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位相変調(PM)と FM の関係 ぴーえむのへんちょう

三陸特 二陸特 一陸技

変調信号の振幅に比例して搬送波の位相をずらす方式。位相の最大のずれが位相変調指数 mp〔rad〕で、周波数偏移は mp×fm となり変調信号の周波数に比例する。変調信号を積分してから PM すると FM になる(間接 FM)。

試験ではここ

令和8年1月期の工学A 問3 は「変調信号 100〔kHz〕、位相変調指数 0.4〔rad〕、指数の誤差 ±20〔%〕」で最大の帯域幅 Bw≒2(fm+Fd)=296〔kHz〕(mp の最大 0.48、Fd=48〔kHz〕)。「PM の周波数偏移は変調周波数に比例」「積分器+PM=FM、微分器+FM=PM」の正誤、IDC の役割も定番。

FM は「周波数」をずらし、PM は「位相」をずらします。位相は周波数を時間で積分したものなので、両者は微分・積分の関係にあります。PM では位相のずれ mp が振幅で決まるため、それを周波数のずれに直すと fm 倍、つまり変調信号の周波数が高いほど周波数偏移が大きくなります。

FM と PM:何が何で決まるか
FM は Δf が振幅で決まり fm に依らない。PM は mp が振幅で決まり、周波数偏移 Fd=mp·fm は fm に比例する
PM 波と位相変調指数
e(t) = A\cos\left(\omega_c t + m_p \sin\omega_m t\right),\qquad m_p = k_p V_m

mp は最大位相偏移〔rad〕で変調信号の振幅 Vm に比例し、fm には依らない

PM の最大周波数偏移
F_d = m_p\, f_m

瞬時周波数は位相の時間微分。位相のずれ mp sin ωmt を微分すると mp ωm cos ωmt なので、周波数のずれの最大は mp×fm。fm が 2 倍なら Fd も 2 倍

PM 波の帯域幅
B_w \fallingdotseq 2(f_m + F_d) = 2 f_m (1 + m_p)

カーソンの式と同じ形。PM では mp が一定なので Bw は fm に比例する

典型問題の解き方(令和8年1月期 工学A 問3:最大の帯域幅)

手順

  1. 指数の最大値 誤差 +20〔%〕を見込んで mp=0.4×1.2=0.48〔rad〕
  2. 周波数偏移 Fd=mp fm=0.48×100=48〔kHz〕
  3. 帯域幅 Bw≒2(fm+Fd)=2(100+48)=296〔kHz〕
  4. 確認 誤差を見込まない 0.4〔rad〕なら 280〔kHz〕。「最大の」と聞かれたら上限の指数を使う
間接 FM と直接 FM
間接 FM は変調信号を積分器に通してから位相変調。直接 FM は発振器の可変容量ダイオードを直接動かす

FM と PM の変換

狭帯域 PM のベクトル図
狭帯域 PM では側波帯のベクトルが搬送波に直角に乗り位相が揺れる。AM は同じ向きに乗り振幅が変わる

mp が小さい狭帯域 PM では、搬送波に直角な向きに側波帯の合成ベクトルが乗ります。AM の側波帯が搬送波と同じ向きに乗るのと対照的で、振幅がほぼ一定のまま位相だけが揺れます。

ひっかけ

PM の周波数偏移は Fd=mp·fm で変調信号の周波数に「比例」し、FM の Δf は fm に「依らない」。ここが入れ替わった正誤が頻出です。FM になるのは「積分して PM」で、「微分して PM」ではありません。帯域幅の問題で指数の誤差 ±20〔%〕があるとき、最大の帯域幅は +側の 1.2 倍で計算します。

看板「PM の周波数偏移は Fd=mp×fm
PM の周波数偏移は Fd=mp×fm。最大の帯域幅は指数の上限で計算

この用語を押さえる問題

一陸技 ・ 日本無線協会 令和8年1月期 無線工学A 問3

搬送波の位相を変調信号に比例して変調する位相変調(PM:Phase Modulation)において、位相変調波の最大の周波数帯域幅 Bw の大きさの値として最も近いものを下の番号から選べ。ただし、変調信号を 100〔kHz〕、位相変調指数を 0.4〔rad〕及び位相変調指数...

正答: 296〔kHz〕

正答。PM 波の最大周波数偏移は Fd=mp×fm で、指数の誤差+20 % を見込むと mp=0.4×1.2=0.48 rad、Fd=0.48×100 kHz=48 kHz。よって Bw≒2(fm+Fd)=2(100+48)=296 kHz。

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一陸技 ・ 日本無線協会 令和8年1月期 無線工学A 問1

最大周波数偏移が入力信号のレベルに比例する FM(F3E)変調器に 400〔Hz〕の正弦波を変調信号として入力し、その出力をスペクトルアナライザで観測した。変調信号の振幅を零から徐々に大きくしたところ、1〔V〕で搬送波の振幅が零となった。図に示す第1種ベッセル関数のグラフを...

正答: 2〔V〕

正答。搬送波の振幅は J0(mf) に比例し、グラフから J0 が最初に零になるのは mf≒2.4 である。変調信号 1 V で搬送波が零になったので、このとき mf=Δf/fm=2.4、すなわち Δf=2.4×400≒960 Hz。最大周波数偏移は入力振幅に比例するので、Δf=1,920 Hz(mf=4.8)にするには 1,920/960=2 倍の振幅、すなわち 2 V が必要である。

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問われた問題 2

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