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矩形波パルスのスペクトル(sinc・帯域) ぱるすのすぺくとる

二陸特 一陸技

幅 T_P の矩形パルスを周期 T で繰り返した信号は、基本周波数 1/T の整数倍の線スペクトルをもち、その包絡線は sin(πfT_P)/(πfT_P) の sinc 形になる。最初に零になる周波数は 1/T_P で、パルスが短いほどスペクトルは広がる。

試験ではここ

令和8年1月期 工学A 問15。包絡線は sin(πf T_P)/(πf T_P)、最初のヌル点 fz=1/T_P が 5f0 なら T=5T_P、T_P を変えずに T を小さくすると線の間隔 1/T は「広く」なる。直流成分は E T_P/T。逆数形 (πfT_P)/sin(πfT_P) の肢に注意。

パルスは「短い時間に集中した信号」です。時間が短いほど、周波数で見ると広い範囲に成分が散らばります。矩形パルスを周期的に繰り返すと、スペクトルは基本周波数 f0=1/T ごとに並ぶ線になり、その高さを結んだ包絡線が sin x/x(sinc) の形になります。包絡線が最初に零になる周波数は、パルス幅 T_P の逆数です。

矩形波パルス列と振幅スペクトル
矩形波パルス列(上)とその振幅スペクトル(下)。線は f0=1/T 間隔、包絡線は sinc で fz=1/T_P が最初のヌル点
パルス列の振幅スペクトルの包絡線
G(f) = \dfrac{2E\,T_P}{T}\cdot\dfrac{\sin(\pi f T_P)}{\pi f T_P}

E は振幅〔V〕、T_P はパルス幅〔s〕、T は繰返し周期〔s〕。f→0 で sinc→1 なので包絡線の高さは 2E T_P/T、直流成分はその半分の E T_P/T

ヌル点と線の間隔
f_z = \dfrac{1}{T_P},\qquad \Delta f = f_0 = \dfrac{1}{T}

sin(πf T_P)=0 になる最初の f がヌル点。パルスが短い(T_P 小)ほど fz は高く、スペクトルは広がる。周期 T を短くすると線の間隔 1/T は広がる

パルス幅 T_P とスペクトルの広がり
パルス幅とスペクトルの広がり。T_P を半分にすると最初のヌル点 1/T_P は 2 倍の周波数へ移り、帯域は 2 倍になる

覚えておく対応

  1. 幅 T_P のパルス ⇔ 帯域 ≒ 1/T_P 第 1 ヌル点までを帯域とみなす。レーダーの 1 µs パルスなら約 1 MHz、0.1 µs なら約 10 MHz の受信帯域が要る
  2. 周期 T ⇔ 線の間隔 1/T T を長くすると線は密になり、T→∞(単発パルス)では連続スペクトルになる
  3. デューティ T_P/T ⇔ 直流成分 直流成分は E T_P/T。ヌル点までに入る線の本数は T/T_P 本
  4. sinc の形 零点は 1/T_P、2/T_P、3/T_P…。零点の間の山(サイドローブ)はだんだん小さくなる
周期 T と線スペクトルの間隔
周期 T だけを変えたとき。T を小さくすると線の間隔 1/T は広がり、包絡線(T_P で決まる)は変わらない

典型問題の解き方(ヌル点が 5f0 のときの T)

手順

  1. 包絡線の零点を式で書く sin(πf T_P)=0 となる最初の f は πf T_P=π、つまり fz=1/T_P
  2. 問題の条件を当てはめる fz=5f0=5/T なので 1/T_P=5/T
  3. T を求める T=5T_P。つまりヌル点までに f0〜4f0 の 4 本の線が立つ
  4. 3 つ目の空欄 T_P をそのままで T を小さくすると f0=1/T が大きくなる。線の間隔は「広く」なる
ひっかけ

包絡線は sin x / x で、その逆数ではありません。逆数だとヌル点で無限大になります。T の答えは 5T_P であって 5/T_P ではなく、次元を見れば〔s〕にならない方が誤りと分かります。T を小さくすると線の間隔は「狭く」ではなく「広く」なります。

上部の看板「矩形パルスのスペクトル=sinc
短いパルスほど広いスペクトル。ヌル点は 1/T_P、線の間隔は 1/T

この用語を押さえる問題

一陸技 ・ 日本無線協会 令和8年1月期 無線工学A 問15

次の記述は、図に示す矩形波パルス列とその振幅スペクトルについて述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、矩形波パルスのパルス幅を TP〔s〕、振幅を E〔V〕、繰返し周期を T〔s〕とする。 (1) 矩形波パルス列の直流成分は E ...

正答: A=sin(πf TP)/(πf TP) B=5TP C=広く

正答。矩形パルスのフーリエ級数の係数は (2E TP/T)·sin(πf TP)/(πf TP) の sinc 形になる。最初のヌル点は sin(πf TP)=0、すなわち fz=1/TP であり、これが 5f0=5/T に等しいので T=5TP。スペクトル線の間隔は f0=1/T なので、TP を変えずに T を小さくすると間隔は広くなる。

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一陸技 ・ 日本無線協会 令和8年1月期 無線工学A 問17

次の記述は、デジタル通信における標本化に関連する誤差について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、標本化回路の入力信号の最高周波数を f0+Δf〔Hz〕、標本化周波数を fs〔Hz〕とする。 (1) 図は、標本化の操作における入...

正答: A=折り返し雑音 B=低い C=高域の周波数成分

正答。fs=2f0 のとき、f0 を超える成分 f0+Δf は fs−(f0+Δf)=f0−Δf の位置、すなわち f0 を中心に低い周波数側へ折り返されて重なり、LPF で分離できない折り返し雑音(エイリアシング)となる。アパーチャ効果は、幅 τ の矩形パルスで標本化することで sin(πfτ)/(πfτ) の特性が掛かる現象で、高域の周波数成分ほど減衰する。

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問われた問題 4

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