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ロールオフフィルタとシンボルレート(ナイキスト帯域) ろーるおふふぃるた

一陸技

デジタル信号の帯域を、符号間干渉を起こさずに絞るフィルタ。帯域の肩をなだらかにする程度をロールオフ率 α で表し、変調波の帯域は B = fs(1 + α)。シンボルレート fs に 1 シンボルのビット数を掛けるとビットレートになる。

試験ではここ

令和8年7月期 問14 は帯域 6〔MHz〕、α = 0.2、64QAM で fs = 5〔MBaud〕、ビットレート 30〔Mbps〕を求める計算。同期 問4 は 16QAM 変調器の構成で「ロールオフフィルタで帯域外放射を低減」「シンボルレートはビットレートの 1/4」が正しい記述。

矩形のパルスをそのまま送ると、スペクトルが横に長く広がり、隣の電波に迷惑をかけます。そこで送る前にフィルタで帯域を絞ります。ただ、ただ絞るとパルスが前後に尾を引き、隣のシンボルに重なります(符号間干渉)。尾がちょうど隣の判定時刻で 0 になるように肩をなだらかに落とすのがロールオフフィルタです。

シンボルレートとビットレート
R_b = n\,f_s ,\qquad n = \log_2 M

fs はシンボルレート〔Baud〕、M は信号点の数。BPSK n = 1、QPSK 2、16QAM 4、64QAM 6

必要な帯域幅
\text{ベースバンド } B_{BB} = \dfrac{f_s}{2}(1+\alpha) \qquad \text{直交変調波 } B = f_s(1+\alpha)

α = 0 が理想(ナイキスト帯域 fs/2)。α を大きくすると帯域は広がるが、波形の尾が早く減衰して判定時刻のずれに強くなる

中心 fc の台形状のスペクトルと、幅 fs の矩形、全体の帯域 B=fs(1+α)
帯域は B=fs(1+α)

典型問題の解き方(令和8年7月期 問14)

手順

  1. 帯域の式 直交変調波の帯域は B = fs(1 + α)
  2. シンボルレート 6〔MHz〕= fs × 1.2 → fs = 5〔MBaud〕
  3. 1 シンボルのビット数 64QAM は I・Q 各 3〔bit〕で 6〔bit〕
  4. ビットレート 5×10⁶ × 6 = 30〔Mbps〕
6 MHz ÷ 1.2 = 5 MBaud、64QAM で 6 ビット、5 × 6 = 30 Mbps の計算の流れ
帯域 6 MHz・α=0.2・64QAM で 30 Mbps

16QAM 変調器の流れ(令和8年7月期 問4)

  1. 直並列変換 4〔bit〕ごとに I へ 2〔bit〕、Q へ 2〔bit〕
  2. D-A 変換 各軸 4 値(±1、±3)のレベル
  3. ロールオフフィルタ 高い周波数成分を落として波形を整え、帯域外放射を減らす
  4. 直交変調 I は cos、Q は π/2 ずらした sin の搬送波と掛けて加算。振幅 3 種類・位相 12 種類
ひっかけ

(1 + α) で 割る のが正解です。掛けると 7.2〔MBaud〕で 43.2〔Mbps〕、(1 − α) を使うと 4.8〔MBaud〕で 28.8〔Mbps〕、16QAM の 4〔bit〕と取り違えると 20〔Mbps〕です。I 軸と Q 軸の搬送波の位相差は π/2 で、π/4 では直交しません。

先生の挿絵。帯域に (1+α) を掛けてシンボルレートを求めかける受験生
帯域は (1+α) で割る
ポイント

実際の装置では送信と受信に「ルートロールオフ」を半分ずつ置き、掛け合わせて全体でロールオフ特性にします。受信側のフィルタが雑音帯域も絞るので S/N の面でも有利です。

この用語を押さえる問題

一陸技 ・ 日本無線協会 令和8年7月期 無線工学A 問14

デジタル変調波の無ひずみ伝送において、伝送可能なデジタル信号の最大の伝送速度(ビットレート)として正しいものを下の番号から選べ。ただし、無ひずみ伝送に必要な周波数帯域幅を 6〔MHz〕、変調方式を 64QAM 及び帯域制限に用いるロールオフフィルタの帯域制限の傾斜の程度を示...

正答: 30.0〔Mbps〕

正答。直交変調波の占有帯域幅はシンボルレート fs とロールオフ率 α で B=fs(1+α) となる。6 MHz=fs×1.2 より fs=5 MBaud。64QAM は I、Q 各 3 bit で 1 シンボル 6 bit を伝送するので、ビットレートは 5×10⁶×6=30 Mbps。

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一陸技 ・ 日本無線協会 令和8年7月期 無線工学A 問4

図に示す 16QAM 変調器の原理的な構成例に関する次の記述のうち、誤っているものを下の番号から選べ。

正答: I 軸と Q 軸のロールオフフィルタ出力信号に、位相がπ/4〔rad〕異なる搬送波を乗算することで、互いに直交する 2 つの振幅変調波となる。

誤り。I 軸と Q 軸の搬送波は π/2〔rad〕(90 度)位相が異なる。cos と sin の関係にある搬送波を用いるからこそ両者が直交し、合成後も分離して復調できる。π/4 では直交しない。

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問われた問題 2

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