整流と平滑(電源回路) せいりゅうとへいかつ
交流を一方向だけの脈流に変えるのが整流回路。脈流に残る交流分(リプル)をコンデンサやチョークコイルで取り除いて滑らかな直流にするのが平滑回路。
中点タップ付き変圧器とダイオード2本の図で「全波整流回路、a 点の極性は正」。「交流分を含んだ不完全な直流を直流にする回路で、動作が不完全だとリプルが多くなり電源ハムの原因」=平滑回路。平滑回路の部品は大容量のコンデンサとチョークコイル。50〔Hz〕を全波整流したリプルの基本周波数は 100〔Hz〕(半波なら 50〔Hz〕)。
コンセントの交流をそのまま無線機には使えません。まずダイオードで片方向の電流にそろえ(整流)、次にでこぼこをコンデンサとコイルでならして(平滑)、ほぼ一定の直流にします。整流だけでは「不完全な直流」で、受信機のスピーカからブーンという電源ハムが出ます。

3つの整流回路

a 点の極性は、ダイオードの三角の向きで決まる
ダイオードは三角の向き(アノードからカソード)にだけ電流を流します。中点タップ形の図では2本のダイオードのカソードが集まる側が正で、電流はそこから負荷を通って中点タップへ戻ります。三角が逆向きなら a 点は負になります。

平滑回路の働き
コンデンサは脈流の山で充電し、谷で放電して電圧の落ち込みを埋めます。直列に入れたチョークコイルは電流の変化を妨げ、残ったリプルをさらに小さくします。大容量のコンデンサとチョークコイルの組合せが穴埋めの答えです。

典型問題の解き方
周波数 50〔Hz〕の交流を全波整流したとき、リプルの基本周波数は
「脈流を直流に近づける回路」を整流回路や安定化回路と答えるのがひっかけです。整流は交流を脈流にする前段、安定化は電圧を一定に保つ後段で、でこぼこをならすのは平滑回路だけです。受信機の検波回路も「ダイオードで整流」しますが、電源回路ではありません。

この用語を押さえる問題
図に示す整流回路において、この名称と出力側 a 点の電圧の極性との組合せで、正しいのはどれか。
正答: 名称:全波整流回路 a 点の極性:正
中点タップ付き変圧器の両端に D1、D2 を接続した回路は、交流の正負どちらの半サイクルでも一方のダイオードが導通して負荷に同じ向きの電流を流す全波整流回路である。両ダイオードはアノードが変圧器側、カソードが a 点側なので、電流は a 点から R を通って中点タップへ流れ、a 点の極性は正になる。
この問題を解く次の記述は、どの回路について述べたものか。 交流分を含んだ不完全な直流を、できるだけ完全な直流にするための回路で、この回路の動作が不完全だとリプルが多くなり、電源ハムの原因となる。
正答: 平滑回路
整流回路の出力は脈流(交流分を含んだ不完全な直流)です。これをコンデンサやチョークコイルで構成した平滑回路に通して交流分(リプル)を取り除き、滑らかな直流にします。平滑が不十分だとリプルが残り、電源ハムの原因になります。
この問題を解く周波数 50〔Hz〕の交流を全波整流回路で整流したとき、出力に含まれるリプル(脈流)の基本周波数は幾らか。
正答: 100〔Hz〕
正しい。全波整流では交流の正負両方の半周期が同じ極性に折り返されるので、1周期の間に山が2回現れる。したがってリプル周波数は入力の2倍の 100〔Hz〕になり、半波整流より平滑しやすい。
この問題を解く次の記述の[ ]内に入れるべき字句の組合せで、正しいのはどれか。 整流回路の出力は脈流であり、これを直流に近づけるために[A]回路を用いる。この回路には、大容量の[B]と[C]が用いられる。
正答: A:平滑 B:コンデンサ C:チョークコイル
正しい。平滑回路では、コンデンサが脈流の山で充電し谷で放電して電圧の変動を埋め、直列に入れたチョークコイルが電流の変化を妨げてリプルをさらに小さくする。
この問題を解く問われた問題 16
- 一陸技 令和8年7月期 問17 次の記述は、図に示す整流形電流計について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号...
- 一陸技 令和8年7月期 問1 次の記述は、地上系デジタル放送波中継において SFN(Single Frequency Network)を...
- 一陸技 令和8年1月期 問17 次の記述は、指示電気計器の一般的な特徴について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。
- 二陸特 例題No.3 問18 一般に使用されているアナログ方式の回路計(テスタ)で、直接測定できないのはどれか。次のうちから選べ。
- 二陸特 令和4年2月期 問18 高周波電流を測定するのに最も適している指示計器は、次のうちどれか。
- 二陸特 令和3年6月期 問17 次の記述は、下記のどの回路について述べたものか。 交流分を含んだ不完全な直流を、できるだけ完全な直流にする...
- 二陸特 令和3年2月期 問17 次の記述は、どの回路について述べたものか。 交流分を含んだ不完全な直流を、できるだけ完全な直流にするための...
- 二陸特 令和元年6月期 問18 一般に使用されているアナログ方式の回路計(テスタ)で、直接測定できないのは、次のうちどれか。
- 4アマ 例題No.1 問23 図に示す整流回路において、この名称と出力側 a 点の電圧の極性との組合せで、正しいのはどれか。
- 3アマ 例題No.2 問19 図は、位相同期ループ(PLL)を用いた一般的な発振器の構成例を示したものである。[ ]内に入れるべき字句で...
- 3アマ 例題No.1 問29 図に示す整流回路において、その名称と出力側 a 点の電圧の極性との組合せで、正しいのは次のうちどれか。
- 3アマ 例題No.1 問25 無線局から発射された電波が、他の無線局の受信設備に妨害を与えるおそれがあるのは、次のうちどれか。
- 3アマ オリジナルNo.2 問26 次の記述の[ ]内に入れるべき字句の組合せで、正しいのはどれか。 整流回路の出力は脈流であり、これを直流に...
- 3アマ オリジナルNo.2 問19 PN 接合ダイオードについての記述で、正しいのは次のうちどれか。
- 3アマ オリジナルNo.1 問26 周波数 50〔Hz〕の交流を全波整流回路で整流したとき、出力に含まれるリプル(脈流)の基本周波数は幾らか。
- 3アマ オリジナルNo.1 問22 電信(A1A)送信機において、電けんを押した瞬間や離した瞬間に出力波形の立上り・立下りが急すぎるために、広...