「アマチュア局の免許の有効期間」「再免許の申請期間」「設置場所を変えるとき」「廃止するとき」「無線従事者の免許の有効期間」「免許証の再交付」のように、局の手続と人の手続のどちらかを問う問題。主語が局か人かを先に決めれば、肢の半分はすぐ切れます。
STEP 1まず1問、見てみる

最初に見るのは数字じゃなくて主語。局の話か、人の話か、です。
例題No.2 法規 問2は、アマチュア局の再免許の申請をいつ行うかを問います。
アマチュア局(人工衛星に開設するものなどを除く)の再免許の申請は、いつ行わなければならないか。
- 1免許の有効期間満了前2箇月以上1年を超えない期間
- 2免許の有効期間満了前1箇月以上6箇月を超えない期間
- 3免許の有効期間満了前2箇月まで
- 4免許の有効期間満了前1箇月まで
数字が似ているうえ、締切だけを書いた肢と、期間の両端を書いた肢が混ざっていて、うろ覚えだと迷います。
同じ数字の迷いは、ほかの問題にも出ます。例題No.1 法規 問1は日本の国籍を有する人が開設するアマチュア局の免許の有効期間、当サイトのオリジナル問題No.3 法規 問4は無線従事者の免許の有効期間です。
どちらにも「免許の日から起算して5年」という肢が並びます。局の答えは5年、人の答えは「有効期間の定めはない」。局と人を取り違えると、知っている数字で落とします。
この回は、免許を「局の免許」と「人の免許」の2つの箱に分け、それぞれの箱に入る数字と手続を整理します。箱を間違えなければ、どの問題も1つの条文で決まります。
STEP 2覚えること


局の箱と人の箱。数字も書類も、箱ごとに別々に覚えますよ。
まず局の免許です。無線局の免許は総務大臣が無線局ごとに与えます。期限があるので、続けるには再免許を受けます。
有効期間は電波法13条1項で「免許の日から起算して5年を超えない範囲内」で総務省令が定めることになっていて、施行規則7条がアマチュア局を含む「その他の無線局」を5年としています。
再免許の申請期間は無線局免許手続規則18条1項1号です。アマチュア局(人工衛星に開設するものなどを除く)は免許の有効期間満了前1箇月以上6箇月を超えない期間。満了の6か月前から1か月前までの間に申請します。
ほかの多くの無線局は同項3号で「3箇月以上6箇月を超えない期間」です。アマチュア局は締切が2か月遅い、と覚えると区別できます。
免許を与えると、総務大臣は免許記録という電子データを作り、免許人に通知して、有効期間中は免許人が見られる状態にします(電波法14条)。
免許記録には、目的、通信の相手方、設置場所、識別信号、電波の型式と周波数、空中線電力などが記録されます。紙で持ちたいときは、免許記録の内容を証明した書面である免許事項証明書の交付を請求できます(14条の2)。
2025年10月1日に紙の免許状は廃止されました。旧・免許状の問題で「免許状」と書かれていたところは、いまは免許記録で読みます。

次に、局の中身を変えるときの手続です。強さで3段階あります。
局の手続の強さ
免許が効力を失ったら、総務大臣が免許記録にその旨を記録します(電波法24条)。
免許人の側は、手元の免許記録の写しと免許事項証明書を「破棄し、又はその効力がない旨が容易に識別できるように措置」します(免許手続規則33条1項1号)。免許記録が変更されたときの、変更前の写しや証明書も同じ扱いです(同項2号)。

旧制度の「免許状を1箇月以内に返納」は、いまの答えにしません。破棄か識別措置です。
ここで3つの書類の関係をはっきりさせます。どれも「局」の書類で、無線従事者免許証とは別物です。
局の3つの書類
| 何か | 根拠 | |
|---|---|---|
| 免許記録 | 本体。総務大臣が作成した電磁的記録 | 電波法14条 |
| 免許記録の写し | 免許人が総務大臣の定める方法で電子情報処理組織を使って作ったもの。記録の中身と変わらないものに限る | 施行規則38条2項・4項のただし書 |
| 免許事項証明書 | 請求して交付を受ける紙の証明書 | 電波法14条の2 |
局の書類の置き場所も押さえます。アマチュア局に備え付ける書類は免許記録です(電波法60条、施行規則38条1項)。
移動するアマチュア局は、送信装置のある場所(その送信装置で運用し、又は運用しようとするときに限る)か無線設備の常置場所に備え付けます(38条3項)。
個人が開設する移動するアマチュア局なら、免許記録をスマートフォンなど携帯する機器に表示させる、免許記録の写しや免許事項証明書を携帯する、といった方法でも備付けになります(38条4項)。
ここから人の免許です。無線従事者になろうとする者は総務大臣の免許を受けます(電波法41条)。電波法にも無線従事者規則にも、無線従事者の免許の有効期間の定めはありません。
書類は無線従事者免許証で、業務に従事しているときは携帯します(施行規則38条11項)。備え付けるのでも掲示するのでもありません。
免許証の手続は2つ
最後に、局と人をつなぐ規定です。アマチュア局の無線設備の操作は、無線従事者でなければ行ってはなりません(電波法39条の13)。
ただし書きの例外として、外国の資格を持つ人の操作や、有資格者の指揮の下で一時的に行う体験の操作などが施行規則34条の8〜34条の10に定められています。だから「いかなる場合も資格のない者は操作できない」と言い切る肢にも注意します。

STEP 3肢の切り方

例題No.2 法規 問2(再免許の申請期間)を、肢を1つずつ切って解きます。主語は「アマチュア局の再免許」なので局の箱。免許手続規則18条1項1号の「満了前1箇月以上6箇月を超えない期間」を思い出します。
再免許の申請期間を1肢ずつ切る
- ✕肢1 満了前2箇月以上1年を超えない期間
両端の数字が2つとも違う(規定は1箇月以上6箇月)。
- ○肢2 満了前1箇月以上6箇月を超えない期間
免許手続規則18条1項1号のとおり。これが正解。
- ✕肢3 満了前2箇月まで
締切の側しか書いておらず、いつから申請できるか(6か月前)を表していない。
- ✕肢4 満了前1箇月まで
1箇月の数字は合っているぶん紛らわしいが、締切だけ。規定は期間の形なので切る。

締切だけ書いた肢は、数字が合っていても切る。規定は「期間」の形です。
例題No.2 法規 問7は、免許が効力を失ったとき、免許記録の写しと免許事項証明書をどうするかを問います。主語は「局」の書類です。
失効後の写し・証明書を1肢ずつ切る
- ✕肢1 適当な方法で保管しておく
そのまま置いておくだけなので、33条1項の措置にならない。
- ✕
- ✕
- ○肢4 破棄し、又はその効力がない旨が容易に識別できるように措置する
免許手続規則33条1項1号のとおり。これが正解。
当サイトのオリジナル問題No.1 法規 問6(無線従事者の氏名変更)は人の箱です。
氏名変更の手続を1肢ずつ切る
- ✕新たに免許を申請する
資格が消えるわけではないので不要。
- ✕免許証を返納する
返納は取消しのときの手続(従事者規則51条)。
- ✕訂正を受ける
無線従事者免許証の手続として規則にない。
- ○

STEP 4ひっかけ

人の数字(10日・携帯・再交付)が局の問題に紛れていたら、それがひっかけです。
入れ替えられやすい組を表にしました。肢の中で、左と右が入れ替わっていないかを見ます。
入れ替えられやすい組
| こちら | 入れ替え相手 | |
|---|---|---|
| 有効期間 | 5年(局) | 定めなし(人) |
| 手続 | あらかじめ許可(設置場所・変更の工事) | 届出(廃止) |
| 終わるとき | 破棄か識別措置(局の写し・証明書) | 10日以内に返納(人の免許証) |
| 置き方 | 備付け(局の免許記録) | 携帯(人の免許証) |
| 再免許の申請期間 | 1箇月以上6箇月(アマチュア局) | 3箇月以上6箇月(その他の局) |
問題文の最初の10文字で「局」か「無線従事者」かに丸をつけてから肢を読みます。この型は1問30秒で取れる点です。迷ったら、肢の中に人の数字(10日・携帯・再交付)と局の数字(5年・許可・届出)が混ざっていないかを見ます。
STEP 5自分で解く

3問とも、問題文の主語に丸をつけてから肢を見てみましょう。
免許の有効期間が来年3月31日に満了するアマチュア局(人工衛星等のアマチュア局を除く)の再免許の申請として、規定の期間に入る日はどれか。
申請期間は満了前1箇月以上6箇月を超えない期間なので、およそ9月30日から2月末までの間。12月10日は満了の約3か月半前で期間に入ります。8月20日は6か月より前で早すぎ、3月15日は1か月を切っていて遅く、4月5日は満了後です。
無線局を廃止するときに、免許人がとらなければならない手続はどれか。
無線従事者免許証についての記述で、正しいものはどれか。
STEP 6今日のまとめ

今日おぼえたこと
- 局の免許は5年(電波法13条・施行規則7条)。無線従事者の免許は有効期間の定めがない
- アマチュア局の再免許の申請は、満了前1箇月以上6箇月を超えない期間(免許手続規則18条)
- 設置場所の変更・変更の工事はあらかじめ許可(17条)。廃止は届出(22条)で、免許は効力を失う(23条)
- 失効した免許の写し・免許事項証明書は破棄か識別措置(免許手続規則33条)。取り消された免許証は10日以内に返納(従事者規則51条)
- 局の免許記録は備え付ける(移動する局は送信装置のある場所か常置場所)。人の免許証は携帯する
次回は、免許記録に書かれた範囲で運用するという原則と、遭難通信や非常通信の例外がどの条文にだけ効くのかを読み分けます。
本番の問題この回で取れるようになった問題
「例題No.」は公益財団法人日本無線協会が公表している CBT 方式の国家試験の例題、「過去問」は同協会の公表試験問題です(日本無線協会 試験問題。同協会の利用条件に基づき掲載)。「オリジナル」は当サイトの作問です。