ドプラレーダーとドプラ周波数 どぷらーれーだー
動いている物標からの反射波は、送信周波数から少しずれて戻ってくる(ドプラ効果)。そのずれ fd=2v cosθ/λ から物標の速度を測るレーダー。速度違反の取締り、気象レーダーの風速測定、移動目標の検出(MTI)に使う。
計算問題の定番。fd=2v cosθ/λ を v について解く。10〔GHz〕なら λ=0.03〔m〕、fd=0.8〔kHz〕、θ=30°(cos=0.9)で v=800×0.03/(2×0.9)≒13.3〔m/s〕=48〔km/h〕。「2 倍(往復)」と「cosθ で割る(視線方向の成分)」と「m/s → km/h は ×3.6」の 3 点を落とさない。
救急車が近づくとサイレンが高く、遠ざかると低く聞こえます。電波でも同じで、近づく物標からの反射波は周波数が少し高く、遠ざかると低くなります。レーダーは電波を往復させるので、ずれは片道の 2 倍です。また測れるのはレーダーに向かう向きの速度成分だけなので、斜めから測ると cosθ 分だけ小さく出ます。

v は物標の速度〔m/s〕、θ は移動方向とレーダー方向のなす角、λ は送信波の波長〔m〕、f は送信周波数、c=3×10⁸〔m/s〕。2 は往復の分。近づくと+、遠ざかると−。周波数が高い(λ が短い)ほど fd は大きい
cosθ は分母。θ=0°(真正面)で cos=1、θ=90°(真横)で fd=0 になり速度は測れない。km/h に直すときは 3.6 倍

種類と用途
典型問題の解き方(10〔GHz〕、fd=0.8〔kHz〕、前方 30°)
手順
- 波長を出す λ=c/f=3×10⁸/(10×10⁹)=0.03〔m〕
- 式を v について解く v=fd λ/(2 cosθ)
- 代入する v=800×0.03/(2×0.9)=24/1.8≒13.3〔m/s〕
- km/h に直す 13.3×3.6≒48〔km/h〕。答えは 48〔km/h〕
- 検算 cosθ を忘れて割らないと 12〔m/s〕=43〔km/h〕、2 を忘れると 96〔km/h〕、どちらも肢にない。肢に近い誤答の出どころを知っておくと安心
cosθ は「割る」です。レーダーが見ている成分 v cosθ が実際の速度より小さいので、実速度はそれより大きくなります。cosθ を掛けると 42〔km/h〕付近の誤答に落ちます。往復の 2 を忘れると 2 倍の値になります。10〔GHz〕の波長は 3〔cm〕で、0.1〔m〕と取り違えると 140〔km/h〕の誤答になります。
速度取締りのレーダーは 10〔GHz〕帯や 24〔GHz〕帯の CW ドプラで、道路に対して斜めに置くため角度の補正をあらかじめ入れてあります。気象ドプラレーダーは雨粒の動きから風を測り、竜巻や下降気流の検出に使います。反射波の周波数ずれは数百〔Hz〕〜数〔kHz〕と小さいので、発振器の周波数安定度が性能を決めます。

この用語を押さえる問題
図に示すように、ドプラレーダーを用いて移動体を前方 30〔°〕の方向から測定したときのドプラ周波数が、0.8〔kHz〕であった。この移動体の移動方向の速度の値として、最も近いものを下の番号から選べ。ただし、レーダーの周波数は 10〔GHz〕とし、cos 30〔°〕=0.9 ...
正答: 48〔km/h〕
正答。レーダーの波長 λ=c/f=3×10⁸/(10×10⁹)=0.03 m。反射波のドプラ周波数は往復分で fd=2v cos θ/λ なので、v=fd λ/(2 cos θ)=800×0.03/(2×0.9)=24/1.8≒13.3 m/s。km/h に直すと 13.3×3.6=48 km/h。
この問題を解く問われた問題 3
- 一陸技 令和8年1月期 問12 図に示すように、ドプラレーダーを用いて移動体を前方 30〔°〕の方向から測定したときのドプラ周波数が、0....
- 二陸特 令和3年2月期 問23 レーダー装置によって、地上を走行する移動体の速度を測定するには、通常、次のうちどのレーダーが用いられるか。
- 二陸特 令和2年10月期 問23 通常、レーダーで持続波を発射し、ドプラ効果を利用するのはどれか。