占有周波数帯幅 せんゆうしゅうはすうたいいきはば
上限の周波数を超えて輻射され、及び下限の周波数未満において輻射される平均電力が、それぞれ全平均電力の0.5パーセントに等しい上限及び下限の周波数帯幅をいう。電波の質の「周波数の幅」の正体。
陸特・3アマでは第28条の穴埋め「周波数の偏差及び幅」の「幅」がこれ。一陸技では定義の「0.5パーセント」と、指定周波数帯=占有周波数帯幅の許容値+周波数の許容偏差の絶対値の2倍、占有周波数帯幅の許容値に適合しないときは臨時に電波の発射の停止、が問われる。
電波は1本の線ではなく、中心周波数の上下にある程度の幅をもって出ています。その幅の両端を「外側にこぼれる電力が全体の0.5パーセントになる点」で切り取ったものが占有周波数帯幅です。つまり電力の99パーセントが収まる幅です。

電波法施行規則 第2条第1項第61号「占有周波数帯幅」とは、その上限の周波数をこえて輻射され、及びその下限の周波数未満において輻射される平均電力がそれぞれ与えられた発射によつて輻射される全平均電力の〇・五パーセントに等しい上限及び下限の周波数帯幅をいう。 ただし、周波数分割多重方式の場合、テレビジヨン伝送の場合等〇・五パーセントの比率が占有周波数帯幅及び必要周波数帯幅の定義を実際に適用することが困難な場合においては、異なる比率によることができる。
電波の質の「幅」はこれ
電波法第28条の電波の質は「周波数の偏差及び幅、高調波の強度等」です。このうち「幅」を省令で具体化したのが占有周波数帯幅の許容値で、これに適合していないと認めるときは臨時に電波の発射の停止を命ぜられます。
無線設備規則 第6条発射電波に許容される占有周波数帯幅の値は、別表第二号に定めるとおりとする。
必要周波数帯幅・指定周波数帯との関係
電波法施行規則 第2条第1項の関連する定義
指定周波数帯は、電波がずれても(許容偏差の分だけ上下に)帯幅ごと収まるように、占有周波数帯幅の許容値に許容偏差の2倍を足した幅です。一陸技の定義問題で「2倍」を落とした肢を見抜きます。

無線工学では変調方式で決まる
A3E(振幅変調)の占有周波数帯幅は最高変調周波数の2倍です。F3E(周波数変調)はおよそ最大周波数偏移と最高変調周波数の和の2倍で、A3Eより広くなります。法規の「幅」と工学の「帯域幅」は同じものを指しています。

「周波数の幅」=占有周波数帯幅、「周波数の偏差」=周波数の許容偏差、「高調波の強度等」=スプリアス発射又は不要発射の強度、と電波法第28条の3要素を省令の条に対応づけて覚えます。空中線電力の偏差はこの3つに入りません。
この用語を押さえる問題
次の記述は、総務大臣が無線局に対して臨時に電波の発射の停止を命ずることができる場合について述べたものである。電波法(第28条及び第72条)及び無線設備規則(第5条から第7条まで及び第14条)の規定に照らし、これらの規定に定めるところに適合しないものはどれか。下の1から4まで...
正答: 総務大臣は、無線局の発射する電波が、総務省令で定める空中線電力の許容偏差に適合していないと認めるときは、当該無線局に対して臨時に電波の発射の停止を命ずることができる。
適合しない(これが正答)。電波法第72条第1項が臨時の電波の発射の停止を命じ得るのは「第28条の総務省令で定めるもの(電波の質)に適合していないと認めるとき」である。電波法第28条の電波の質は「周波数の偏差及び幅、高調波の強度等」であり、無線設備規則第14条の空中線電力の許容偏差は電波の質には含まれない。
この問題を解く基準周波数等の定義を述べた次の記述のうち、電波法施行規則(第2条)の規定に照らし、この規定に定めるところに適合しないものはどれか。下の1から5までのうちから一つ選べ。
正答: 「基準周波数」とは、特性周波数に対して、固定し、かつ、特定した位置にある周波数をいう。この場合において、この周波数の特性周波数に対する偏位は、割当周波数が発射によって占有する周波数帯の中央の周波数に対してもつ偏位と同一の絶対値及び同一の符号をもつものとする。
適合しない(これが正答)。電波法施行規則第2条第1項第58号の正しい定義は「割当周波数に対して、固定し、かつ、特定した位置にある周波数」であり、「この周波数の割当周波数に対する偏位は、特性周波数が発射によって占有する周波数帯の中央の周波数に対してもつ偏位と同一の絶対値及び同一の符号をもつ」である。この肢は「特性周波数」と「割当周波数」が入れ替わっている。
この問題を解く次の記述は、電波の質について述べたものである。電波法の規定に照らし、[ ]内に入れるべき字句を下の番号から選べ。 送信設備に使用する電波の[ ]、高調波の強度等電波の質は、総務省令で定めるところに適合するものでなければならない。
正答: 周波数の偏差及び幅
電波法第28条は「送信設備に使用する電波の周波数の偏差及び幅、高調波の強度等電波の質は、総務省令で定めるところに適合するものでなければならない」と定めています。周波数の偏差(ずれ)、幅(占有周波数帯幅)、高調波の強度(スプリアス)の3つが電波の質の要素です。
この問題を解く問われた問題 4
- 一陸技 令和8年7月期 問6 基準周波数等の定義を述べた次の記述のうち、電波法施行規則(第2条)の規定に照らし、この規定に定めるところに...
- 一陸技 令和8年1月期 問5 次の記述は、総務大臣が無線局に対して臨時に電波の発射の停止を命ずることができる場合について述べたものである...
- 二陸特 令和4年2月期 問3 次の記述は、電波の質について述べたものである。電波法の規定に照らし、[ ]内に入れるべき字句を下の番号から...
- 二陸特 令和元年6月期 問3 次の記述は、電波の質について述べたものである。電波法の規定に照らし、[ ]内に入れるべき字句を下の番号から...