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スペクトルアナライザによる測定(変調度・占有帯域・スプリアス) すぺくとるあならいざ

4アマ 3アマ 三陸特 二陸特 一陸技

横軸を周波数、縦軸をレベル〔dB〕にして信号のスペクトルを表示する測定器。掃引型は局部発振器を掃引するスーパヘテロダイン受信機で、分解能帯域幅(RBW)のフィルタで各周波数の電力を拾う。AM の変調度、FM の周波数偏移、占有周波数帯幅、スプリアスの測定に使う。

試験ではここ

令和8年7月期 工学A 問18。AM の側帯波の振幅 S=ma A/2 から ma=2S/A。搬送波と側帯波の差が 12〔dB〕なら A/S=10^0.6=4 で ma=0.5(50〔%〕)。令和8年1月期 問1 は FM で搬送波が零になる変調指数 2.4(J0 の零点)から偏移を求める。dB 差は振幅なので 20 log。

オシロスコープが「時間と振幅」を見るのに対し、スペクトルアナライザは「周波数とレベル」を見ます。中身は受信機で、局部発振器の周波数を左から右へ掃引しながら、狭い帯域のフィルタ(RBW)を通った電力を縦軸に描きます。搬送波と側帯波が別々の線に見えるので、線の高さの差〔dB〕から変調度や偏移が計算 できます。

掃引型スペクトルアナライザの構成
掃引型スペクトルアナライザの構成。局部発振器を掃引して各周波数を順に IF に落とし、RBW フィルタと検波で電力を描く

測定条件の決め方

  1. RBW(分解能帯域幅) 狭いほど近接した線を分けられ、表示される雑音レベルは 10 log(RBW) で下がる。ただし掃引時間は RBW² に反比例して長くなる
  2. VBW(ビデオ帯域幅) 検波後の平滑。狭くすると雑音の表示がなめらかになる
  3. 入力減衰器 レベルが高すぎると内部のミキサで相互変調が起きて偽のスプリアスが出る。減衰器を変えて見え方が変わらないことを確かめる
  4. dB の読み 縦軸は電力〔dBm〕。2 本の線の差〔dB〕を振幅比にするときは 20 log、電力比なら 10 log(同じ抵抗なら両者は一致する)
AM 波のスペクトルと変調度
AM 波のスペクトル。搬送波 A の両側 fm に側帯波 ma A/2。差 D〔dB〕から ma=2×10^(−D/20)
AM の変調度(スペクトル法)
S = \dfrac{m_a A}{2}\ \Rightarrow\ m_a = \dfrac{2S}{A} = 2\times 10^{-\frac{D}{20}}

A は搬送波の振幅、S は片側の側帯波の振幅、D は画面で読んだ搬送波と側帯波の差〔dB〕。D=6 で 100〔%〕、12 で 50〔%〕、20 で 20〔%〕、26 で 10〔%〕

FM の変調指数(搬送波零点法)
m_f = \dfrac{\Delta f}{f_m},\qquad J_0(m_f) = 0 \ \text{at}\ m_f \approx 2.40,\ 5.52,\ 8.65

搬送波の振幅は J0(mf) に比例する。変調信号の振幅を上げて最初に搬送波が消えたとき mf=2.4、つまり Δf=2.4 fm。変調器の直線性の確認や偏移の校正に使う

FM 波の搬送波零点法(J0 の零点)
FM 波の搬送波零点法。mf を上げると搬送波(J0)は 2.4 で最初に零になり、側帯波が増えていく

典型問題の解き方(搬送波と側帯波の差 12〔dB〕のときの AM 変調度)

手順

  1. 式を立てる 側帯波の振幅 S=ma A/2 なので ma=2S/A
  2. dB を振幅比に直す 20 log10(A/S)=12 → log10(A/S)=0.6=2×0.3 → A/S=2²=4
  3. 代入 S/A=1/4、ma=2×1/4=0.5
  4. 答え 変調度 50 %。10 log で解くと A/S≒16 で 12.5 % になってしまう(誤り)

占有周波数帯幅とスプリアスの測定

  1. 占有周波数帯幅 全電力の 99〔%〕が入る幅(上下 0.5〔%〕ずつ外に出る)。スペアナの帯域内電力積分機能で測る。RBW は帯幅の 1〜3〔%〕程度に細かく
  2. スプリアス 搬送波に対する比〔dBc〕で読む。帯域外領域と スプリアス領域で許容値が違う。高調波は 2fc、3fc を順に見る
  3. 送信機の測定 直接入れると壊れるので結合器や減衰器で −10〔dBm〕程度に落とす。減衰量を足し戻してレベルを読む
ひっかけ

側帯波の振幅は ma A/2(半分) なので、変調度は S/A ではなく 2S/A です。係数 2 を忘れると 25〔%〕の肢を選びます。dB 差は振幅の比なので 20 log で、10 log にすると 10〔%〕前後の誤った値になります。FM で搬送波が消える変調指数は 2.4 で、3 ではありません。

上部の看板「スペアナの dB 差は 20 log
スペアナは周波数×dB。AM は 2S/A、12 dB 差で 50〔%〕。FM は mf=2.4 で搬送波が消える

この用語を押さえる問題

一陸技 ・ 日本無線協会 令和8年7月期 無線工学A 問18

次の記述は、スペクトルアナライザを用いた AM(A3E)送信機の変調度測定の一例について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、搬送波振幅を A〔V〕、搬送波周波数を fc〔Hz〕、変調信号周波数を fm〔Hz〕、変調度を ma×...

正答: A=2S/A B=50

正答。側帯波の振幅 S=ma A/2 より ma=2S/A。振幅差 12 dB は 20 log10(A/S)=12 → A/S=10^0.6=10^(0.3×2)=2²=4 なので S/A=1/4。よって ma=2×1/4=0.5、変調度は 50 % となる。

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一陸技 ・ 日本無線協会 令和8年1月期 無線工学A 問1

最大周波数偏移が入力信号のレベルに比例する FM(F3E)変調器に 400〔Hz〕の正弦波を変調信号として入力し、その出力をスペクトルアナライザで観測した。変調信号の振幅を零から徐々に大きくしたところ、1〔V〕で搬送波の振幅が零となった。図に示す第1種ベッセル関数のグラフを...

正答: 2〔V〕

正答。搬送波の振幅は J0(mf) に比例し、グラフから J0 が最初に零になるのは mf≒2.4 である。変調信号 1 V で搬送波が零になったので、このとき mf=Δf/fm=2.4、すなわち Δf=2.4×400≒960 Hz。最大周波数偏移は入力振幅に比例するので、Δf=1,920 Hz(mf=4.8)にするには 1,920/960=2 倍の振幅、すなわち 2 V が必要である。

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問われた問題 4

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