4アマは、国家試験(CBT)・講習会・eラーニングのどれでも取れます。費用を抑えるなら国家試験(手数料5,700円、各科目12問中8問以上で合格)、日程を確実にしたいなら2日間の講習会です。

第四級アマチュア無線技士(4アマ)の取り方は、国家試験(CBT)に合格する、養成課程の講習会を受けて修了試験に合格する、養成課程のeラーニングを受けて修了試験に合格するの3通りです。どのルートでも、最後に総合通信局へ無線従事者免許を申請して免許証を受け取る点は同じで、免許証そのものに違いはありません。
違いは「お金」と「時間の縛り」と「自分で勉強する量」です。国家試験は手数料が5,700円と最も安い一方、合格するまでの勉強は自分で組み立てます。養成課程は受講料が数万円かかりますが、法令で決められた時間の授業を受ければ、同じ講習の中で修了試験まで進めます。この記事では3つを数字で比べ、試験の中身、勉強法、免許を取ってから無線局を開くまでの流れを順に説明します。
4アマの取り方は3つ。まず比較表で選ぶ
最初に結論を表にまとめます。受講料は2026年10月30日時点で各実施団体のサイトに出ている額です。養成課程の受講料は改定が続いているので、申し込む前に必ず最新の額を確認してください。
4アマの取り方の比較(2026年10月30日時点)
| 国家試験(CBT) | 講習会(養成課程) | eラーニング(養成課程) | |
|---|---|---|---|
| 実施 | 日本無線協会(会場運営はCBTソリューションズ) | JARD、QCQ企画など | QCQ企画 |
| 費用 | 試験手数料5,700円+免許申請手数料(電子1,750円・書面2,050円) | JARD 一般26,250円・18歳以下14,150円(免許申請手数料込み)。QCQ企画は2027年1月1日以降開催分が一般33,550円 | QCQ企画 2026年11月1日以降の申込は一般33,550円・20歳未満19,800円 |
| 日数・時間 | 試験1時間(法規12問・工学12問) | 2日間(法規6時間・無線工学4時間)+修了試験 | 最長90日の受講期間(法規6時間・無線工学4時間)+CBT会場で修了試験 |
| 合格の条件 | 法規・工学とも60点中40点以上 | 修了試験 法規・工学とも10問中6問以上(QCQ企画の案内) | 修了試験 法規・工学とも10問中6問以上(QCQ企画の案内) |
| 向いている人 | 費用を抑えたい・自分で勉強できる | 2日で確実に終わらせたい | 日程を自分で決めたい・会場に通えない |
費用だけを見れば国家試験が圧倒的に安く、講習会やeラーニングとの差は2万円以上あります。その差で買っているのは「授業」と「日程の確実さ」です。講習会は2日間座って授業を受ければ、最後の修了試験は授業の範囲から出ます。QCQ企画は修了試験に不合格でも講習会を無料で再受講できると案内しています。
国家試験は申し込めばいつでも受けられるわけではなく、最初の試験日は申請の日から14日以降の日を選びます。逆に言えば、2週間あれば受験できます。過去の例題を解いて「8割は取れる」と分かっている人なら、国家試験がいちばん早くて安い道です。
迷ったら、日本無線協会が公表しているCBT例題を1回分解いてみてください。12問中8問以上を時間内に取れそうなら国家試験、まったく歯が立たず一人で勉強を続ける自信がなければ講習会、という分け方が現実的です。
国家試験(CBT)の中身:科目・問題数・合格基準
4アマの国家試験は、日本無線協会がCBT方式(コンピュータで解く方式)で年間を通じて実施しています。全国のテストセンターで、空いている日時を選んで受験します。紙の試験のように年に数回の試験日を待つ必要はありません。
4アマ国家試験の形式
| 内容 | |
|---|---|
| 科目 | 無線工学・法規の2科目 |
| 問題数 | 無線工学12問・法規12問(多肢選択式) |
| 試験時間 | 2科目あわせて1時間 |
| 合格基準 | 各科目60点満点で40点以上(1問5点なので12問中8問以上) |
| 試験手数料 | 5,700円(別に払込の手数料がかかる) |

合格基準は科目ごとです。試験の終わりに画面に表示される点数は法規と無線工学の合計ですが、合格には両方の科目がそれぞれ基準に達している必要があります。法規で満点を取っても、工学が7問正解なら不合格です。なお、陸上無線技術士などにある「科目合格」の制度(合格した科目を次回免除する仕組み)は、アマチュア無線技士にはありません。落ちたら2科目とも受け直しです。
出題範囲は無線従事者規則で決まっています。無線工学は「無線設備の理論、構造及び機能の初歩」「空中線系等の理論、構造及び機能の初歩」「無線設備及び空中線系の保守及び運用の初歩」、法規は「電波法及びこれに基づく命令の簡略な概要」です。どちらも「初歩」「簡略な概要」という言葉どおり、計算は簡単なものが少し出る程度です。
申し込みから結果までの流れ
- 申請 CBTソリューションズのサイトからインターネットだけで申し込む。顔写真を電子的に登録する
- 日程を選ぶ 最初の試験日は申請の日から14日以降。申請日から120日以降の日は選べない
- 当日 開始30分前から15分前までに集合。顔写真付きの本人確認書類が必要。途中退室すると再入室できない
- 結果 終了後に自動計算の点数が表示され、正式な結果はおおむね2週間以内にメールで届く。試験結果通知書(PDF)をダウンロードしてから免許を申請する
日程の変更とキャンセルは試験日の3日前まで。それを過ぎると変更もキャンセルもできません。また、試験問題もメモも持ち帰れないので、「あとで復習しよう」と問題を控えておくことはできません。
講習会とeラーニング(養成課程)の中身
養成課程は、総合通信局長の認定を受けた団体が、法令で決められた授業時間を実施し、修了試験に合格した人に修了証明書を出す仕組みです。4アマの授業時間は無線従事者規則で無線工学4時間以上・法規6時間以上と定められていて、講習会もeラーニングもこの時間数で組まれています。修了試験に合格すれば国家試験は受けずに免許を申請できます。
講習会は2日間の集合形式です。JARD(日本アマチュア無線振興協会)とQCQ企画が全国各地で開いています。1日目と2日目の授業を全部受けたあと、修了試験を受けます。QCQ企画の案内では、修了試験は法規と無線工学が10問ずつで、どちらも6問以上正解で合格、試験時間は2科目あわせて1時間です。
eラーニングは、QCQ企画が4アマの課程を開いています。講義動画を単元ごとに見て、単元ごとの模擬試験に合格すると次へ進む形で、全部終えると全国のCBTテストセンターで修了試験を受けます。受講期間は開講日から最長90日なので、「いつでも」とはいえ締め切りはあります。
申し込む前に確認すること
4アマの勉強法:例題を軸に、法規から固める
国家試験ルートで合格するための勉強は、例題を解く→間違えた肢の理由を読む→もう一度解くの繰り返しが中心です。4アマのCBTは過去の本試験問題が公表されておらず、日本無線協会が公表しているのは例題です。例題は法規・無線工学とも3回分あり、CBTの画面で出る問題の形と出題のくせをつかむ材料になります。まず3回分をすべて解き、どの分野からどんな聞き方で出るかを把握します。
順番は法規からがおすすめです。法規は覚えれば点になる問題が多く、免許の有効期間、免許証の返納の期限、非常通信をしたときの報告、呼出しを再開するまでの間隔、電波の型式の記号など、数字や手続きを正確に覚えているかが問われます。数字の取り違えを狙った肢がそろっているので、似た数字はまとめて表にして覚えると崩れません。
無線工学は、オームの法則と電力の計算、トランジスタやダイオードの働き、AM・FM・SSBの送受信機の構成、アンテナの長さ、電波の伝わり方、テレビやラジオへの電波障害、整流回路と測定器が中心です。計算は「4Ωの抵抗で100Wを消費したときの電圧」のような1行で済むものが中心で、公式を2〜3個覚えれば足ります。工学が苦手な人ほど、計算問題は確実な得点源にしてください。
2週間で合格を狙う進め方の例
- 1〜3日目 法規の例題を1回分ずつ解き、間違えた問題の根拠を用語集で確認する
- 4〜6日目 無線工学の例題を1回分ずつ解く。計算問題は式を自分で書いて解き直す
- 7〜10日目 間違えた問題だけを解き直す。2回続けて正解したら外す
- 11日目以降 本試験と同じ24問・1時間で通しを解き、各科目8問以上を安定して取れるか確かめる
4アマは1科目12問のうち4問までしか落とせません。苦手分野を捨てる戦略は取りにくいので、「全分野で8割」を目標にします。特に法規の数字の問題は、2つまで絞れたのに外す、が一番もったいない落とし方です。
合格してから開局するまでの流れ(概略)
国家試験に合格する(または養成課程を修了する)と、それで終わりではありません。電波を出すには、人の免許(無線従事者免許)と局の免許(無線局免許)の2つが要ります。4アマの資格は「操作してよい人」の証明で、自分の無線局を開くには別に無線局の免許を受け、呼出符号の指定を受けます。

合格から運用開始まで
- 無線従事者免許の申請 住所を管轄する総合通信局へ。手数料は電子申請1,750円・書面2,050円(2025年10月1日からの額)。国家試験の場合は試験結果通知書の番号が必要
- 免許証の受け取り 養成課程の場合、QCQ企画は申請から通常1か月〜1か月半で届くと案内している
- アマチュア局の免許申請 無線機を決めて、総合通信局へ開局の申請をする。手数料は空中線電力50W以下なら電子申請2,750円、書面4,530円(免許事項証明書の交付手数料を含む)
- 免許・呼出符号の指定 免許されると呼出符号などが指定される。2025年10月1日から無線局の免許状は廃止され、免許の内容は総務大臣が作る「免許記録」(電波法14条)で確認する。紙の証明が要るときは、請求すると免許事項証明書(14条の2)が交付される
- 運用開始 免許の有効期間は5年。続けるなら再免許を申請する
4アマで操作できるのは、21MHzから30MHzまでと8MHz以下は空中線電力10W以下、30MHzを超える周波数は20W以下の無線設備で、モールス符号による通信操作はできません(電波法施行令第3条)。無線機を選ぶときは、この範囲に収まる出力の機種か、出力を下げて使える機種を選びます。技術基準適合証明のマーク(技適マーク)が付いた無線機なら、申請書に付ける工事設計書の技術基準の部分を省略できるので、初めての開局ではそうした無線機を選ぶのが手堅い方法です。
JARDの講習会では、無線従事者免許と無線局免許を同時に申請する方法も案内しています。手続きの細部は総合通信局ごとの案内に従ってください。また、アマチュア無線は金銭上の利益のためでなく、個人的な無線技術の興味によって行うものです。仕事の連絡には使えません。
ブートラボでの進め方
ブートラボでは、4アマの国家試験ルートを想定した演習をそろえています。収録しているのは日本無線協会が公表しているCBT例題3回分(法規12問×3、無線工学12問×3)で、すべての肢にブートラボのオリジナル解説を付けています。4アマは過去の本試験問題が公表されていないため、本試験の問題そのものは収録していません。
- 演習(CBT例題) 1問ずつ解いて、その場で正誤と肢ごとの解説を見る。範囲・未解答/間違いだけ・問数を選んで解ける
- 本試験形式の通し 法規12問・無線工学12問を科目ごとに1回分ずつ、終わるまで正誤を出さずに解き、最後に正答数と合格ライン(8問)を確認する
- SRS復習 間違えた問題を、忘れかけたころにもう一度出す。勉強法で書いた「解き直し」をこれに任せられる
- 用語集 法規の条文と数字、無線工学の公式を1語ずつ図付きで説明。問題文の用語からそのまま開ける
- 講義「作ってわかる AM 受信機」 受信機を一段ずつ組み立てながら、同調・検波・AGCなどを体験する全16回。工学の受信機の問題が苦手な人向け
試験日を登録すると、ホーム画面に残り日数と1日のノルマが出ます。2週間で受けるなら、例題3回分を最初の1週間で一周し、残りを復習と通しに当ててください。4アマに合格したあと3アマを目指す場合も、同じ画面で3アマの例題とオリジナル問題に切り替えられます。
よくある質問
4アマの国家試験はいつ受けられますか?
CBT方式で年間を通じて実施されています。申し込みはCBTソリューションズのサイトからインターネットで行い、最初の試験日は申請の日から14日以降の日を選びます。申請日から120日以降の日は選べません。
4アマの試験は何問正解すれば合格ですか?
法規12問・無線工学12問で、各科目60点満点中40点以上が合格です。1問5点なので、各科目12問中8問以上の正解が必要です。合計点ではなく科目ごとに判定されます。
講習会と国家試験、どちらが早く免許を取れますか?
国家試験は申請から14日以降に受験でき、結果はおおむね2週間以内に届きます。講習会は2日間で修了試験まで終わりますが、開催日程に合わせる必要があります。どちらもその後に免許申請と免許証の交付の期間がかかります。
第一級陸上無線技術士を持っていれば4アマの操作はできますか?
電波法施行令第3条第5項により、第一級・第二級陸上無線技術士は第四級アマチュア無線技士の操作の範囲に属する操作を行うことができます。3アマの範囲まで操作したい場合は3アマの資格が必要です。
4アマの過去問は公開されていますか?
4アマはCBT方式のため、日本無線協会が公表しているのは本試験の問題ではなく例題です。例題で問題の形と出題範囲のくせをつかみ、間違えた分野を用語集や教科書で補うのが基本の対策になります。
参考にした資料
- 日本無線協会 CBT方式の国家試験(対象資格・試験手数料・日程・結果通知)
- 日本無線協会 表1 資格別・科目別試験問題数と試験時間
- 日本無線協会 表2 国家試験の合格基準
- 日本無線協会 試験問題と解答(CBT対象資格は例題を掲載)
- 日本無線協会 国家試験についてのFAQ(科目免除の対象資格)
- e-Gov 電波法施行令 第3条(操作及び監督の範囲)
- e-Gov 無線従事者規則 第5条(試験科目)・別表第六号(養成課程の授業時間)
- JARD 養成課程講習会(4アマ標準コース・3アマ短縮コース)
- QCQ企画 第三級・第四級アマチュア無線技士 養成課程【講習会】
- QCQ企画 第三級・第四級アマチュア無線技士 養成課程【eラーニング】
- 北海道総合通信局 無線従事者免許等の電子申請の流れと手数料
- e-Gov 電波法施行規則 第3条(アマチュア業務の定義)・第7条(免許の有効期間)
- e-Gov 無線局免許手続規則 第15条の3(工事設計書の記載の簡略)
- 関東総合通信局 申請手数料及び申請用紙の入手方法(アマチュア局)