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伝達関数と周波数特性(振幅特性・位相特性) でんたつかんすう

一陸技

回路の出力と入力の比 H(jω) = V̇o/V̇i を周波数の関数として表したもの。大きさ |H| が振幅特性、偏角が位相特性で、両方をまとめて周波数特性という。反転増幅器なら −Zf/Zi、デジタルフィルタなら H(z) で表す。

試験ではここ

令和8年7月期 基礎 問14 は反転増幅回路の伝達関数 −1/(jωCR) と −R/(jωL) を等しくおいて C = L/R²。1月期 工学A 問14 は 3 点移動平均の振幅特性 |(1 + 2cos ω)/3| と位相特性 −ω。1月期 基礎 問14 は帰還回路の伝達関数の虚部 = 0 から発振周波数を求める。

入力に正弦波を入れたとき、出力が何倍の大きさで、どれだけ位相がずれて出てくるかを、周波数ごとに表したものが伝達関数です。大きさの変化を見れば低域フィルタか高域フィルタかが分かり、位相を見れば遅れの量が分かります。

伝達関数・振幅特性・位相特性
H(j\omega) = \dfrac{\dot V_o}{\dot V_i} = |H(j\omega)|\,e^{\,j\theta(\omega)} \qquad G = 20\log_{10}|H|\ \text{〔dB〕}

|H| が振幅特性、θ(ω) が位相特性。電圧比なので dB は 20 log

入力の正弦波が回路 H(jω) を通って大きさと位相が変わった出力になる図
伝達関数は出力÷入力。大きさが振幅特性、ずれが位相特性
1 次 RC 低域フィルタ
H(j\omega) = \dfrac{1}{1 + j\omega CR} ,\qquad f_c = \dfrac{1}{2\pi CR}\;\left(|H| = \tfrac{1}{\sqrt2},\ -3\,\text{dB},\ \theta = -45^\circ\right)

fc より十分高い周波数では |H| ≒ 1/(ωCR) で、周波数が 10 倍になるごとに 20〔dB〕下がる

1次RC低域フィルタの振幅特性(fcで−3dB、以後−20dB/10倍)と位相特性(fcで−45°)
fc=1/(2πCR) で −3 dB・−45°
理想演算増幅器の反転増幅回路
\dfrac{\dot V_o}{\dot V_i} = -\dfrac{Z_f}{Z_i}

Zi は入力側、Zf は帰還側のインピーダンス。Zf = 1/(jωC)、Zi = R なら積分回路 −1/(jωCR)

典型問題の解き方(二つの回路の伝達関数を等しくする・令和8年7月期 問14)

手順

  1. 図 1 入力 R・帰還 C の反転増幅。H1 = −(1/(jωC))/R = −1/(jωCR)
  2. 図 2 入力 L・帰還 R の反転増幅。H2 = −R/(jωL)
  3. 等しくおく 1/(CR) = R/L より L = CR²
  4. 形を合わせる C について解くと C = L/R²(肢 5)。次元は H = Ω·s、F = s/Ω で一致

移動平均フィルタの周波数特性(令和8年1月期 工学A 問14)

  1. 伝達関数 H(z) = (1/3)(1 + z⁻¹ + z⁻²)。z = e^(jω) を代入
  2. くくり出す H = (1/3)e^(−jω)(e^(jω) + 1 + e^(−jω)) = (1/3)e^(−jω)(1 + 2cos ω)
  3. 読み取る 振幅特性 |(1 + 2cos ω)/3|、位相特性 −ω(直線位相)。ω = 0 で 1 なのでローパス、ω = 2π/3 で 0
ひっかけ

移動平均の位相は遅れなので −ω で、+ω ではありません。振幅を |(1 − 2cos ω)/3| とすると ω = 0 で 1/3 になり、直流を通す性質に合いません。L = R/C² のように次元が合わない肢は計算前に消せます。

先生の挿絵。移動平均フィルタの位相特性を +ω と書きかける受験生
移動平均の位相は −ω
ポイント

伝達関数の問題は「分母の虚部が 0 になる条件」(発振・共振)か「二つを等しくおく条件」のどちらかが多いです。どちらも式を作ったら実部と虚部を分けて見ます。

この用語を押さえる問題

一陸技 ・ 日本無線協会 令和8年7月期 無線工学の基礎 問14

図 1 に示す回路と図 2 に示す回路の伝達関数 (V̇o/V̇i) が等しくなる条件を表す式として、正しいものを下の番号から選べ。ただし、角周波数を ω〔rad/s〕とし、演算増幅器 AOP は理想的な特性を持つものとする。 R:抵抗〔Ω〕、C:静電容量〔F〕、L:自己イ...

正答: C = L/R²

正しい。理想演算増幅器の反転増幅回路の伝達関数は −(帰還インピーダンス)/(入力インピーダンス)。図1は −(1/(jωC))/R = −1/(jωCR)、図2は −R/(jωL)。両者が等しい条件は 1/(CR) = R/L、整理して L = CR²、すなわち C = L/R²。

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一陸技 ・ 日本無線協会 令和8年1月期 無線工学A 問14

次の記述は、デジタル信号処理等で用いられる移動平均フィルタの特性等について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、n は整数、ω を正規化角周波数、2 cos(ω)=e^(jω)+e^(−jω) とする。 (1) 移動平均フィルタ...

正答: A=ローパス B=|(1+2 cos(ω))/3| C=−ω

正答。H(e^(jω))=(1/3)(1+e^(−jω)+e^(−j2ω))=(1/3)e^(−jω)(e^(jω)+1+e^(−jω))=(1/3)e^(−jω)(1+2 cos ω)。よって振幅特性は |(1+2 cos ω)/3|、位相特性は θ(ω)=−ω(直線位相、1 サンプル遅延)。ω=0 で振幅 1、ω が大きくなると減少するので移動平均はローパス特性である。

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一陸技 ・ 日本無線協会 令和8年1月期 無線工学の基礎 問14

図に示す理想的な演算増幅器 (AOP) を用いたブリッジ形 CR 発振回路の発振周波数 fo を表す式及び発振状態のときの電圧帰還率 β (V̇f/V̇o) の値の組合せとして、正しいものを下の番号から選べ。 R、R1、R2:抵抗〔Ω〕、C:静電容量〔F〕、V̇o:出力電圧...

正答: fo = 1/(2πCR)〔Hz〕 β = 1/3

正しい。直列枝 Z1 = R + 1/(jωC)、並列枝 Z2 = R/(1+jωCR) とすると、帰還率 β = Z2/(Z1+Z2) = 1/(3 + j(ωCR − 1/(ωCR)))。虚部が 0、すなわち ωCR = 1 のとき位相が 0 で発振し、fo = 1/(2πCR)。そのとき β = 1/3 なので、増幅器側は 1 + R1/R2 = 3 の増幅度が必要である。

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問われた問題 8

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