周波数逓倍器 ていばいき
入力した周波数の整数倍(2倍・3倍など)の周波数を取り出す回路。増幅器を C 級で動かして高調波を作り、出力の同調回路で必要な次数の高調波だけを選ぶ。水晶発振器の低い周波数から高い送信周波数を作るときに使う。
「送信機に周波数逓倍器を設ける目的」=発振周波数の整数倍の周波数を得る。同じ4択に緩衝増幅器(後段の影響で発振周波数が変動するのを防ぐ、発振器の次段に置く)・励振増幅器(終段に十分な励振電圧)・電力増幅器(所要の出力まで増幅)が並ぶので、役割の対応づけが勝負。
水晶発振器は安定ですが、何十 MHz もの高い周波数を直接発振させるのは苦手です。そこで低い周波数で安定に発振させておき、逓倍器で 2倍・3倍と掛け算して送信周波数まで上げます。逓倍器の中身は「わざとひずませる増幅器」です。ひずんだ波には高調波(整数倍の周波数)が含まれるので、同調回路で欲しい倍数だけをすくい取ります。

n は逓倍数。2 逓倍と 3 逓倍を重ねれば 6 倍になる
周波数変調した波を逓倍すると、搬送波だけでなく周波数偏移Δf も同じ倍率で大きくなる。小さい偏移で変調してから逓倍で広げるのが間接 FM のやり方

典型問題の解き方(3アマ オリジナル No.3 問21)
「送信機に周波数逓倍器を設ける目的」で正しいものは?
計算の例
水晶発振 12〔MHz〕を 3 逓倍→2 逓倍したら?
- 3 逓倍 12×3=36〔MHz〕
- 2 逓倍 36×2=72〔MHz〕。合計 6 倍
- FM なら偏移も 6 倍 発振段で ±0.5〔kHz〕振らせていれば、出力の偏移は ±3〔kHz〕
送信機の各段の役割(逓倍器と並べて出る)
緩衝増幅器の置き場所は「発振器の次段」です。逓倍器の後ろや電力増幅器の手前に置いても発振器は守れません。また SSB 波を逓倍すると側波帯の形が崩れるので、SSB 送信機は逓倍ではなく周波数混合器で送信周波数に移します。

この用語を押さえる問題
送信機に周波数逓倍器を設ける目的として、正しいのは次のうちどれか。
正答: 発振器で作った周波数の整数倍の周波数を得る。
正しい。周波数逓倍器は増幅器を C 級などで動作させて出力に含まれる高調波のうち必要な次数(2 倍、3 倍など)を同調回路で取り出す。水晶発振器では高い周波数を直接発振させにくいので、低い周波数で安定に発振させてから逓倍して目的の周波数を得る。
この問題を解く送信機の緩衝増幅器は、どのような目的で設けられているか。次のうちから選べ。
正答: 後段の影響により発振器の発振周波数が変動するのを防ぐため。
緩衝増幅器(バッファアンプ)は発振器の直後に置き、後段の負荷変動が発振器に戻って周波数が揺れるのを防ぎます。肢 1 は電力増幅器、肢 2 は励振増幅器、肢 3 は周波数逓倍器の役割です。
この問題を解く送信機の緩衝増幅器は、どのような目的で設けられているか。
正答: 後段の影響により発振器の発振周波数が変動するのを防ぐため。
正答です。緩衝増幅器(バッファ)は発振器と後段の間に置き、後段の負荷変動や同調操作が発振器に影響して発振周波数が変動するのを防ぎます。入力インピーダンスが高く、発振器から見た負荷を一定に保ちます。
この問題を解く送信機の回路において、緩衝増幅器の配置で、最も適切なのは次のうちどれか。
正答: 発振器の次段
緩衝増幅器は、後段の負荷変動が発振器に影響して周波数が変動するのを防ぐためのものなので、発振器の直後に置く。
この問題を解く問われた問題 7
- 二陸特 例題No.2 問24 送信機の緩衝増幅器は、どのような目的で設けられているか。次のうちから選べ。
- 二陸特 平成31年2月期 問23 送信機の緩衝増幅器は、どのような目的で設けられているか。
- 3アマ 例題No.2 問22 次の記述の[ ]内に入れるべき字句の組合せで、正しいのはどれか。 スーパヘテロダイン受信機の中間周波増幅器...
- 3アマ 例題No.1 問21 送信機の回路において、緩衝増幅器の配置で、最も適切なのは次のうちどれか。
- 3アマ オリジナルNo.3 問21 送信機に周波数逓倍器を設ける目的として、正しいのは次のうちどれか。
- 3アマ オリジナルNo.2 問21 SSB(J3E)送信機において、平衡変調器の働きとして正しいのは次のうちどれか。
- 3アマ オリジナルNo.2 問20 AM(A3E)波から音声などの信号波を取り出す回路は、次のうちどれか。