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ダイオード回路の動作点(負荷線) だいおーどかいろのどうさてん

4アマ 一陸技

電源と抵抗を直列にしたダイオード回路で、実際に流れる電流と両端の電圧の組。ダイオードの電圧電流特性曲線と、抵抗が決める直線(負荷線)の交点として求める。シリコンの順方向電圧は約 0.6〜0.7〔V〕。

試験ではここ

特性曲線のグラフに負荷線を引いて交点を読む形、または順方向電圧 0.6〔V〕やツェナー電圧を既知として電流を計算する形で出ます。ツェナーダイオードの定電圧回路で「直列抵抗の電流 − 負荷電流 = ツェナー電流」を求める計算が定番です。令和8年の 2 期には直接は出ていませんが、トランジスタのバイアス計算の VBE = 0.6〔V〕はこの考え方そのものです。

ダイオードはオームの法則に従いません。電圧を少し上げただけで電流が急に増える曲線の特性をもちます。一方、電源 E と抵抗 R の側から見ると、ダイオードに流せる電流は I = (E − V)/R の直線で決まります。この直線が負荷線で、曲線と直線の交点が「実際にその回路で起きること」、つまり動作点です。

ダイオードの特性曲線と負荷線
ダイオードの順方向特性曲線と負荷線。交点 Q が動作点で、シリコンでは V ≒ 0.6〜0.7〔V〕に落ち着く
負荷線の式
I = \dfrac{E - V}{R}

E は電源電圧、R は直列抵抗、V はダイオードの両端電圧。V = 0 で I = E/R(縦軸との交点)、I = 0 で V = E(横軸との交点)。この 2 点を結べば負荷線になる

順方向の近似(シリコン)
V_F \fallingdotseq 0.6 \sim 0.7\,\mathrm{V}, \qquad I \fallingdotseq \dfrac{E - V_F}{R}

電源電圧が数 V 以上なら、ダイオードを「0.6〜0.7〔V〕の電圧降下」とみなして計算してよい。ゲルマニウムは約 0.2〜0.3〔V〕、理想ダイオードは 0〔V〕

逆方向に一定以上の電圧をかけると、降伏(ツェナー)現象で電流が急に流れます。このときの電圧はほぼ一定なので、ツェナーダイオードは定電圧素子として使います。直列抵抗 R で電流を制限し、負荷と並列につなぐのが基本回路です。

ツェナーダイオードの定電圧回路
ツェナーダイオードによる定電圧回路。R の電流が IZ と IL に分かれる
ツェナー定電圧回路の電流
I_R = \dfrac{E - V_Z}{R}, \qquad I_Z = I_R - I_L = \dfrac{E - V_Z}{R} - \dfrac{V_Z}{R_L}

VZ はツェナー電圧、IL は負荷電流。IZ が 0 を下回ると定電圧動作が外れる。E が上がると IZ が増え、負荷が重くなる(RL が小さい)と IZ が減る

ダイオードの電圧電流特性(順方向と逆方向)
ダイオードの全体の特性。順方向は約 0.6〔V〕から急に立ち上がり、逆方向は VZ で降伏する

典型問題の解き方(E = 10〔V〕、R = 1〔kΩ〕、VZ = 6〔V〕、RL = 2〔kΩ〕のツェナー電流)

手順

  1. 負荷の電圧を決める ツェナーが働いていれば負荷の電圧は VZ = 6〔V〕
  2. 直列抵抗の電流 IR = (E − VZ)/R = (10 − 6)/1×10³ = 4〔mA〕
  3. 負荷電流 IL = VZ/RL = 6/2×10³ = 3〔mA〕
  4. ツェナー電流 IZ = IR − IL = 4 − 3 = 1〔mA〕。正の値なので定電圧動作している
  5. 確認 RL を 1〔kΩ〕にすると IL = 6〔mA〕> IR となり IZ が負。このとき定電圧は保てず、出力は E を R と RL で分圧した値に下がる
ひっかけ

負荷線の傾きは −1/R です。R を大きくすると負荷線は寝て、動作点の電流は減ります。ツェナーは「逆方向」に使う素子で、順方向にすれば普通のダイオードと同じ 0.6〔V〕で導通します。また、ツェナー電圧が一定なのはツェナー電流が規定の範囲にあるときだけです。IZ = 0 になる負荷の条件を問う肢に注意してください。

上部の看板「動作点=特性曲線と負荷線の交点
曲線(ダイオード)と直線(抵抗)の交点が答え。シリコンなら 0.6〔V〕で近似してよい

この用語を押さえる問題

一陸技 ・ 日本無線協会 令和8年1月期 無線工学の基礎 問11

図に示すトランジスタ (Tr) の自己バイアス回路において、コレクタ電流 IC を 2〔mA〕にするためのベース電流 IB と抵抗 RB の値の組合せとして、最も近いものを下の番号から選べ。ただし、Tr のエミッタ接地直流電流増幅率 hFE を 200、回路のベース-エミッ...

正答: IB=0.01〔mA〕 RB=540〔kΩ〕

正しい。IB = IC/hFE = 2〔mA〕/200 = 0.01〔mA〕。RC には IC + IB ≒ 2.01〔mA〕が流れるので、コレクタ電圧は VC = 10 − 2×10³×2.01×10⁻³ ≒ 5.98〔V〕。RB はコレクタとベースの間にあり、両端電圧は VC − VBE = 5.98 − 0.6 = 5.38〔V〕。RB = 5.38/(0.01×10⁻³) = 538×10³ ≒ 540〔kΩ〕。

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一陸技 ・ 日本無線協会 令和8年1月期 無線工学の基礎 問15

図に示す整流回路において、静電容量 C1 の電圧 VC1 及び C2 の電圧 VC2 の最も近い値の組合せとして、正しいものを下の番号から選べ。ただし、電源電圧 V は、実効値 100〔V〕の正弦波交流電圧とし、ダイオード D1、D2 は理想的な特性を持つものとする。 C1...

正答: VC1=141〔V〕 VC2=282〔V〕

正しい。電源の波高値は Vm = 100√2 ≒ 141〔V〕。電源が負の半周期では D1 が導通して C1 が Vm = 141〔V〕まで充電される(VC1)。正の半周期では電源電圧 Vm と C1 の電圧 Vm が直列に加わり、D2 を通して C2 が 2Vm ≒ 282〔V〕まで充電される(VC2)。これが半波倍電圧整流回路の動作である。

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問われた問題 6

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