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直列共振回路の Q と帯域幅 ちょくれつきょうしんのきゅー

4アマ 三陸特 二陸特 一陸技

R・L・C を直列にした回路は、ωL = 1/(ωC) となる共振周波数 f0 で電流が最大になる。尖鋭度 Q = ω0L/R は共振の鋭さで、電流が最大の 1/√2 になる 2 点の間隔(半値幅)は B = f0/Q。共振時は L や C の両端電圧が電源の Q 倍に上がる。

試験ではここ

令和8年7月期 問8 は R = 2〔Ω〕、C = 40/π²〔μF〕、L = 4〔mH〕の直列回路で f0 = 1,250〔Hz〕、Q = 5π、f2 − f1 = 250/π〔Hz〕を求める穴埋め。1月期 問7 は正誤(ω1 で電流は「進む」、ω2 で「遅れる」が正しく、逆に書いた肢が誤り)。1月期 問19 は共振周波数 2 倍で合成容量 1/4 を使ってコイルの分布容量 6〔pF〕を求める。7月期 問20 の Q メータも同じ原理。

コイルは周波数が上がるほど通しにくく、コンデンサは通しやすくなります。両方を直列につなぐと、ある周波数でちょうど打ち消し合い、残るのは抵抗 R だけになります。これが共振で、電流は最大 V/R です。R が小さいほど共振は鋭く(Q が大きく)、通す周波数の幅は狭くなります。

直列共振回路
直列共振回路。共振では V̇L と V̇C が打ち消し合い(V̇LC = 0)、それぞれの大きさは電源電圧の Q 倍
共振周波数
f_0 = \dfrac{1}{2\pi\sqrt{LC}} \qquad \omega_0 L = \dfrac{1}{\omega_0 C}

L〔H〕、C〔F〕。LC が 4 倍になると f0 は 1/2

尖鋭度 Q
Q = \dfrac{\omega_0 L}{R} = \dfrac{1}{\omega_0 C R} = \dfrac{1}{R}\sqrt{\dfrac{L}{C}}

R が小さいほど、L/C が大きいほど Q は大きい。共振時の VL = VC = Q·V

半値幅(帯域幅)
B = f_2 - f_1 = \dfrac{f_0}{Q} \qquad Q = \dfrac{\omega_0}{\omega_2 - \omega_1}

f1、f2 は電流が I0/√2(電力が半分、−3〔dB〕)になる周波数。Q が大きいほど B は狭い

共振曲線と半値幅
共振曲線。I0/√2 になる f1 と f2 の間が半値幅 B = f0/Q。R が小さいほど山が高く鋭い

典型問題の解き方(f0・Q・半値幅・令和8年7月期 問8)

手順

  1. LC を計算 L = 4×10⁻³〔H〕、C = (40/π²)×10⁻⁶〔F〕。LC = 160×10⁻⁹/π² = 16×10⁻⁸/π²。√(LC) = 4×10⁻⁴/π〔s〕
  2. f0 f0 = 1/(2π × 4×10⁻⁴/π) = 1/(8×10⁻⁴) = 1,250〔Hz〕(A)
  3. Q Q = ω0L/R = 2π×1250×4×10⁻³/2 = 5π ≒ 15.7(B)
  4. 半値幅 f2 − f1 = f0/Q = 1250/(5π) = 250/π ≒ 80〔Hz〕(C)
共振の前後で位相が入れ替わる
位相。f0 より低いと 1/(ωC) が勝って容量性(電流が進む)、高いと誘導性(電流が遅れる)。f0 で同相

正誤問題の要点(令和8年1月期 問7)

  1. 位相 ω1 < ω0 では容量性で電流は電圧より進む。ω2 > ω0 では誘導性で遅れる。逆に書いた肢が誤り
  2. 共振時の電圧 端子 ac 間(L と C をまとめた電圧)は 0〔V〕。L だけの電圧は Q × |V̇|
  3. Q の表し方 Q = √(L/C)/R も Q = ω0/(ω2 − ω1) もどちらも正しい

分布容量を求める(令和8年1月期 問19)

  1. 式 f = 1/(2π√(L(CV + C0)))。同じ L で f を 2 倍にすると合成容量は 1/4
  2. 立式 426 + C0 = 4 × (102 + C0)
  3. 解く 426 + C0 = 408 + 4C0 → 3C0 = 18 → C0 = 6〔pF〕
ひっかけ

半値幅は f0/Q で、f0 × Q ではありません。Q が大きいほど 狭く なります。「共振時に L の両端電圧が電源電圧に等しい」は誤りで Q 倍です。位相は「低い側で進み、高い側で遅れ」。コイルの性質(遅れ)が出るのは共振より 上 です。

ポイント

Q は 3 つの顔を持ちます。ω0L/R(回路定数)、VL/V(電圧の拡大率)、f0/B(帯域の狭さ)。どれで聞かれても同じ値です。

上部の看板「直列共振:Q = ω₀L/R、半値幅 = f₀/Q、L・C の電圧は Q 倍
半値幅は f0/Q。Q が大きいほど鋭く狭い

この用語を押さえる問題

一陸技 ・ 日本無線協会 令和8年7月期 無線工学の基礎 問8

次の記述は、図に示す直列共振回路について述べたものである。[ ]内に入れるべき値の正しい組合せを下の番号から選べ。 (1) 共振周波数 f₀ は、f₀ = [A]〔Hz〕である。 (2) 尖鋭度 Q は、Q = [B]である。 (3) f₀ における回路の電流を I₀〔A〕...

正答: A=1250 B=5π C=250/π

正しい。LC = 4×10⁻³ × 40/π² × 10⁻⁶ = 16×10⁻⁸/π² より √(LC) = 4×10⁻⁴/π〔s〕。f₀ = 1/(2π√(LC)) = 1/(2π×4×10⁻⁴/π) = 1/(8×10⁻⁴) = 1250〔Hz〕。Q = ω₀L/R = 2π×1250×4×10⁻³/2 = 5π。半値幅は f₂ − f₁ = f₀/Q = 1250/(5π) = 250/π〔Hz〕。

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一陸技 ・ 日本無線協会 令和8年1月期 無線工学の基礎 問7

次の記述は、図に示す直列共振回路について述べたものである。このうち、誤っているものを下の番号から選べ。ただし、共振角周波数を ω0〔rad/s〕及び共振電流を I0〔A〕とする。また、回路の電流 İ の大きさが、I0/√2〔A〕となる二つの角周波数をそれぞれ ω1 及び ω...

正答: 回路の電流 İ の位相は、ω1 で V̇ より遅れ、ω2 で V̇ より進む。

誤り。これが正答。ω1 < ω0 では 1/(ωC) > ωL となって回路は容量性なので、電流は電圧より進む。逆に ω2 > ω0 では誘導性となり電流は遅れる。記述は進み・遅れが逆である。

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一陸技 ・ 日本無線協会 令和8年1月期 無線工学の基礎 問19

図に示す回路において、標準信号発生器 SG の周波数 f を 300〔kHz〕にしたとき可変静電容量 CV が 426〔pF〕で回路が共振し、f を 600〔kHz〕にしたとき CV が 102〔pF〕で回路が共振した。このとき自己インダクタンスが L〔H〕のコイルの分布容...

正答: 6〔pF〕

正しい。共振周波数は f = 1/(2π√(L(CV + C0)))。f を 300〔kHz〕から 600〔kHz〕へ 2 倍にすると、同じ L で共振する合成容量は 1/4 になるので、426 + C0 = 4×(102 + C0)。426 + C0 = 408 + 4C0、3C0 = 18、C0 = 6〔pF〕。検算すると 432 = 4×108 で一致する。

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一陸技 ・ 日本無線協会 令和8年7月期 無線工学の基礎 問20

次の記述は、図に示す原理的な Q メータによるコイルの尖鋭度 Q の測定原理について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、回路は静電容量が C〔F〕で共振状態にあるものとし、交流電圧計 V の内部抵抗は無限大とする。 (1) C...

正答: A=V₁/RX B=1/(ωC) C=V₂/V₁

正しい。直列共振では LX と C のリアクタンスが打ち消し合い、回路インピーダンスは RX だけになるので IC = V₁/RX(A)。C の両端電圧はこの電流にリアクタンスを掛けて V₂ = IC×1/(ωC) = V₁/(ωCRX)(B = 1/(ωC))。共振時は 1/(ωC) = ωLX なので V₂/V₁ = ωLX/RX = Q(C)。V₁ を一定にしておけば電圧計 V の指示 V₂ が Q に比例し、目盛から Q を直読できる。

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問われた問題 12

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