無停電電源装置(UPS)とインバータ ゆーぴーえす
商用電源が停電・瞬断・電圧異常を起こしても、蓄電池とインバータで負荷に交流を供給し続ける装置。平常時の給電経路の違いで常時インバータ給電方式・常時商用給電方式・ラインインタラクティブ方式に分かれる。
方式の特徴の正誤問題。常時商用給電は低損失・経済的だが電源品質は商用に依存。常時インバータ給電(商用同期)は非同期中にバイパスへ切り替えると電圧・位相が急変する。ラインインタラクティブは一定範囲の電圧調整をして異常時にインバータへ切替。並列冗長は N+1 台だが一括バイパスの無瞬断切換装置は共通部。共通予備 UPS は常用と同一容量に「統一する必要はない」。
無線局の送信機や制御装置は、一瞬でも電源が切れると止まります。UPS は商用電源と負荷の間に入り、停電しても蓄電池のエネルギーをインバータで交流に戻して給電を続けます。インバータは直流から交流を作る回路で、トランジスタのスイッチングで作ったパルス列(PWM)をフィルタで滑らかにして正弦波にします。

3 つの給電方式
- 常時インバータ給電方式(オンライン) 平常時もつねに整流器→インバータを通して給電する。停電しても切替の瞬断がなく電源品質が高いが、変換損失が大きい。インバータが商用と同期をとる商用同期方式では、非同期中にバイパスへ切り替えると出力の電圧や位相が急変するおそれがある
- 常時商用給電方式(オフライン・スタンバイ) 平常時は商用をそのまま負荷へ。異常時にインバータ側へ切り替える。低損失で経済的だが、通常時の電源品質は商用電源に依存し、切替時に数〔ms〕の瞬断が出る
- ラインインタラクティブ方式 常時商用給電に電圧調整(AVR)を加えたもの。一定範囲の電圧変動は補正し、補正範囲を超えた変動や停電でインバータ側へ切り替える

信頼性を上げる構成
C は蓄電池の容量〔Ah〕、V は蓄電池電圧〔V〕、η はインバータ効率と放電効率の積、P は負荷電力〔W〕。例: 100〔Ah〕×48〔V〕×0.8 ÷ 1,000〔W〕≒3.8〔h〕。令和8年の 2 期には計算は出ていない

典型問題の解き方(方式の誤りを探す)
手順
- 平常時の経路を思い出す 常時商用=素通し(低損失・品質は商用依存)、常時インバータ=つねに変換(高品質・損失大)、ラインインタラクティブ=素通し+電圧調整
- 冗長構成の弱点を思い出す N+1 の並列冗長でも一括バイパスの無瞬断切換装置は共通部。共通予備は容量をそろえなくてよい
- 「必要がある」「統一する」の断定に注意 設計の自由度を不要に縛る肢(共通予備と常用を同一容量に統一する必要がある)が誤り
「常時インバータ給電方式は通常時の電源品質が商用電源に依存する」は誤りで、依存するのは常時商用給電方式です。「常時商用給電方式は変換損失が大きい」も逆です。商用同期方式が同期をとる目的は、バイパスへ無瞬断で切り替えるためで、同期が外れている間の切替は位相差の分だけ出力が急変します。
中継局や基地局では送信機・制御装置・監視装置を UPS で守り、長時間の停電は発電機で補います。UPS は停電から発電機が立ち上がるまでの数十秒〜数分をつなぐのが主な役目です。蓄電池は劣化で容量が落ちるので、定期的な放電試験と交換が欠かせません。

この用語を押さえる問題
次の記述は、インバータを基本構成要素の一部とする無停電電源装置(UPS)の一般的な構成について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。
正答: 共通予備システムは、複数台の常用 UPS に共通予備 UPS を接続したシステムで、常用 UPS の故障時に共通予備 UPS による給電が可能であるが、共通予備 UPS と常用 UPS は同一の容量に統一する必要がある。
誤り。共通予備 UPS は故障した常用 UPS の負荷を引き受けられる容量(通常は常用 UPS のうち最大容量以上)があればよく、常用 UPS と同一容量に統一する必要はない。常用 UPS どうしも容量が異なっていてよい。
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