3アマのモールス符号問題は、似た符号の組を見分けられれば取れます。数字は「5記号」の規則で、英字は「逆順」「点と線の入れ替え」「1記号の過不足」の3つの型で見分けます。

3アマの法規では、英字と数字を並べた文字列を「モールス符号で表したもの」を4つの肢から選ぶ問題が出ます。日本無線協会が公表している3アマの例題3回分では、どの回も法規の問15と問16の2問がこの形式でした。法規16問のうち2問なので、ここを確実に取れるかどうかで合格ライン(11問)までの余裕が変わります。
この記事は、英字26字と数字10字の符号の一覧と、取り違えやすい組の見分け方をまとめた早見表です。符号はすべて、モールス符号を定めている無線局運用規則の別表第一号(e-Gov の現行条文)と1文字ずつ照合しています。
3アマのモールス符号問題の形と、符号の決まり
問題文には「2AGIRO」のような6〜8文字の文字列が示され、肢には点(・)と線(-)の列が4つ並びます。例題では、誤りの肢は正しい符号列のうち2文字だけを似た符号に入れ替えた形で作られていて、残りの文字は共通でした。問題には「モールス符号の点、線の長さ及び間隔は、簡略化してある」という注が付き、文字の区切りは空白で示されます。
モールス無線通信で使う符号は、無線局運用規則第12条で「別表第一号に掲げるモールス符号を用いなければならない」とされています。別表第一号には和文・欧文・数字の略体の3つの表がありますが、3アマの例題に出ているのは欧文(英字)と数字です。別表には、符号を組み立てる長さの決まりも注として書かれています。
符号の長さと間隔(無線局運用規則 別表第一号の注)
| 点の長さを1としたとき | |
|---|---|
| 線の長さ | 点3つ分 |
| 1つの符号の中の点・線の間隔 | 点1つ分 |
| 符号と符号の間隔 | 点3つ分 |
| 語と語の間隔 | 点7つ分 |
筆記の試験では長さの比率そのものは問われにくいのですが、「線は点の3倍」「文字の切れ目は点3つ分の間」と知っておくと、音で聞いたときと紙で見たときの対応がつきます。3アマの試験に音声での受信や打鍵の実技はなく、紙の上で符号の並びを読み取れれば足ります。
別表第一号の欧文の表には、英字と数字のほかに記号の符号も載っています。たとえば問符(?)は「・・--・・」、斜線(/)は「-・・-・」です。Q符号を問いの意味で使うときは、Q符号の次に問符を付けることになっています(運用規則 別表第二号の注)。記号は例題の文字列には出ていないので、まずは英字と数字を優先してください。
英字A〜Zのモールス符号一覧(運用規則 別表第一号)
英字の符号は1〜4記号でできています。右の列は、その文字と取り違えやすい相手です。「逆順」は点と線の並びを前後逆にすると相手になる組、それ以外は記号を1つ足すか消すと相手になる組です。
欧文(英字)のモールス符号
| 符号 | 記号の数 | 取り違えやすい相手 | |
|---|---|---|---|
| A | ・- | 2 | N(逆順) |
| B | -・・・ | 4 | D(点が1つ少ない)、V(逆順) |
| C | -・-・ | 4 | K(最後の点がない) |
| D | -・・ | 3 | B(点が1つ多い)、U(逆順) |
| E | ・ | 1 | I(点が1つ多い) |
| F | ・・-・ | 4 | U(最後の点がない)、L(逆順) |
| G | --・ | 3 | N・M(1記号少ない)、Z(点が1つ多い)、W(逆順) |
| H | ・・・・ | 4 | S(点が1つ少ない)、5(点が1つ多い) |
| I | ・・ | 2 | S(点が1つ多い) |
| J | ・--- | 4 | O(先頭の点がない)、1(線が1本多い) |
| K | -・- | 3 | X(点が1つ多い)、C(点が1つ多い) |
| L | ・-・・ | 4 | F(逆順)、R(最後の点がない) |
| M | -- | 2 | T(線が1本少ない)、G(点が付く) |
| N | -・ | 2 | G(線が1本多い)、R(先頭に点)、A(逆順) |
| O | --- | 3 | J(先頭に点) |
| P | ・--・ | 4 | W(最後の点がない) |
| Q | --・- | 4 | Y(逆順) |
| R | ・-・ | 3 | N(先頭の点がない)、L(点が付く) |
| S | ・・・ | 3 | I(点が1つ少ない)、H(点が1つ多い) |
| T | - | 1 | M(線が1本多い) |
| U | ・・- | 3 | V(点が1つ多い)、F(点が付く)、D(逆順) |
| V | ・・・- | 4 | U(点が1つ少ない)、B(逆順) |
| W | ・-- | 3 | G(逆順)、P(点が付く) |
| X | -・・- | 4 | K(点が1つ少ない) |
| Y | -・-- | 4 | Q(逆順) |
| Z | --・・ | 4 | G(最後の点がない) |
英字は1記号が2字(E・T)、2記号が4字、3記号が8字、4記号が12字です。記号の数が増えるほど並びの組み合わせが増え、似た相手も増えます。例題で入れ替えに使われた英字の組12組のうち6組は、Q・Y・X・J・V・F・Bといった4記号の文字を含んでいました。覚えるときに時間をかけるのは4記号の12字です。
E(・)とT(-)は1記号だけの文字なので、ほかの文字の一部に見えやすく、文字の区切りを1つ読み違えると全体がずれます。肢の空白の位置を数え、文字数が問題文と合っているかを先に確かめてください。
数字0〜9は「5記号」の規則で覚える
数字の符号は、すべて点と線を合わせて5記号です。1〜5は先頭から点が増え、残りが線になります。6〜0は先頭から線が増え、残りが点になります。つまり、先頭の記号の種類と数を見れば数字が決まります。
数字のモールス符号と、2つの対応
| 符号 | 読み方 | 点と線を入れ替えると | 前後を逆にすると | |
|---|---|---|---|---|
| 1 | ・---- | 点1つ→線4本 | 6 | 9 |
| 2 | ・・--- | 点2つ→線3本 | 7 | 8 |
| 3 | ・・・-- | 点3つ→線2本 | 8 | 7 |
| 4 | ・・・・- | 点4つ→線1本 | 9 | 6 |
| 5 | ・・・・・ | 点5つ | 0 | 5(同じ) |
| 6 | -・・・・ | 線1本→点4つ | 1 | 4 |
| 7 | --・・・ | 線2本→点3つ | 2 | 3 |
| 8 | ---・・ | 線3本→点2つ | 3 | 2 |
| 9 | ----・ | 線4本→点1つ | 4 | 1 |
| 0 | ----- | 線5本 | 5 | 0(同じ) |
数字は例題で特に狙われます。例題3回分のモールス符号問題6問は、どれも文字列に数字が1つ入っていて、4つの肢のうち2つではその数字が別の数字に入れ替えられていました。入れ替え先の数字は、次の2つの規則のどちらかで作られています。
数字の2つの規則
- 点と線を入れ替えると「5違い」 1↔6、2↔7、3↔8、4↔9、5↔0。例題で2と7、3と8が入れ替えに使われているのはこの組です
- 前後を逆にすると「足して10」 1↔9、2↔8、3↔7、4↔6。5と0は逆にしても同じ符号です。例題の4と6、3と7はこの組です

別表第一号には「数字の略体」(1を・-、7を-・・・など短く送る形)も載っていますが、略体の多くは英字と同じ符号になります(1の略体はA、7の略体はBと同じ)。例題の肢はすべて5記号の正規の形でした。数字は5記号で読むと決めておけば、英字と混同しません。
似た文字・数字の見分け早見表
日本無線協会の3アマ例題3回分のモールス符号問題6問について、正答と誤りの肢を1文字ずつ比べると、入れ替えに使われていた組は「逆順」「点と線の入れ替え」「1記号の過不足」の3種類に分かれました。下の表は、例題で使われた組に同じ型の組を加えたもので、符号はすべて別表第一号で確かめています。
取り違えやすい組と見るところ
| 符号 | 違い方 | 見るところ | |
|---|---|---|---|
| Q と Y | --・- / -・-- | 逆順 | 2・3番目の「-・」と「・-」 |
| 4 と 6 | ・・・・- / -・・・・ | 逆順 | 線が最後か先頭か |
| 3 と 7 | ・・・-- / --・・・ | 逆順 | 先頭が点か線か |
| G と W | --・ / ・-- | 逆順 | 先頭が線か点か |
| F と L | ・・-・ / ・-・・ | 逆順 | 線が3番目か2番目か |
| B と V | -・・・ / ・・・- | 逆順 | 線が先頭か最後か |
| 2 と 7 | ・・--- / --・・・ | 点と線の入れ替え | 先頭が点か線か |
| 3 と 8 | ・・・-- / ---・・ | 点と線の入れ替え | 先頭が点か線か |
| K と X | -・- / -・・- | 1記号の過不足 | 記号の数(3つか4つか) |
| U と V | ・・- / ・・・- | 1記号の過不足 | 最後の線の前の点の数 |
| B と D | -・・・ / -・・ | 1記号の過不足 | 線の後の点の数 |
| G と Z | --・ / --・・ | 1記号の過不足 | 最後の点の数 |
| F と U | ・・-・ / ・・- | 1記号の過不足 | 最後に点があるか |
| O と J | --- / ・--- | 1記号の過不足 | 先頭に点があるか |
| G と N | --・ / -・ | 1記号の過不足 | 線が2本か1本か |
| I と S | ・・ / ・・・ | 1記号の過不足 | 点の数(2つか3つか) |
| M と T | -- / - | 1記号の過不足 | 線の数(2本か1本か) |
| N と R | -・ / ・-・ | 1記号の過不足 | 先頭に点があるか |
違い方ごとに見るところは決まっています。「逆順」の組は記号の数が同じなので、数えても区別できません。先頭が点か線かを見ます。「点と線の入れ替え」は数字に多く、これも先頭の記号で決まります。「1記号の過不足」は、記号の数を数えれば区別できます。
表にない組でも、同じ考え方で区別できます。たとえばH(・・・・)と5(・・・・・)は1記号の過不足の組ですが、英字は4記号まで、数字は必ず5記号なので、点が5つ続いていれば数字の5と決まります。記号の数は、どの型の取り違えでも最初に確かめる手がかりになります。

符号から文字を引く逆引き表
肢の符号から文字に戻すときは、記号の数と先頭の記号で引くと早く見つかります。英字は1〜4記号、数字は5記号です。
記号の数×先頭の記号で引く
| ・で始まる | -で始まる | |
|---|---|---|
| 1記号 | E ・ | T - |
| 2記号 | I ・・、A ・- | N -・、M -- |
| 3記号 | S ・・・、U ・・-、R ・-・、W ・-- | D -・・、K -・-、G --・、O --- |
| 4記号 | H ・・・・、V ・・・-、F ・・-・、L ・-・・、P ・--・、J ・--- | B -・・・、X -・・-、C -・-・、Y -・--、Z --・・、Q --・- |
| 5記号(数字) | 1 ・----、2 ・・---、3 ・・・--、4 ・・・・-、5 ・・・・・ | 6 -・・・・、7 --・・・、8 ---・・、9 ----・、0 ----- |
同じマスに入る文字どうしは、記号の数も先頭の記号も同じです。QとY、FとLのように逆順の組が同じマスに並んでいるので、このマスの中では2番目・3番目の記号まで見て区別します。逆にKとX(3記号と4記号)のように行が違う組は、記号の数を数えるだけで区別できます。
4記号の並びは全部で16通りあり、そのうち英字に割り当てられているのは12通りです。・・--、・-・-、---・、----の4つは英字の表にありません。肢の中にこの並びが出てきたら、空白の位置か記号の数を読み違えていないかを疑ってください。
試験での使い方:違いのある文字だけを見て肢を消す
例題の誤りの肢は、上の表の組で文字を入れ替えて作られていました。先頭から順に全部を解読するより、問題文の文字列のうち「取り違えやすい相手がいる文字」の位置だけを肢どうしで見比べるほうが速く、確実です。たとえば例題の「2AGIRO」では、2と7、GとN、OとJの3か所だけが肢ごとに違っていました。
例題6問の肢には、共通の作り方がありました。入れ替えの入る位置は3か所で、誤りの3つの肢は、その3か所のうち2か所ずつが入れ替えられています。そのため、1か所目を照合すると誤りの肢が2つ消え、2か所目で残りの1つも消えます。本番の問題が同じ作りとは限りませんが、「1か所で決めず、2か所以上を見る」のはどの作りにも通用します。
モールス符号問題の手順
- 問題文の文字列で、数字と、早見表に載っている文字に印を付ける
- 印の位置の符号だけを4つの肢で縦に見比べ、合わない肢を消す
- 残った1つの肢を、最後に先頭から全文照合する(消し忘れの確認)
1つの文字だけで決めずに最後に全文照合するのは、入れ替えが2か所以上に入っている肢があるからです。肢の消し方の実演と練習問題は、講義『3アマ、問題が取れるまで。』第1回で扱います。
例題では「・・---(2)」と「--・・・(7)」のように、点と線を入れ替えた数字が先頭に置かれることがあります。数字は先頭の記号の種類と数で決まるので、最初に数字の位置を確かめると効率的です。例題6問ではどれも、数字の位置を見るだけで肢が2つに絞れました。
覚え方:毎日5分、文字→符号と符号→文字を往復する
36個を一度に覚えようとすると、似た組が混ざります。まず数字10個を規則で押さえ、次に英字を記号の数の少ない順に足していくと、逆引き表の形がそのまま頭に入ります。
4日で一周する順番
- 1日目 数字10個(5記号の規則)と、1〜2記号の英字6字(E・T・I・A・N・M)
- 2日目 3記号の英字8字(S・U・R・W・D・K・G・O)
- 3日目 4記号の英字12字(H・V・F・L・P・J・B・X・C・Y・Z・Q)
- 4日目以降 早見表の取り違えやすい組を、逆順・入れ替え・過不足の型ごとに見直す
手で書くときは、点を小さな丸、線を点の3倍ほどの横棒にして、文字の間を広めに空けます。自分の書いた符号が点か線か曖昧だと、逆順や過不足の組を見分ける練習になりません。別表の決まり(線は点3つ分、文字の間は点3つ分)を手書きでもまねるのがこつです。
覚えた後の確認には、逆引き表のマスを空欄にした紙を作り、記号の数と先頭の記号から文字を埋める練習が効きます。表を見ながら符号を書くのとは逆向きの作業なので、試験で肢の符号を文字に戻す練習そのものになります。36個すべてを迷わず埋められるまで繰り返してください。
毎日の5分は「文字を見て符号を書く」と「符号を見て文字を書く」を交互に行います。試験は文字列から符号を選ぶ形ですが、肢を照合するときには符号から文字に戻す力も使うからです。間違えた文字は翌日・3日後・7日後にもう一度書くと定着します。
ブートラボでの進め方
ブートラボの3アマの演習には、日本無線協会のCBT例題3回分と、例題と同じ形式・範囲のオリジナル問題3回分が入っています。法規は各回16問で、どの回にもモールス符号の文字列を選ぶ問題が2問ずつあります。3アマは本試験の過去問が公表されていないため、本試験の問題は収録していません。
まずこの記事の数字の表と早見表を1枚に書き写し、演習で間違えた組に印を付けていくと、自分が取り違えやすい型が見えてきます。
よくある質問
3アマの試験でモールス符号は何問出ますか?
日本無線協会が公表している3アマの例題3回分では、どの回も法規16問のうち問15・問16の2問が、文字列をモールス符号で表したものを選ぶ問題でした。本試験の出題数は公表されていないため、例題と同じ形で2問出る前提で準備するのが安全です。
モールス符号は全部覚える必要がありますか?
例題の文字列には英字と数字の両方が使われ、どの文字が出るかは決まっていません。英字26字と数字10字の36個は覚える前提で準備してください。数字は5記号の規則で覚えられるので、実際に一つずつ覚えるのは英字26字です。
和文のモールス符号も覚えますか?
無線局運用規則の別表第一号には和文の符号もありますが、3アマの例題で出ているのは欧文(英字)と数字の符号です。まず英字と数字を確実にしてください。
QとYはどう見分けますか?
Qは「--・-」、Yは「-・--」で、同じ記号を前後逆に並べた組です。記号の数が同じなので数えても区別できません。2番目が線ならQ、点ならYです。