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演算増幅器(反転・非反転・CR 発振) えんざんぞうふくき

一陸技

利得が非常に大きく、入力インピーダンスが無限大・出力インピーダンスが零とみなせる差動増幅器(オペアンプ、AOP)。負帰還をかけると利得が外付けの抵抗だけで決まる。反転・非反転増幅、積分回路、ウィーンブリッジ形 CR 発振回路の計算に使う。

試験ではここ

令和8年1月期 問14 はウィーンブリッジ形 CR 発振回路で fo = 1/(2πCR)、帰還率 β = 1/3 の組合せ。7月期 問14 は反転増幅の伝達関数 −Zf/Zi を使い、C の積分回路と L の回路が等しくなる条件 C = L/R² を導く計算。1月期 問20 の二重積分形 A-D 変換も積分回路の式 Vo = −(1/CR)∫Vi dt が土台です。

演算増幅器は「+入力と −入力の差を、ものすごく大きく増幅する箱」です。出力を −入力へ戻す(負帰還)と、出力は 2 つの入力の差が零になるところで落ち着きます。つまり +入力と −入力は同じ電位になり(仮想短絡)、入力には電流が流れません。この 2 つの約束だけで、利得も周波数特性も外付けの R と C の計算に変わります。

反転増幅と非反転増幅
反転増幅回路と非反転増幅回路。仮想短絡で −入力は +入力と同じ電位になる
反転・非反転増幅の利得
A_v = -\dfrac{R_2}{R_1} \ \text{(反転)}, \qquad A_v = 1 + \dfrac{R_2}{R_1} \ \text{(非反転)}

R1 は入力側、R2 は帰還抵抗。反転は出力が逆相で入力インピーダンスは R1。非反転は同相で入力インピーダンスが非常に高い。R2 = 0 の非反転は利得 1 のボルテージホロワ

インピーダンスで書いた反転増幅(伝達関数)
\dfrac{\dot V_o}{\dot V_i} = -\dfrac{\dot Z_f}{\dot Z_i}

Zi は入力側、Zf は帰還側のインピーダンス。Zi = R、Zf = 1/(jωC) なら −1/(jωCR)(積分回路)。Zi = jωL、Zf = R なら −R/(jωL)。両者が等しい条件は 1/(CR) = R/L、すなわち C = L/R²

積分回路と L を使った回路の伝達関数(令和8年7月期 問14)
令和8年7月期 問14。帰還に C を置いた積分回路と、入力に L を置いた回路の伝達関数が等しくなる条件は C = L/R²
積分回路の出力
v_o = -\dfrac{1}{CR}\int v_i\, dt

一定電圧 Vx を時間 T 加えると vo = −(Vx/CR)·T と直線で下がる。二重積分形 A-D 変換器は、この傾きが CR に依っても往復の時間比には CR が消えることを利用する

ウィーンブリッジ形 CR 発振回路(令和8年1月期 問14)
ウィーンブリッジ形 CR 発振回路。直列 CR と並列 CR の帰還回路(β)と、R1・R2 で利得 3 を作る非反転増幅器
ウィーンブリッジ形 CR 発振回路
f_o = \dfrac{1}{2\pi C R}, \qquad \beta = \dfrac{\dot V_f}{\dot V_o} = \dfrac{1}{3}, \qquad 1 + \dfrac{R_1}{R_2} \geq 3

直列 CR と並列 CR の分圧が帰還率 β。ωCR = 1 で位相差 0、そのとき β = 1/3 に落ちるので、増幅器の利得をちょうど 3 以上にする(Aβ ≥ 1)。CR に平方根は付かない(√ が付くのは LC 共振)

典型問題の解き方(ウィーンブリッジの fo と β を導く)

手順

  1. 帰還回路のインピーダンス 直列枝 Z1 = R + 1/(jωC)、並列枝 Z2 = R/(1 + jωCR)
  2. 帰還率を書く β = Z2/(Z1 + Z2)。分子分母に (1 + jωCR) を掛けて整理すると β = 1/{3 + j(ωCR − 1/(ωCR))}
  3. 発振の位相条件 正帰還なので β の位相が 0、すなわち虚部 ωCR − 1/(ωCR) = 0 → ωCR = 1 → ω = 1/(CR)
  4. 発振周波数 fo = ω/(2π) = 1/(2πCR)
  5. 振幅条件 ωCR = 1 のとき β = 1/3。Aβ ≥ 1 より増幅度 A = 1 + R1/R2 = 3 以上、つまり R1 = 2R2
ひっかけ

fo = 1/(2πCR) に √ を付けた肢、2π を π にした肢が並びます。β は 1/2 ではなく 1/3 です。反転増幅の利得は −R2/R1 で、非反転は 1 + R2/R1(1 が付く)。仮想短絡は「同じ電位になる」だけで、実際に配線がつながっているわけではなく、電流も流れません。積分回路は帰還側が C、微分回路は入力側が C で、取り違えに注意してください。

上部の看板「仮想短絡:2 つの入力は同じ電位、入力に電流は流れない
入力には電流が流れず、2 つの入力は同じ電位。あとは R と C の割り算

この用語を押さえる問題

一陸技 ・ 日本無線協会 令和8年1月期 無線工学の基礎 問14

図に示す理想的な演算増幅器 (AOP) を用いたブリッジ形 CR 発振回路の発振周波数 fo を表す式及び発振状態のときの電圧帰還率 β (V̇f/V̇o) の値の組合せとして、正しいものを下の番号から選べ。 R、R1、R2:抵抗〔Ω〕、C:静電容量〔F〕、V̇o:出力電圧...

正答: fo = 1/(2πCR)〔Hz〕 β = 1/3

正しい。直列枝 Z1 = R + 1/(jωC)、並列枝 Z2 = R/(1+jωCR) とすると、帰還率 β = Z2/(Z1+Z2) = 1/(3 + j(ωCR − 1/(ωCR)))。虚部が 0、すなわち ωCR = 1 のとき位相が 0 で発振し、fo = 1/(2πCR)。そのとき β = 1/3 なので、増幅器側は 1 + R1/R2 = 3 の増幅度が必要である。

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一陸技 ・ 日本無線協会 令和8年7月期 無線工学の基礎 問14

図 1 に示す回路と図 2 に示す回路の伝達関数 (V̇o/V̇i) が等しくなる条件を表す式として、正しいものを下の番号から選べ。ただし、角周波数を ω〔rad/s〕とし、演算増幅器 AOP は理想的な特性を持つものとする。 R:抵抗〔Ω〕、C:静電容量〔F〕、L:自己イ...

正答: C = L/R²

正しい。理想演算増幅器の反転増幅回路の伝達関数は −(帰還インピーダンス)/(入力インピーダンス)。図1は −(1/(jωC))/R = −1/(jωCR)、図2は −R/(jωL)。両者が等しい条件は 1/(CR) = R/L、整理して L = CR²、すなわち C = L/R²。

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一陸技 ・ 日本無線協会 令和8年1月期 無線工学の基礎 問20

次の記述は、図に示す原理的な二重積分形 A-D 変換回路の動作について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、積分回路は、演算増幅器 (AOP)、抵抗 R〔Ω〕、静電容量 C〔F〕を用いて、理想的に動作するものとし、初期状態で出力...

正答: A=No/fc B=Nx/fc C=Nx/No

正しい。積分回路の出力は Vo = −(1/CR)∫Vin dt なので、一定の Vx を時間 T 加えると Vox = −(Vx/CR)T。パルス数 No に要する時間は T1 = No/fc(A)。次に逆極性の Vs を時間 T2 = Nx/fc(B)加えると Vo が 0 に戻るので、−(Vx/CR)(No/fc) + (Vs/CR)(Nx/fc) = 0。整理すると Vx·No = Vs·Nx、Vx = (Nx/No)×Vs(C)。R、C、fc が式から消えるので、素子値の精度に依らず変換できるのが二重積分形の特長である。

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問われた問題 3

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