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整流と平滑(電源回路) せいりゅうとへいかつ

4アマ 3アマ 三陸特 二陸特 一陸技

交流を一方向だけの脈流に変えるのが整流回路。脈流に残る交流分(リプル)をコンデンサやチョークコイルで取り除いて滑らかな直流にするのが平滑回路。

試験ではここ

中点タップ付き変圧器とダイオード2本の図で「全波整流回路、a 点の極性は正」。「交流分を含んだ不完全な直流を直流にする回路で、動作が不完全だとリプルが多くなり電源ハムの原因」=平滑回路。平滑回路の部品は大容量のコンデンサとチョークコイル。50〔Hz〕を全波整流したリプルの基本周波数は 100〔Hz〕(半波なら 50〔Hz〕)。

コンセントの交流をそのまま無線機には使えません。まずダイオードで片方向の電流にそろえ(整流)、次にでこぼこをコンデンサとコイルでならして(平滑)、ほぼ一定の直流にします。整流だけでは「不完全な直流」で、受信機のスピーカからブーンという電源ハムが出ます。

3つの整流回路
半波整流・全波整流(中点タップ)・ブリッジ整流の回路

3つの整流回路

  1. 半波整流 ダイオード1本。交流の片側半周期だけを取り出す。出力の山は1周期に1回
  2. 全波整流(中点タップ形) 中点タップ付き変圧器とダイオード2本。正負どちらの半周期でも一方のダイオードが導通し、同じ向きの電流を流す。山は1周期に2回
  3. ブリッジ整流 ダイオード4本を橋の形に組む。中点タップが要らず、全波整流と同じ出力が得られる
整流と平滑の波形
交流入力・半波整流・全波整流・平滑後の波形。全波は山が2倍の頻度で出る
リプルの基本周波数
f_r = f\ (\text{半波})\qquad f_r = 2f\ (\text{全波})

f は交流の周波数。全波整流では山が倍の頻度で出るのでリプルは 2 倍の周波数になり、平滑しやすい

正弦波交流の平均値と実効値
V_{av} = \dfrac{2}{\pi}V_m \approx 0.637\,V_m \qquad V_{rms} = \dfrac{1}{\sqrt{2}}V_m \approx 0.707\,V_m

Vm は最大値。電源の「100〔V〕」は実効値。整流後の脈流の直流分は平均値で考える

a 点の極性は、ダイオードの三角の向きで決まる

ダイオードは三角の向き(アノードからカソード)にだけ電流を流します。中点タップ形の図では2本のダイオードのカソードが集まる側が正で、電流はそこから負荷を通って中点タップへ戻ります。三角が逆向きなら a 点は負になります。

a 点の極性はダイオードの向きで決まる
ダイオードの向きと a 点の極性。カソードが集まる側が+

平滑回路の働き

コンデンサは脈流の山で充電し、谷で放電して電圧の落ち込みを埋めます。直列に入れたチョークコイルは電流の変化を妨げ、残ったリプルをさらに小さくします。大容量のコンデンサとチョークコイルの組合せが穴埋めの答えです。

平滑回路の働き
平滑回路の回路図と、コンデンサの充放電で谷が埋まる様子

典型問題の解き方

周波数 50〔Hz〕の交流を全波整流したとき、リプルの基本周波数は

  1. 整流の種類を確認 全波整流なので、正負両方の半周期が同じ向きに折り返される
  2. 1周期の山の数を数える 入力の1周期(1/50 秒)の間に山が2回出る
  3. 式に当てはめる fr=2f=2×50=100〔Hz〕。半波整流なら fr=f=50〔Hz〕
ひっかけ

「脈流を直流に近づける回路」を整流回路や安定化回路と答えるのがひっかけです。整流は交流を脈流にする前段、安定化は電圧を一定に保つ後段で、でこぼこをならすのは平滑回路だけです。受信機の検波回路も「ダイオードで整流」しますが、電源回路ではありません。

看板「整流で脈流に、平滑で直流に
先生の一言。整流してから平滑、順番が大事

この用語を押さえる問題

4アマ ・ 日本無線協会 CBT例題 無線工学 No.1 問23

図に示す整流回路において、この名称と出力側 a 点の電圧の極性との組合せで、正しいのはどれか。

正答: 名称:全波整流回路 a 点の極性:正

中点タップ付き変圧器の両端に D1、D2 を接続した回路は、交流の正負どちらの半サイクルでも一方のダイオードが導通して負荷に同じ向きの電流を流す全波整流回路である。両ダイオードはアノードが変圧器側、カソードが a 点側なので、電流は a 点から R を通って中点タップへ流れ、a 点の極性は正になる。

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二陸特 ・ 日本無線協会 令和3年2月期 無線工学 問17

次の記述は、どの回路について述べたものか。 交流分を含んだ不完全な直流を、できるだけ完全な直流にするための回路で、この回路の動作が不完全だとリプルが多くなり、電源ハムの原因となる。

正答: 平滑回路

整流回路の出力は脈流(交流分を含んだ不完全な直流)です。これをコンデンサやチョークコイルで構成した平滑回路に通して交流分(リプル)を取り除き、滑らかな直流にします。平滑が不十分だとリプルが残り、電源ハムの原因になります。

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3アマ ・ ブートラボ オリジナル問題 無線工学 No.1 問26

周波数 50〔Hz〕の交流を全波整流回路で整流したとき、出力に含まれるリプル(脈流)の基本周波数は幾らか。

正答: 100〔Hz〕

正しい。全波整流では交流の正負両方の半周期が同じ極性に折り返されるので、1周期の間に山が2回現れる。したがってリプル周波数は入力の2倍の 100〔Hz〕になり、半波整流より平滑しやすい。

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3アマ ・ ブートラボ オリジナル問題 無線工学 No.2 問26

次の記述の[ ]内に入れるべき字句の組合せで、正しいのはどれか。 整流回路の出力は脈流であり、これを直流に近づけるために[A]回路を用いる。この回路には、大容量の[B]と[C]が用いられる。

正答: A:平滑 B:コンデンサ C:チョークコイル

正しい。平滑回路では、コンデンサが脈流の山で充電し谷で放電して電圧の変動を埋め、直列に入れたチョークコイルが電流の変化を妨げてリプルをさらに小さくする。

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問われた問題 16

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