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指示電気計器の種類と特徴 しじでんきけいき

一陸技

指針の振れで電圧・電流を読む計器の分類。可動コイル形(直流、平均値)、可動鉄片形・電流力計形・熱電対形(交直両用、実効値)、整流形(交流、平均値に波形率 1.11 を掛けて実効値目盛)、静電形(高電圧)、誘導形(交流専用、電力量計)。何を指示するかが問われる。

試験ではここ

令和8年1月期 問17 は各計器の特徴の正誤で、誤りは「熱電対形は波形にかかわらず最大値を指示する」(正しくは実効値)。7月期 問17 は整流形電流計の穴埋めで、可動コイル形は整流電流の「平均値」を指示し、目盛は正弦波の「実効値」が読めるよう平均値に「波形率」(≒ 1.11)を乗じてある。正弦波以外では誤差が出ます。

計器の指針は、電流が作る力で動きます。力が電流に比例する計器は、交流を入れると平均(零)になって振れません。力が電流の 2 乗に比例する計器は、交流でも一方向に振れ、しかも 2 乗平均、つまり実効値を示します。「力が電流の何乗か」を考えると、直流用か交直両用か、平均値か実効値かが決まります。

指示電気計器の種類
主な指示計器の一覧。動作原理・直流/交流・指示する値・用途を並べた表

計器の種類と指示する値

  1. 永久磁石可動コイル形 永久磁石の磁界中のコイルに流れる電流に比例するトルク。直流専用、平均値を指示。感度が高く目盛が均等。交流を測るには整流形にする
  2. 可動鉄片形 固定コイルの磁界で鉄片を吸引・反発。トルクは電流の 2 乗に比例し、交直両用で実効値。丈夫で安価、商用周波の配電盤用。目盛は 2 乗目盛(下が詰まる)
  3. 電流力計形 固定コイルと可動コイルの電流の積に比例するトルク。交直両用、実効値。固定コイルに負荷電流・可動コイルに電圧比例電流を流せば電力計になる
  4. 整流形 ダイオードのブリッジで整流し、可動コイル形で平均値を指示。目盛は正弦波の波形率 1.11 を掛けて実効値で読めるようにしてある。正弦波以外は誤差。高周波まで使える
  5. 熱電対形 電流で熱線を加熱し、熱電対の起電力を可動コイル形で読む。発熱は電流の 2 乗に比例するので波形にかかわらず実効値。高周波の電流測定に向くが過負荷に弱い
  6. 静電形 電極間の静電力を利用。電流をほとんど消費せず、直流・交流の高電圧測定に用いる。実効値
  7. 誘導形 交流の移動磁界で円板に渦電流を誘導しトルクを得る。交流専用。積算の電力量計
正弦波の平均値・実効値・最大値
V_{av} = \dfrac{2}{\pi} V_m \fallingdotseq 0.637 V_m, \qquad V_{rms} = \dfrac{V_m}{\sqrt{2}} \fallingdotseq 0.707 V_m

平均値は全波整流した波形の平均。整流形計器の可動コイルが振れるのはこの値

波形率と波高率
\text{波形率} = \dfrac{V_{rms}}{V_{av}} = \dfrac{\pi}{2\sqrt{2}} \fallingdotseq 1.11, \qquad \text{波高率} = \dfrac{V_m}{V_{rms}} = \sqrt{2} \fallingdotseq 1.41

整流形計器の目盛は「平均値 × 波形率」。方形波は波形率 1、三角波は 1.155 なので、正弦波用の目盛で読むと誤差になる

整流形電流計(令和8年7月期 問17)
令和8年7月期 問17 の整流形電流計。ブリッジの 4 個のダイオードで全波整流し、可動コイル形 Aa がその平均値で振れる
正弦波の最大値・実効値・平均値
正弦波の最大値・実効値・平均値の関係。計器ごとにどの高さを指すかを重ねて示す

典型問題の解き方(整流形電圧計で最大値 10〔V〕の方形波を測ったときの指示)

手順

  1. 計器が感じる値 可動コイル形は整流後の平均値で振れる。方形波(±10〔V〕)を全波整流すると常に 10〔V〕なので平均値は 10〔V〕
  2. 目盛の換算 目盛は正弦波用で、平均値 × 1.11 を表示する。指示 = 10 × 1.11 = 11.1〔V〕
  3. 本当の実効値 方形波の実効値は 10〔V〕(波形率 1)
  4. 誤差 11.1 − 10 = 1.1〔V〕、約 11〔%〕大きく指示する。熱電対形や可動鉄片形なら波形に関係なく 10〔V〕を示す
ひっかけ

熱電対形が示すのは「実効値」で、「最大値」とした肢が誤りです。可動コイル形に交流を直接入れると振れません(平均が零)。整流形は「平均値」を感じて「実効値」の目盛を付けた計器で、掛ける係数は波形率(1.11)であって波高率(√2)ではありません。誘導形は「交流専用」、静電形は「高電圧用・消費電流がほぼ零」、電流力計形は「電力計」が定番の対応です。

上部の看板「力が電流の 2 乗なら実効値、1 乗なら平均値
力が電流の 2 乗なら実効値、1 乗なら平均値。整流形は平均値に 1.11 を掛けて実効値のふりをする

この用語を押さえる問題

一陸技 ・ 日本無線協会 令和8年1月期 無線工学の基礎 問17

次の記述は、指示電気計器の一般的な特徴について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。

正答: 熱電対形計器は、波形にかかわらず最大値を指示する。

誤り。これが正答。熱電対形計器は被測定電流で熱線を加熱し、その温度上昇を熱電対の起電力で測る。発熱は電流の 2 乗に比例するので、波形にかかわらず指示するのは最大値ではなく実効値である。

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一陸技 ・ 日本無線協会 令和8年7月期 無線工学の基礎 問17

次の記述は、図に示す整流形電流計について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、ダイオード D は理想的な特性を持つものとする。なお、同じ記号の[ ]内には、同じ字句が入るものとする。 (1) 整流形電流計は、永久磁石可動コイル形...

正答: A=平均値 B=実効値 C=波形率

正しい。永久磁石可動コイル形計器はトルクが電流に比例し、可動部の慣性で脈動には追従できないため、全波整流された電流の平均値を指示する。交流計器は実効値で読みたいので、目盛は平均値に正弦波の波形率(実効値/平均値 = (1/√2)/(2/π) = π/(2√2) ≒ 1.11)を乗じた値で刻んである。したがって正弦波以外の波形では誤差を生じる。

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一陸技 ・ 日本無線協会 令和8年7月期 無線工学の基礎 問18

図に示すように、直流電圧計 V₁、V₂ 及び V₃ を直列に接続したとき、それぞれの電圧計の指示値 V₁、V₂ 及び V₃ の和の値から測定できる端子 ab 間の電圧 Vab の最大値として、正しいものを下の番号から選べ。ただし、それぞれの電圧計の最大目盛値及び内部抵抗は、...

正答: 260〔V〕

正しい。直列接続では共通の電流 I が流れ、各電圧計の指示は I×内部抵抗。振り切れる電流は V₁ が 50/20k = 2.5〔mA〕、V₂ が 100/200k = 0.5〔mA〕、V₃ が 300/300k = 1〔mA〕なので、V₂ の 0.5〔mA〕が上限。このとき Vab = 0.5〔mA〕×(20+200+300)〔kΩ〕= 260〔V〕(内訳 10+100+150〔V〕)。

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問われた問題 3

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