無線通信ブートラボ

3アマと4アマの違い|できること・試験の難易度・勉強法

公開 3アマ 4アマ

3アマは4アマに比べて、空中線電力が50Wまで上がり、18MHz帯が使え、モールス符号の通信ができます。試験で増えるのはモールス・国際法規・測定器で、4アマに受かる力があれば追加分の勉強で届きます。

3アマと4アマの違いを、空中線電力・18MHz帯・モールスの3点で示した先生の挿絵
3アマで増えるのは、50W・18MHz帯・モールスの3つ

第三級アマチュア無線技士(3アマ)と第四級(4アマ)の違いは、空中線電力が50Wまで上がる、18MHz帯が使える、モールス符号による通信操作ができるの3点に集約されます。試験は4アマより問題数が増え、法規に国際法規とモールス符号、無線工学に測定器が加わりますが、範囲の大半は4アマと重なります。

この記事では、電波法施行令の条文で両者の操作範囲を比べ、3アマ試験の形式と難しさ、4アマを持っている人が最短で3アマに上がる方法と勉強の順番を説明します。

3アマと4アマの違い:できることを条文で比べる

無線従事者が操作できる範囲は、電波法第40条第2項を受けて電波法施行令第3条が資格ごとに定めています。アマチュア無線技士の範囲は同条第3項です。条文の言葉をそのまま表にすると次のとおりです。

操作の範囲(電波法施行令第3条第3項)

4アマ3アマ
8MHz以下10W以下50W以下
8MHzを超え18MHz未満操作できない操作できない
18MHz以上21MHz未満操作できない50W以下
21MHzから30MHzまで10W以下50W以下
30MHzを超える周波数20W以下50W以下
モールス符号による通信操作できないできる
周波数軸の上に4アマと3アマの操作できる範囲と空中線電力を帯で示した図
4アマは8MHz以下・21MHz以上。3アマは18MHz以上に広がり、電力は一律50W以下

4アマの条文は「21MHzから30MHzまで又は8MHz以下は10W以下」「30MHzを超える周波数は20W以下」の2段構えで、最後に「モールス符号による通信操作を除く」と付いています。3アマの条文は「空中線電力50W以下の無線設備で18MHz以上又は8MHz以下の周波数の電波を使用するもの」の1文だけで、モールスの除外がありません。

つまり3アマで新しく使えるようになる周波数は18MHz以上21MHz未満の部分で、アマチュアの周波数でいえば18MHz帯です。8MHzを超え18MHz未満(10MHz帯・14MHz帯)は3アマでも操作できず、ここを使うには2アマ以上が必要です。

ひっかけ

「3アマは18MHz以上が使える」を「4アマは21MHz以上しか使えない」と混同しないこと。4アマも8MHz以下は使えます。違いは18MHz以上21MHz未満と、電力の上限と、モールスです。試験では10W・20W・50Wの組み合わせを入れ替えた肢がよく並びます。

電力の差は実際の運用で効きます。HF(短波)の8MHz以下と21〜30MHzで10Wから50Wへ、VHF・UHFで20Wから50Wへ上がります。なお、資格が上がっても無線局の免許の内容は自動では変わりません。空中線電力や周波数を増やすときは、局の指定事項の変更や無線設備の変更の手続きが必要です。関東総合通信局の案内では、変更の申請・届出そのものに手数料はかかりません。

3アマ試験の内容:科目・問題数・合格基準

3アマの国家試験は4アマと同じく、日本無線協会がCBT方式で年間を通じて実施しています。申し込みはCBTソリューションズのサイトから行い、最初の試験日は申請の日から14日以降の日を選びます。違うのは問題数・試験時間・合格点と手数料です。

3アマと4アマの国家試験の比較

4アマ3アマ
法規12問・60点中40点以上16問・80点中55点以上
無線工学12問・60点中40点以上14問・70点中45点以上
試験時間2科目で1時間2科目で1時間10分
必要な正解数(1問5点)法規8問・工学8問法規11問・工学9問
試験手数料5,700円6,000円
4アマと3アマの国家試験の問題数・合格に必要な正解数・試験時間と、増える出題範囲を並べた図
問題数は少し増えるが、合格に必要な正答率はほぼ同じ

合格は科目ごとに判定されます。3アマの法規は16問中11問、落とせるのは5問までで、正答率でいえば約69%が必要です。4アマの法規(12問中8問、約67%)とほぼ同じ水準です。無線工学は14問中9問で約64%と、比率では4アマより少しだけ低くなります。

出題範囲は無線従事者規則で決まっていて、4アマとの差は条文の言葉にそのまま出ています。

4アマから3アマで増える出題範囲

日本無線協会の3アマのCBT例題を見ると、法規では、モールス無線通信で誤った送信をしたときの措置や、呼出しの手順、文字列をモールス符号で表したものを選ぶ問題、無線通信規則での日本の地域区分、アマチュア局に禁止されていない伝送などが出ています。無線工学ではSWRメータなど測定器の使い道や、HF帯の電波の伝わり方、BFO(ビート周波数発振器)の働きなど、電信と短波を意識した問題が増えています。

ポイント

3アマの試験にモールスの実技(聞き取り・打鍵)はありません。CBTの多肢選択式で、符号を「読めるか」と通信の手順を知っているかが問われます。

3アマの難易度:4アマから何が難しくなるか

総務省の統計では、令和6年度(2024年度)の国家試験の合格率は3アマが79.0%(受験1,971人・合格1,557人)、4アマが74.6%でした。数字の上では大きな差はありません。合格率は受ける人の顔ぶれでも変わるので、ここからは試験の作りから難しさを見積もります。

結論からいうと、4アマに受かる力があれば、3アマの追加分は数日〜2週間程度の勉強で届く量です。理由は3つあります。1つ目は、合格に必要な正答率が4アマとほぼ同じであること。2つ目は、出題範囲の大部分が4アマと重なり、増える分野が「国際法規」「モールス」「測定器」とはっきりしていること。3つ目は、計算問題が4アマと同じく初歩の範囲にとどまることです。

ただし、つまずきやすい点もはっきりしています。モールス符号は、アルファベット26文字と数字10個の符号を覚えていないと、符号を選ぶ問題を確実には取れません。例題(No.1)ではこの形式が2問続けて出ているので、捨てると法規の余裕がほとんどなくなります。国際法規は、なじみのない「地域区分」「禁止される伝送」といった言葉が出てくるので、用語の意味から入る必要があります。

難しさの見積もり

  • 4アマと共通の範囲 電波法の免許・運用・監督、電波の型式、無線工学の基礎・送受信機・アンテナ・電波伝搬・電源。ここは4アマの知識がそのまま使える
  • 3アマで増える範囲 モールス符号と電信の通信手順、無線通信規則などの国際法規、測定器。ここが追加の勉強の中心
  • 問題数の増加 法規は12問→16問、無線工学は12問→14問。1問あたりの時間はほぼ同じ
試験ではここ

3アマでは「モールス無線通信」の運用規則の問題(誤送信の訂正、呼出しが自局宛か不確実なときの対応など)が出ます。無線電話の手順と似ていますが、送る略符号が違います。4アマで覚えた無線電話の手順と取り違えないように、対で覚えてください。

4アマから3アマへ:取り方と費用

4アマを持っている人には、国家試験のほかに養成課程の短縮コースがあります。3アマの養成課程の授業時間は無線従事者規則で無線工学6時間以上・法規10時間以上ですが、4アマの免許を持っている人向けの短縮コースは、JARDもQCQ企画も法規4時間・無線工学2時間の1日で組んでいます。

3アマの取り方の比較(2026年10月30日時点)

国家試験(CBT)短縮コース講習会eラーニング
対象誰でも4アマ(旧・電話級)を持っている人と相当資格の人JARDは無資格からも受講可、QCQ企画は4アマを持っている人
費用試験手数料6,000円+免許申請手数料(電子1,750円・書面2,050円)JARD 15,250円。QCQ企画は2027年1月1日以降開催分が一般22,000円JARD 一般28,450円・4アマ所持者15,250円。QCQ企画は2026年11月1日以降申込で一般22,000円
日数試験1時間10分1日(法規4時間・無線工学2時間)+修了試験最長3か月(JARD)/最長90日(QCQ企画)+CBT会場で修了試験

費用の差は4アマのときより小さくなります。国家試験は6,000円+免許申請手数料、短縮コースは1万5千円〜2万2千円ほどです。1日で確実に終わらせたいなら短縮コース、追加分を自分で勉強できるなら国家試験、という選び方になります。

これから資格を取る人で、最初から3アマを目指す道もあります。JARDの3アマeラーニングは無資格から受講でき、4アマの範囲も学習内容に含んでいます。一般の受講料は28,450円です。4アマの講習会を受けてから3アマの短縮コースを受けるのと、どちらが安いかは受講料の改定で変わるので、申し込む時点の額で比べてください。

ひっかけ

QCQ企画では、同社の4アマ標準コースを修了していれば、免許証が届く前でも3アマ短縮コースに申し込めると案内しています。ただし短縮コースの当日には4アマの無線従事者免許証の確認があるので、講習日までに免許証が届いているかは確認しておきましょう。

4アマから3アマへのステップアップ勉強法

4アマ合格から間を置かずに3アマを受けるのが、いちばん少ない勉強量で済みます。4アマで覚えた法規の数字や工学の基礎が残っているうちに、追加分だけを上乗せするからです。

追加分を固める順番

  1. 1. モールス符号を覚える まず数字10個(1〜5は点が先に増え、6〜0は線が先に増える規則がある)、次にアルファベットを、短い符号の文字から覚える。毎日5分、文字を見て符号を書く・符号を見て文字を書くを往復する
  2. 2. 電信の運用手順を覚える 呼出し・応答・誤送信の訂正・呼出しが不確実なときの対応など。無線電話の手順と並べて違いを表にする
  3. 3. 国際法規の用語を押さえる 無線通信規則の地域区分、禁止される伝送、アマチュア業務の定義。用語の意味が分かれば選択肢は絞れる
  4. 4. 測定器と短波の工学を足す SWRメータ、ディップメータ、BFO、HF帯の電離層伝搬。4アマの工学と重なる部分はさっと復習
  5. 5. 例題で通しを解く 法規16問・工学14問を1時間10分で解き、法規11問・工学9問を安定して超えるか確かめる

モールス符号は「全部覚えてから問題を解く」より、例題の符号問題を解きながら覚えるほうが早く身につきます。符号を選ぶ問題は、1文字ずつ照らし合わせれば時間内に解けるので、完璧な暗記でなくても「点と線の並びを読み違えない」ことを優先してください。

ブートラボでの進め方

ブートラボの3アマの演習には、日本無線協会が公表しているCBT例題3回分(法規16問×3、無線工学14問×3)と、ブートラボが作ったオリジナル問題3回分(例題と同じ形式・同じ範囲、法規16問×3・無線工学14問×3)が入っています。3アマは本試験の過去問が公表されていないため、本試験の問題は収録しておらず、量を補うためにオリジナル問題を作っています。

  • 演習(CBT例題・オリジナル問題) 1問ずつ解いて、肢ごとの解説で根拠を確認する。間違えた問題だけを解き直す設定もできる
  • 本試験形式の通し 法規16問・無線工学14問を科目ごとに1回分ずつ、終わるまで正誤を出さずに解き、合格ライン(法規11問・工学9問)と比べる
  • SRS復習 間違えた問題を間隔をあけて出し直す。モールス符号の問題の反復に向いている
  • 用語集 操作の範囲、モールス符号、Q符号、略符号、無線通信規則、禁止される伝送などを図付きで説明
  • 講義「作ってわかる AM 受信機」 受信機を一段ずつ組み立てる全16回。BFOやAGCなど、3アマの工学で出る受信機の仕組みの土台になる

4アマを持っている人は、まず3アマの例題を1回分解いて、4アマの知識だけで何点取れるかを確かめてください。落とした問題がモールス・国際法規・測定器に集中していれば、それが追加で勉強すべき範囲そのものです。

よくある質問

3アマと4アマの一番大きな違いは何ですか?

空中線電力の上限が50Wに上がること、18MHz帯(18MHz以上21MHz未満)が使えること、モールス符号による通信操作ができることの3点です。いずれも電波法施行令第3条第3項で定められています。

3アマの試験にモールスの実技はありますか?

ありません。3アマの国家試験はCBTの多肢選択式で、法規の中でモールス符号の読み取りや電信の通信手順が問われます。

3アマの過去問は公開されていますか?

公開されていません。3アマはCBT方式のため、日本無線協会が公表しているのは例題です。ブートラボでは例題に加えて、同じ形式・同じ範囲のオリジナル問題を3回分用意しています。

3アマを取ればすぐ50Wで運用できますか?

資格が上がっても無線局の免許の内容は自動では変わりません。空中線電力や周波数を増やすには、局の指定事項の変更や無線設備の変更の手続きが必要です。

4アマを飛ばして3アマを直接受けられますか?

受けられます。3アマの国家試験を受けるのに4アマの資格は要りません。JARDの3アマeラーニングも無資格から受講でき、4アマの範囲を含めて学習します。

過去問を1問ずつ、解説つきで。無線通信ブートラボは無料で始められます。

参考にした資料

ほかの記事