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2陸特の取り方と難易度|CBT試験・養成課程・合格率・勉強時間

公開 二陸特

2陸特は、CBT方式の国家試験(各12問・8問以上で合格)か、2日間の養成課程で取れます。令和6年度の国家試験の合格率は83.4%。初学者でも15〜25時間ほどの準備で十分に狙えます。

第二級陸上特殊無線技士(2陸特、二陸特)は、警察・消防・防災行政無線・タクシー無線などの業務用無線に加えて、陸上のレーダーや衛星通信の多重無線設備まで扱える陸上系の無線従事者資格です。取り方は、全国の会場で随時受けられるCBT方式の国家試験か、2日間の養成課程の2通り。国家試験は法規・無線工学が各12問の四者択一で、各科目8問以上正解すれば合格です。令和6年度(2024年度)の国家試験の合格率は83.4%でした。

この記事では、2陸特で何ができるかを電波法施行令の条文どおりに整理し、国家試験と養成課程のどちらを選ぶべきか、どのくらい勉強すればよいかを、数字を出して説明します。

先生が受験生に2陸特の取り方は国家試験と養成課程の2通りだと説明している挿絵
2陸特は「CBTで受ける」か「2日の講習で取る」か

2陸特でできること(操作の範囲)

無線従事者の資格ごとに扱える無線設備は、電波法第40条を受けて電波法施行令第3条が定めています。2陸特の欄には、次の設備の「外部の転換装置で電波の質に影響を及ぼさないものの技術操作」が並びます。外部の転換装置とは、電源スイッチやチャンネル切替のように、筐体を開けずに外から操作するつまみやスイッチのことです。送信機の中を調整して周波数や出力を変えるような操作は含みません。

電波法施行令第3条 第二級陸上特殊無線技士の欄

つまり2陸特は、3陸特の範囲をまるごと含み、そこに陸上のレーダー、衛星通信の多重無線設備(50ワット以下)、中波〜短波の一部(1,606.5kHz〜4,000kHz、10ワット以下)、受信障害対策中継放送局とコミュニティ放送局が加わった資格です。ここでいう「陸上の無線局」は、基地局・陸上移動局・固定局など、海岸局・航空局・基幹放送局などを除いた無線局を指します。

日本無線協会は、2陸特・3陸特が活躍する分野として、警察、消防、防災行政無線、MCA無線、タクシー無線などを挙げています。同じ分野でも設備の規模によって必要な資格は変わります。例えば大電力の多重無線設備を扱うなら、さらに上の第一級陸上特殊無線技士が必要です。

3陸特と2陸特の操作範囲を周波数と空中線電力で比べた図
2陸特=3陸特の範囲+レーダー・衛星の多重無線設備など
ひっかけ

3陸特は「レーダーを除く」、2陸特は「陸上の無線局のレーダー」を扱える。法規の操作範囲の問題では、この差と「50ワット以下で25,010kHz〜960MHz」「100ワット以下で1,215MHz以上」の数字の組合せがよく問われます。960MHzから1,215MHzの間は3陸特の範囲に入っていません。

取り方は2通り:CBTの国家試験か、養成課程か

2陸特の取り方は、日本無線協会が実施する国家試験に合格するか、総務大臣の認定を受けた養成課程を修了するかのどちらかです。どちらも、最後は総合通信局に無線従事者免許を申請して免許証を受け取ります。

2陸特の取り方の比較(日本無線協会の公表情報)

国家試験(CBT)養成課程(日本無線協会本部の公募型)
日程全国の会場で随時。申請日から14日以降の日を選ぶ本部(東京・晴海)の場合、令和8年度は年9回(各2日間)
中身法規12問・無線工学12問の四者択一法規5時間・無線工学4時間の授業と修了試験
費用試験手数料6,900円+払込手数料30,650円(免許申請手数料2,050円を含む)
合否各科目12問中8問以上で合格修了試験に合格して修了
結果概ね2週間以内にメールで通知協会が免許申請手続きまで行う

費用だけ見れば国家試験が安く、受け直しもしやすい方式です。養成課程は費用がかかりますが、2日間で授業から修了試験まで終わり、免許申請も協会がまとめて行います。会社の指示で確実に取りたい、勉強の時間をまとまって確保したい、という人に向きます。

令和7年度(2025年度)の日本無線協会の事業報告では、2陸特の国家試験の申請者数は5,544人、養成課程の受講者数は2,907人でした。2陸特は国家試験で取る人が多い資格です(3陸特は逆に養成課程の受講者が国家試験の申請者の約5倍です)。

CBT国家試験と養成課程の流れを左右に並べた図
どちらのルートも最後は免許申請
ポイント

航空特殊無線技士や第一級・第二級海上特殊無線技士などをすでに持っている人は、法規1時間・無線工学1時間の「短縮コース」(本部の場合20,860円、免許申請手数料込み)を受けられます。受講資格は日本無線協会の案内で確認してください。

CBT方式の国家試験のしくみ

2陸特の国家試験は、CBT(コンピュータを使う試験)で実施されています。試験会場のパソコンで解答する方式で、受験日と会場を自分で選べます。申請は試験会場の運営を受託している㈱CBTソリューションズのサイトからインターネットで行い、申請時に顔写真を電子登録します。

試験の要点(日本無線協会の公表情報)

  • 科目 法規・無線工学の2科目
  • 問題数 各12問。四者択一
  • 試験時間 日本無線協会の資料(表1)では2科目あわせて1時間
  • 合格基準 各科目60点満点で40点以上(1問5点なので8問以上の正解)
  • 手数料 6,900円に払込手数料を加えた額
  • 日程の変更 試験日の3日前まで変更・キャンセルができる(キャンセルは払戻に手数料)。最初の申請日から120日以降の日は選べない

試験が終わると画面に点数が出ますが、表示されるのは法規と無線工学の合計点です。合格には両方の科目がそれぞれ合格基準に達している必要があるので、合計点が高くても片方が7問以下なら不合格です。正式な結果は概ね2週間以内にメールで届き、ダウンロードした試験結果通知書の番号を使って免許を申請します。

当日は顔写真付きの本人確認証が必要で、トイレなどで一時退室すると再入室できません。試験問題やメモは持ち帰れません。CBTの問題そのものは公表されていませんが、日本無線協会はCBTの例題(解答付き)を法規・無線工学それぞれ3組公開しています。

試験ではここ

得点表示は合計点。法規だけ、工学だけで足切りされる試験なので、得意科目で稼ぐ作戦は通用しません。2科目とも8問を確実に取る準備をしてください。

難易度と合格率

総務省の情報通信統計データベースによると、令和6年度(2024年度)の2陸特の国家試験は受験者5,265人、合格者4,392人、合格率83.4%でした。同じ年度の3陸特は79.1%、第一級陸上特殊無線技士は36.3%です。2陸特は受験者の大半が合格する試験で、無線の資格の中では入門寄りに位置します。

ただし「誰でも受かる」わけではありません。無線工学には、抵抗の電力の計算、蓄電池の使用時間、PCMのブロック図、パルスレーダーの探知距離、静止衛星のVSATといった問題が並びます。レーダーや衛星通信は3陸特の範囲にない設備なので、3陸特より覚える用語が増えます。例題の計算問題は四則演算で解ける程度ですが、用語を知らないと選択肢を絞れません。

法規は、電波法の目的・定義、無線局の免許、無線従事者、運用、監督の範囲から出ます。数字の暗記(操作範囲の周波数と電力、無線局の免許の有効期間など)と、条文の言い回しの正誤判断が中心です。

ひっかけ

過去の公表問題(令和4年2月期まで)には「免許状」が登場しますが、電波法の改正で無線局の免許状は廃止され、いまは免許記録(第14条)と免許事項証明書(第14条の2)に変わっています。古い問題集で覚える人は、この点だけは現行法で上書きしてください。

勉強時間の目安

勉強時間の公的な目安はありません。ここでは2つの物差しから見積もります。

1つ目は養成課程の授業時間です。2陸特の養成課程は法規5時間・無線工学4時間の計9時間で、その直後の修了試験に受講者が合格していきます。講師が出題範囲を絞って教えてくれる前提ですが、範囲を一通り押さえるのに必要な時間は1桁〜十数時間という感覚がつかめます。

2つ目は問題の量です。無線通信ブートラボの2陸特は、CBT例題3組と過去の公表問題9期分で、法規・無線工学それぞれ144問、計288問を収録しています。1問を解いて解説を読むのに平均2〜3分かかるとすると、1周で10〜15時間。間違えた問題だけを2周目・3周目に回すと、合計で15〜25時間が一つの目安です(当サイトの収録量からの試算です)。

学習歴別の目安(試算)

  • 3陸特・4アマなどを持っている 法規は差分の確認だけで済む。工学のレーダー・衛星・多重を中心に10時間前後
  • 電気・電子を学んだことがある 工学の計算は既知。法規の暗記を中心に15時間前後
  • まったくの初学者 用語から入るので20〜25時間。1日1時間なら3〜4週間

2陸特の勉強法

合格基準が各科目8問と決まっているので、勉強法は「各科目で9〜10問を安定して取れる状態」を作ることに集中します。

おすすめの順番

  1. 日本無線協会のCBT例題を1組、時間を計って解き、いまの点数と苦手な分野を知る
  2. 法規は操作範囲・免許・運用の数字を表にまとめ、3陸特との違い(レーダー・衛星・1,606.5kHz〜4,000kHz)を先に固める
  3. 工学はレーダー、衛星通信、デジタル変調、多重化、電源、測定の順に、用語の意味を一言で言えるようにする
  4. 過去の公表問題を期ごとに通しで解き、間違えた問題だけを翌日・3日後・1週間後に解き直す
  5. 仕上げに例題の残り2組を本番と同じ条件で解き、両科目とも9問以上取れたら申請する

CBTは日程を選べるので、「勉強が終わってから申し込む」のではなく、先に2〜4週間後の試験日を押さえて期限を作るほうが進みます。日程は試験日の3日前まで変更できます。

ポイント

過去問は「同じ問題がまた出る」ことを前提にした暗記ではなく、選択肢のどこが誤りなのかを一言で言えるまで解説を読むのが近道です。CBTでは、同じ題意でも選択肢の順序や数値、言い回しが変わって出題されると日本無線協会が明記しています。

ブートラボでの進め方

無線通信ブートラボでは、2陸特のCBT例題3組と、平成31年2月期から令和4年2月期までの過去の公表問題9期分を、法規・無線工学それぞれ12問ずつの形で演習できます。CBT例題の原本は正答の肢に網掛けがありますが、当サイトでは選択肢の並びを毎回入れ替えて出すので、位置で覚えてしまうことはありません。

2陸特の受験生向けの使い方

  • 演習 科目を選び、範囲(例題・期)、対象(未解答・間違い)、問数を決めて解く。解答ごとに解説が出る
  • SRS復習 解いた問題に「むずい・ふつう・かんたん」を付けると、10分後・1日後・4日後と間隔をあけて復習キューに戻ってくる
  • 本試験形式の通し 例題や過去問の1回分12問を、終わるまで正誤を出さずに解き、最後に合格ライン(8問)と比べる
  • 用語集 操作の範囲・主任無線従事者などの法規の用語と、レーダー・マイクロ波・多元接続などの工学の用語を、図つきで確認できる。問題文の用語から直接開ける
  • 法改正の注意 免許状など旧法で書かれた過去問には、結果画面に現行法との違いを表示

受信機のしくみが苦手な人は、講義「作ってわかる AM 受信機」も役に立ちます。スーパーヘテロダイン受信機を一段ずつ組み立てる体験型の講義で、2陸特の工学に出る受信機・雑音・選択度の考え方がつながります。試験日を登録すると、ホームに残り日数と今日のノルマが出ます。

まとめ

  • 2陸特は3陸特の範囲に、陸上のレーダー、衛星通信の多重無線設備(50ワット以下)、1,606.5kHz〜4,000kHz(10ワット以下)などが加わった資格
  • 取り方はCBTの国家試験(6,900円+払込手数料)か、2日間の養成課程(本部で30,650円、免許申請手数料込み)
  • 国家試験は法規・無線工学各12問、各科目8問以上で合格。令和6年度の合格率は83.4%
  • 勉強時間は試算で15〜25時間。例題で現状を測り、過去問と復習で各科目9問以上を安定させる

よくある質問

2陸特は独学で受かりますか?

受かります。令和6年度(2024年度)の国家試験の合格率は83.4%です。CBT例題と過去の公表問題で各科目9問以上を安定して取れれば、合格基準の8問に届きます。

2陸特の試験はいつ受けられますか?

CBT方式なので、全国の会場で随時受けられます。申請はインターネットで行い、申請日から14日以降の日程を選びます。最初の申請日から120日以降の日は選べません。

2陸特を持っていれば3陸特は不要ですか?

不要です。電波法施行令第3条で、2陸特の操作範囲には3陸特の操作範囲に属する操作が含まれています。ドローンの無人移動体画像伝送システムのように「第三級陸上特殊無線技士以上」とされる設備も、2陸特で扱えます。

国家試験と養成課程はどちらがいいですか?

費用を抑えたいなら国家試験(試験手数料6,900円+払込手数料)です。確実さと手間の少なさを優先するなら、2日間で修了試験と免許申請まで終わる養成課程(日本無線協会本部で30,650円、免許申請手数料込み)が向きます。

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参考にした資料

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