無線通信規則(国際)の地域区分とアマチュア業務への周波数分配、禁止される伝送とアマチュア業務の規定を選ぶ問題。あわせて、国内の電波法施行令で決まる3アマの操作の範囲(空中線電力と周波数)を選ぶ問題。
STEP 1まず1問、見てみる

国際の分配と国内の資格は別の話。問題文がどちらを聞いているかから見ます。
例題No.3 法規 問8は「無線通信規則の周波数分配表において、アマチュア業務に分配されている周波数帯はどれか」という問題です。
無線通信規則の周波数分配表において、アマチュア業務に分配されている周波数帯は、次のどれか。
- 13,800〜3,950 kHz
- 27,300〜7,600 kHz
- 318,052〜18,068 kHz
- 421,000〜21,450 kHz
どれも、アマチュア無線で聞き覚えのある7 MHz帯や18 MHz帯の近くにあり、「なんとなくアマチュアっぽい」数字が並んでいます。
この型でもう一つ迷うのが、国際の分配と、国内の資格の範囲が別の話だという点です。無線通信規則は国際電気通信連合(ITU)の条約に付属する規則で、世界の周波数をどの業務に割り振るかを決めています。
一方、3アマで操作できる設備は、日本の電波法施行令が決めています。アマチュア業務に分配されている周波数でも、3アマでは操作できないものがあります。この回では、国際の規則と国内の資格を、照合する順番をつけて分けます。

STEP 2覚えること

日本は第三地域。分配帯は、単位をそろえてから比べるのが鉄則です。
無線通信規則は、周波数の分配のために世界を3つの地域に分けています。日本は第三地域です。第一地域はヨーロッパ・アフリカなど、第二地域は南北アメリカで、「極東地域」のような区分はありません(例題No.1 法規 問8の正答と当サイトの解説による)。
地域によって分配が違う周波数もあるため、分配表は地域ごとの欄で読みます。

例題とオリジナル問題で「アマチュア業務に分配されている」として正解になっていた周波数帯を、問題ごとに並べます。単位がkHzとMHzでまちまちなので、同じ単位にそろえてから比べます。1 MHz=1,000 kHzです。
分配帯の問題で正解だった帯と、並んでいた誤りの肢
| 正解の帯 | 誤りの肢(アマチュア業務への分配ではない) | |
|---|---|---|
| オリジナル問題3 問8 | 7,000〜7,100 kHz | 5,900〜6,200 kHz、9,400〜9,900 kHz、11,600〜12,100 kHz(いずれも放送) |
| 例題No.3 問8 | 21,000〜21,450 kHz | 3,800〜3,950 kHz、7,300〜7,600 kHz、18,052〜18,068 kHz |
| 例題No.2 問8 | 28〜29.7 MHz | 47〜50 MHz、75.2〜87.5 MHz、108〜137 MHz(航空) |
| オリジナル問題2 問8 | 144〜146 MHz | 88〜108 MHz(放送)、118〜137 MHz(航空移動)、156〜174 MHz(海上移動など) |
ここで注意したいのは、この表が国内で使える周波数の一覧ではないことです。国内でアマチュア業務に使う電波の型式と周波数の使用区別は、別に告示で定められています(運用規則258条の2)。
試験で問われるのは「無線通信規則の分配表に照らしてどれか」なので、問題文がどちらを聞いているかを確かめます。
次に、3アマの操作の範囲です。電波法施行令3条は、アマチュア無線技士の4つの資格ごとに、操作できる無線設備を決めています。
アマチュア無線技士の操作の範囲(電波法施行令3条3項)
| 空中線電力 | 周波数・その他 | |
|---|---|---|
| 第一級 | 制限なし | アマチュア無線局の無線設備の操作 |
| 第二級 | 200 W以下 | 周波数の制限なし |
| 第三級 | 50 W以下 | 18 MHz以上 又は 8 MHz以下 |
| 第四級 | 10 W以下/20 W以下 | 21〜30 MHz又は8 MHz以下は10 W以下、30 MHzを超える周波数は20 W以下。モールス符号による通信操作を除く |
3アマは「空中線電力50 W以下の無線設備で、18 MHz以上又は8 MHz以下の周波数の電波を使用するもの」の操作ができます。8 MHzを超え18 MHz未満のところに穴があいている、と覚えます。
たとえば14 MHz帯や10 MHz帯の設備は、空中線電力が小さくても3アマの範囲外です。電力の数字は、2アマの200 W、4アマの10 W・20 Wが誤りの肢として並びます。

8〜18 MHzは穴。14 MHz帯は電力が小さくても、3アマでは操作できません。
一陸技を目指している人に一つ。施行令3条5項では、第一級陸上無線技術士が行えるアマチュアの操作は「第四級アマチュア無線技士の操作の範囲に属する操作」とされています。一陸技を取っても、アマチュア局ではモールスによる通信操作も、50 Wの運用もできません。


問題を解くときは、分配(無線通信規則)→ 資格の範囲(施行令3条)→ その局の免許記録の順に照合します。
無線局を運用するときは、識別信号、電波の型式及び周波数などを免許記録に記録されたとおりにしなければならない(電波法53条)ので、最後はその局に許された周波数かどうかになります。試験の1問が聞いているのは、このうちの1段だけです。

最後に、無線通信規則が伝送について定めていることです。15条は、すべての局に、不要な伝送、余分な信号の伝送、虚偽の又はまぎらわしい信号の伝送、識別表示のない信号の伝送を禁止しています(19条に定める場合を除く)。
また19条は、虚偽の又はまぎらわしい識別表示を使用する伝送をすべて禁止しています(例題No.2 法規 問12)。アマチュア業務については25条に定めがあり、試験に出るのは次の4つです。
無線通信規則25条(アマチュア業務)
- 意味を隠す符号化の禁止 異なる国のアマチュア局相互間の伝送は、意味を隠すために符号化されたものであってはならない(アマチュア衛星業務の地球指令局と宇宙局の間の制御信号を除く)。
- 伝送の内容 異なる国のアマチュア局相互間の伝送は、アマチュア業務の目的に付随する通信と、個人的な事柄の話に限る。
- モールス能力 アマチュア局を操作しようとする者にモールス符号の送受信能力の実証を求めるかどうかは、主管庁が決定する。
- 呼出符号の送信 アマチュア局は、その伝送中、短い間隔で自局の呼出符号を伝送しなければならない。
「主管庁」は各国で電波を管理する官庁のことで、日本では総務省です。国内の規則にも対応するものがあります。
電波法58条はアマチュア無線局の行う通信に暗語を使ってはならないと定め、運用規則30条はアマチュア局が長時間送信するときは10分ごとを標準にDEと自局の呼出符号を送ると定めています(前回)。国際の「短い間隔で」と国内の「10分」は、別の規則の別の言い方です。
では略語はどうか。Q符号や略符号は、意味が別表で公開されていて、誰が聞いても同じ意味に読めます。国内では、無線電信通信の業務用語には別表第二号の略符号を使うものとする、と運用規則13条が定めています。略語は「隠す」ためのものではなく、使うように決められたものです。
STEP 3肢の切り方

kHzとMHzをそろえて、境目の数字を見る。端が少しずれた帯がひっかけです。
例題No.3 法規 問8(分配帯)を解きます。まず4つの肢をkHzでそろえます。3,800〜3,950、7,300〜7,600、18,052〜18,068、21,000〜21,450(kHz)。
例題No.3 法規 問8を1肢ずつ切る
- ✕肢1 3,800〜3,950 kHz
帯の一部がアマチュア以外の業務に分配されているので、帯全体がアマチュア業務への分配とはいえない。
- ✕肢2 7,300〜7,600 kHz
アマチュア業務に分配されていない帯。第三地域の40 mのアマチュア分配は7,000〜7,200 kHz。
- ✕肢3 18,052〜18,068 kHz
先頭の「18」だけ見ると18 MHz帯に見えるが、当サイトの解説のとおり18 MHz帯のアマチュア分配は18,068 kHzから上。この帯はその手前の、アマチュア業務以外に分配された帯。
- ○肢4 21,000〜21,450 kHz
21〜21.45 MHzで、表の21 MHz帯そのもの。
肢3は、上端の18,068がちょうど境目になっているところが、ひっかけです。
例題No.1 法規 問14は「アマチュア局に禁止されていない伝送はどれか」です。「禁止されていない」に線を引きます。
例題No.1 法規 問14を1肢ずつ切る
25条の空欄補充は、決まった言葉を入れるだけです。例題No.3 法規 問14「アマチュア局は、その伝送中[ ]自局の呼出符号を伝送しなければならない」には「短い間隔で」が入り、「30分ごとに」「必要により随時」「通信状態を考慮して適宜の間隔で」は切れます。
オリジナル問題2 法規 問14の、モールス能力の実証を決めるのは「主管庁」で、国際電気通信連合や国際アマチュア無線連合、無線通信規則そのものではありません。
オリジナル問題1 法規 問4は施行令の空欄補充で、「アマチュア無線局の空中線電力[ ]ワット以下の無線設備で18メガヘルツ以上又は8メガヘルツ以下」です。周波数の条件が3アマのものなので、電力は50。肢の10は4アマ、20は4アマの30 MHz超、200は2アマの数字です。
STEP 4ひっかけ

「以上」と「以下」の入れ替えは定番です。18 MHz以上、8 MHz以下の向きを確かめて。
「18 MHz以上又は8 MHz以下」の「以上」と「以下」を入れ替えた肢に注意。50 Wと200 W・10 W・20 W、MHzとkHzの桁、18,052〜18,068 kHzのような境目の帯。「分配されている」と「3アマが操作できる」は別の問い。略語は禁止されていない。禁止されるのは意味を隠すための符号化。

国際法規は例題3回分で毎回2問(問8と、問12か問14)出ています。分配帯は単位をそろえる、禁止行為は「すべての局に禁止」の3つと「意味を隠す符号化」、25条は「主管庁」「短い間隔で」。この3点で、ほとんどの肢が数十秒で切れます。
STEP 5自分で解く
ほかの条件を満たすアマチュア局の無線設備のうち、第三級アマチュア無線技士が操作できるものはどれか。
無線通信規則の規定に照らし、禁止の対象になるものはどれか。
無線通信規則25条は、異なる国のアマチュア局相互間の伝送を意味を隠すために符号化することを禁じている。Q符号や略語は意味が公開されていて隠す目的のものではない。個人的な事柄の話は、アマチュア業務の目的に付随する通信とともに25条が認めている内容なので、肢4も禁止ではない。
21 MHz〜21.45 MHzをkHzで表したものはどれか。
1 MHz=1,000 kHzなので、21 MHzは21,000 kHz、21.45 MHzは21,450 kHz。肢1は1桁少なく、肢3は1桁多い。肢4は単位だけを書き換えたもので、値が1,000分の1になっている。
STEP 6今日のまとめ

分配、資格の範囲、免許記録の順に照合。問題がどの段を聞いているかを見れば迷いません。
今日おぼえたこと
- 日本は無線通信規則の第三地域。分配帯は単位をそろえて比べ、境目(18,052〜18,068 kHzなど)に注意。
- 3アマの操作の範囲は空中線電力50 W以下で、18 MHz以上又は8 MHz以下(電波法施行令3条)。8〜18 MHzは範囲外。
- すべての局に禁止:不要な伝送、虚偽・まぎらわしい信号、識別表示のない信号。虚偽・まぎらわしい識別表示も禁止。略語は禁止されない。
- アマチュア業務(25条):意味を隠す符号化の禁止、モールス能力の実証は主管庁が決める、伝送中は短い間隔で呼出符号。
次回は、局の免許(免許記録)と人の免許(無線従事者免許証)を混同しないように、手続と期間を整理します。
本番の問題この回で取れるようになった問題
「例題No.」は公益財団法人日本無線協会が公表している CBT 方式の国家試験の例題、「過去問」は同協会の公表試験問題です(日本無線協会 試験問題。同協会の利用条件に基づき掲載)。「オリジナル」は当サイトの作問です。