーク電力の事であり、負荷抵抗を 1〔Ω〕、log10 2=0...

正答: A=a²/8 B=9b²/4 C=13

正答。BPSK の信号点は原点から a/2 の位置にあり、負荷 1 Ω で搬送波帯の電力は振幅の 2 乗の 1/2 なので (a/2)²/2=a²/8。16QAM の最外点は I、Q とも 3b/2 で振幅の 2 乗は (3b/2)²×2=9b²/2、電力はその 1/2 の 9b²/4。b=a とすると比は (9a²/4)/(a²/8)=18 で、10 log10 18=10(log10 2+2 log10 3)=10(0.3+1.0)=13 dB。

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一陸技 ・ 日本無線協会 令和8年7月期 無線工学A 問16

図に示す信号点配置の 16QAM 信号のシンボル誤り率 SER16QAM が、搬送周波数帯における信号対雑音電力比 CNR 及び誤差補関数 erfc を用いた式として、SER16QAM=(3/2) erfc(√(CNR/10)) で表せるとき、1 ビット当たりの信号電力と ...

正答: (3/8) erfc(√(2Eb/(5N0)))

正答。16QAM は 1 シンボルで 4 bit を伝送するので、シンボルあたりの信号電力対雑音電力比は CNR=Es/N0=4Eb/N0。グレイコード配置では隣接信号点間の誤りが 1 bit 誤りになるので、BER≒SER/4=(3/8) erfc(√(CNR/10))。CNR=4Eb/N0 を代入すると根号内は 4Eb/(10N0)=2Eb/(5N0) となる。

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一陸技 ・ 日本無線協会 令和8年7月期 無線工学A 問4

図に示す 16QAM 変調器の原理的な構成例に関する次の記述のうち、誤っているものを下の番号から選べ。

正答: I 軸と Q 軸のロールオフフィルタ出力信号に、位相がπ/4〔rad〕異なる搬送波を乗算することで、互いに直交する 2 つの振幅変調波となる。

誤り。I 軸と Q 軸の搬送波は π/2〔rad〕(90 度)位相が異なる。cos と sin の関係にある搬送波を用いるからこそ両者が直交し、合成後も分離して復調できる。π/4 では直交しない。

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問われた問題 6

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