無線通信ブートラボ
用語集 › 無線工学 › 変調

振幅変調(AM)と変調度 えーえむ

4アマ 3アマ 三陸特 二陸特 一陸技

信号波の大きさに応じて搬送波の振幅を変える方式(A3E)。搬送波の上下に信号波の周波数分の側波帯ができ、占有周波数帯幅は信号波の最高周波数の 2 倍。振幅の変化の深さが変調度です。

試験ではここ

オシロの波形から変調度を求める計算(最大値 40、最小値 10 なら (40−10)/(40+10)=60%)と、搬送波 100 V・変調度 60% のときの最大値 160 V。占有周波数帯幅は 2fS(fC+fS は上側波の周波数)。100% を超えると過変調で側波帯が広がり混信の原因になる。

AM は搬送波の振幅を音声の形に合わせてふくらませたり縮めたりする方式です。波の上下の輪郭(包絡線)がそのまま音声の波形になります。どれだけ深く揺らすかが変調度で、100% を超えると波が途切れてひずみます。

単一正弦波で振幅変調した波形。包絡線の最大値 A と最小値 B、搬送波の振幅が矢印で示されている
AM 波の波形と変調度。包絡線の最大値 A と最小値 B から m=(A−B)/(A+B)
変調度(波形から)
m = \dfrac{A - B}{A + B} \times 100\ [\%]

A:包絡線の最大値、B:最小値。分母は A+B(最大値だけで割らない)

変調度(搬送波と信号波から)
m = \dfrac{V_s}{V_c}\times 100\ [\%],\quad A = V_c(1+m),\ B = V_c(1-m)

Vc:搬送波の振幅、Vs:信号波の振幅。m=0.6 で Vc=100 V なら A=160 V、B=40 V

周波数軸上に搬送波と上下の側波を立てたスペクトル図。帯幅 2fS が示されている
AM 波のスペクトル。搬送波 fC の上下に側波 fC±fS ができ、占有周波数帯幅は 2fS
占有周波数帯幅(DSB)
B = (f_C + f_S) - (f_C - f_S) = 2 f_S

fC:搬送波の周波数、fS:信号波の最高周波数。帯幅は fC に関係なく信号波の 2 倍

典型問題の解き方 1(波形から変調度)

3アマ例題 No.2 問20:最大値 40、最小値 10 の AM 波の変調度は

  1. A と B を読む 包絡線の最大値 A=40、最小値 B=10 です
  2. 式に入れる m=(A−B)/(A+B)=(40−10)/(40+10)=30/50=0.6
  3. 答え 60〔%〕。75% は 30/40、25% は 10/40 の取り違えです

典型問題の解き方 2(変調度から最大値)

令和2年2月期 2陸特 問19:搬送波 100 V、変調度 60% のときの最大値 A は

  1. m を小数に 変調度 60% は m=0.6 です
  2. 最大値の式 A=Vc(1+m)=100×(1+0.6)=160
  3. 答え 160〔V〕。最小値は 100×(1−0.6)=40 V です

過変調は帯域を広げて混信のもと

変調度 100% の波形と過変調の波形を並べ、過変調では搬送波が途切れて包絡線が平らになる様子
変調度が 100% を超える過変調。搬送波が途切れて波形がひずみ、側波帯が広がる

変調度が 100% を超えると搬送波が一時的に途切れ、音声の高調波が側波帯に現れます。その結果占有周波数帯幅が広がって近くの周波数の無線局に混信を与え、音もひずみます。変調度は 100% 以下で、できるだけ深くするのが基本です。

ひっかけ

変調度の分母は A+B です。増加分を最大値で割った 33.3%(30/90)や、最大値だけで割った 75% は誤りの肢です。占有周波数帯幅は 2fS で、fC+fS や 2fC ではありません。FMと比べれば AM の帯幅は狭く、片側波帯だけの SSBはさらにその半分です。

先生の挿絵。オシロスコープの AM 波形を測る技術者
変調度は (A−B)/(A+B)。100% を超えると過変調で帯域が広がる

この用語を押さえる問題

3アマ ・ 日本無線協会 CBT例題 無線工学 No.2 問20

図は、単一正弦波で振幅変調した波形をオシロスコープで測定したものである。変調度は幾らか。

正答: 60〔%〕

変調度 m=(A-B)/(A+B)×100 で、A が包絡線の最大値、B が最小値。(40-10)/(40+10)=30/50=0.6 なので 60 % となる。

この問題を解く
二陸特 ・ 日本無線協会 令和2年2月期 無線工学 問19

図は、振幅が 100〔V〕の搬送波を単一正弦波で振幅変調したときの変調波の波形である。変調度が 60〔%〕のとき、振幅の最大値 A の値は幾らか。

正答: 160〔V〕

正しい。変調度 m のとき、変調波の最大振幅は搬送波振幅 × (1 + m) で表されます。A = 100 × (1 + 0.6) = 160V です。なお最小振幅は 100 × (1 − 0.6) = 40V になります。

この問題を解く
二陸特 ・ 日本無線協会 令和元年6月期 無線工学 問19

周波数 fC の搬送波を周波数 fS の信号波で振幅変調(DSB)を行ったときの占有周波数帯幅は、次のうちどれか。

正答: 2 fS

振幅変調(DSB)では搬送波 fC の上下に側波 fC + fS と fC − fS が生じます。占有周波数帯幅はその差 (fC + fS) − (fC − fS) = 2fS で、信号波の最高周波数の 2 倍です。

この問題を解く
3アマ ・ ブートラボ オリジナル問題 無線工学 No.2 問22

AM(A3E)送信機で変調度が 100〔%〕を超える過変調になった場合に起こる現象として、正しいのは次のうちどれか。

正答: 変調波形がひずんで高調波を含む側波帯が広がり、占有周波数帯幅が広くなって他の無線局に混信を与える。

正しい。変調度が 100〔%〕を超えると搬送波の振幅が一時的にゼロまで落ちて波形が切れ、音声信号の高調波成分が側波帯に現れる。その結果、占有周波数帯幅が規定より広がり、近接周波数の無線局に妨害を与えるとともに音質もひずむ。

この問題を解く

問われた問題 40

!この用語の間違いを報告・追加要望
運営だけが読みます。「用語集に無い語」「その他」は内容を書いてください。