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自己・相互インダクタンスと合成 そうごいんだくたんす

一陸技

自己インダクタンス L は自分の電流変化で起電力 e = −L di/dt を生む大きさ、相互インダクタンス M は相手のコイルの電流変化で起電力 e = −M di/dt を生む大きさ〔H〕。2 つのコイルを直列にすると L1 + L2 ± 2M(和動で +、差動で −)。

試験ではここ

令和8年1月期 問4 で、同じ円筒に同方向に巻いた 2 コイルの穴埋め(b-c 接続は和動で Lad = L1 + L2 + 2M、b-d 接続は差動で Lac = L1 + L2 − 2M、M = (Lad − Lac)/4)。結合係数 k = M/√(L1L2) や磁気エネルギー ½LI² は令和8年の 2 期には出ていないが定番。

コイルに流す電流を変えると、自分の磁束の変化を邪魔する向きに電圧が出ます。その出やすさが自己インダクタンス L です。隣に別のコイルがあると、片方の磁束の一部が相手を貫くので、相手にも電圧が出ます。その出やすさが相互インダクタンス M です。2 つを直列につなぐと、磁束が強め合う向きなら M の分だけ合成が増え、打ち消す向きなら減ります。

誘導起電力
e = -L\dfrac{di}{dt} \qquad e_2 = -M\dfrac{di_1}{dt} \qquad L = \dfrac{N\phi}{I} = \dfrac{N^2}{R_m}

L は N²(巻数の 2 乗)に比例。Rm は磁気回路の磁気抵抗。符号 − は変化を妨げる向き(レンツの法則)

直列接続の合成インダクタンス
L = L_1 + L_2 \pm 2M

+ が和動接続(磁束が強め合う)、− が差動接続(打ち消す)。差 4M から M が求まる

結合係数と磁気エネルギー
k = \dfrac{M}{\sqrt{L_1 L_2}} \quad (0 \le k \le 1) \qquad W = \dfrac{1}{2}LI^2

k = 1 が密結合(漏れ磁束なし)。M の最大値は √(L1L2)

同じ円筒に巻いた 2 つのコイル
同じ円筒に同方向に巻いた X(a-b)と Y(c-d)。b-c を接続すると電流は同じ向きに回り和動、b-d を接続すると逆向きで差動

典型問題の解き方(和動・差動から M を求める・令和8年1月期 問4)

手順

  1. b-c を接続して a-d 間を測る a から入った電流は X を回って b→c へ入り、Y も同じ向きに回る。磁束が強め合うので和動接続。Lad = L1 + L2 + 2M
  2. b-d を接続して a-c 間を測る 電流は X を回ったあと d から Y に入り逆向きに回る。差動接続。Lac = L1 + L2 − 2M
  3. 差をとる Lad − Lac = 4M。よって M = (Lad − Lac)/4
  4. 数値の例 Lad = 50〔mH〕、Lac = 30〔mH〕なら M = 5〔mH〕。L1 = L2 なら L1 = (Lad + Lac)/4 = 20〔mH〕、k = 5/20 = 0.25
和動接続と差動接続
和動接続は磁束が足し合わさり L1 + L2 + 2M、差動接続は打ち消して L1 + L2 − 2M。両者の差が 4M
結合係数 k
結合係数 k = M/√(L1L2)。密結合(k ≒ 1)は磁束が全部相手を貫く。コイルを離すか直交させると k は 0 に近づく
ひっかけ

同じ向きに巻いたコイルでも、つなぎ方 で和動か差動かが決まります。b-c 接続(端と端を順につなぐ)が和動です。合成の式は ± 2M で、4M が入る肢は差 Lad − Lac と取り違えたものです。L1 − L2 の肢もあり得ません(インダクタンスは引き算で合成しない)。

ポイント

L は巻数の 2 乗に比例します。巻数を 2 倍にすると L は 4 倍、同じ鉄心なら M も √(L1L2) に比例して増えます。

上部の看板「直列は L₁ + L₂ ± 2M
和動は +2M、差動は −2M。差 4M から M が出る

この用語を押さえる問題

一陸技 ・ 日本無線協会 令和8年1月期 無線工学の基礎 問4

次の記述は、図に示すような円筒に、同一方向に巻かれた二つのコイル X 及び Y の合成インダクタンス及び XY 間の相互インダクタンスの原理について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。 (1) 端子 b と端子 c を接続したとき、二...

正答: A=和動 B=L1 + L2 + 2M C=Lad − Lac

正しい。同一方向に巻かれた X と Y の b-c を接続すると、a から d へ流れる電流は両コイルで同じ向きに巻線を回るので磁束が強め合う和動接続となり、Lad = L1 + L2 + 2M。b-d を接続すると電流の向きが逆になる差動接続で Lac = L1 + L2 − 2M。両式の差 Lad − Lac = 4M から M = (Lad − Lac)/4 が得られる。

この問題を解く

問われた問題 7

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